作:原マスミ 出版:白泉社
クリスマスはサンタクロースからプレゼントをもらう日。
そんな夢いっぱいの日に、悪魔たちは一体何をしているのでしょうか。
幸せなクリスマスの裏側で蠢く悪魔の子どものお話です。
あらすじ
クリスマスイブの夜。
悪魔の子が屋根の上に一人ぼっちで座っていました。
悪魔王国では「クリスマスに子どもたちは、何か一つ悪い行いをしなければならない」という法律があります。
でも、この悪魔の子は何をすればいいかわからず困っていました。
そして、悪魔大王にお仕置きされるのが怖くて逃げだしてしまいました。
その頃、サンタクロースはプレゼントを届けるため煙突に入ったのですが、足を滑らせ足をくじいてしまいました。
煙突から這い出したサンタクロースはすすで真っ黒。
そこにさっきの悪魔がやってきてびっくり。
真っ黒なサンタが悪魔大王そっくりだったのです。
それに気づいたサンタクロースは悪魔大王になりすまし、悪魔の子どもに仕事を手伝わせることにしました。
プレゼントを靴下の中にいれてくるよう伝えるサンタクロース。
悪魔の子どもは煙突の中へ。
一体この悪魔の子はどうなるのでしょうか。悪魔王国の法律はどうなるのでしょう。
『クリスマスのあくま』の素敵なところ
- 悪魔が主人公のクリスマスには珍しいお話
- わかりやすくかみ砕かれた文章
- 意外な展開の連続で飽きさせない
クリスマスと悪魔という正反対のものが登場するタイトルに、「なんでなんで?」と子どもたちは興味津々です。
お話の中でもサンタさんは脇役で、クリスマスの日の悪魔の過ごし方がメインになっている珍しいお話です。
そのサンタさんもずる賢く悪魔を騙すという珍しい描かれ方をしています。
そんな一風変わったお話ですが、悪魔王国の法律の「悪いこと」を例えを出して教えてくれたり、サンタクロースが悪魔大王そっくりになる過程も丁寧に描かれていたりと、お話がわかりやすくかみ砕かれて描かれているので、とてもわかりやすいです。
また、サンタクロースが足を滑らせたり、悪魔の子を騙したりと意外な展開も多かったり、悪魔大王の登場にハラハラしたりと、息をつかせぬ展開で飽きさせません。
でも、最後はなんだか心温まるクリスマスにぴったりの展開です。
クリスマスに少し変わった絵本を読みたくなった時にぜひ。
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