作:たむらしげる 出版:メディアファクトリー
土星のわっかの上に、スケート場があるのを知っていますか?
ある時、そんなスケート場に招待を受けた男の子。
土星までの、宇宙旅行の始まりです。
あらすじ
ある日、スケートを楽しんでいた男の子ルネくん。
そこへ、手紙のついて流れ星が落ちてきました。
差出人は、友だちの宇宙人ミューくん。
「土星にローラースケート場が出来たので、遊びに来て欲しい」
という内容でした。
スケート場の切符も入れてくれています。
ルネくんは、早速家に帰り、望遠鏡で土星を見てみましたが、遠くてよく見えません。
そこへおじいちゃんがやってきました。
ルネくんはおじいちゃんに、ミューくんからの手紙を見せました。
すると、おじいちゃんは「行ってみよう」と言うのです。
ルネくんがどうやって行くのかと思っていると、おじいちゃんは一艘の舟を川に浮かべました。
オールをこいで進んでいくと、いつの間にか街が水の下にありました。
さらに舟は進んでいき、いよいよ地球とお別れです。
星の海を渡り、渦巻銀河を通ります。
渦巻銀河を抜けると、音楽が聞こえてきました。
サボテン星で、サボテンが楽しそうに踊っているのです。
さらにお菓子星までやってくると、
「おーい、どこに行くんだい?」
と、ルネくんたちを呼び止める声が聞こえてきました。
一体誰でしょう。
そして、ルネくんたちは、ローラースケート場までたどり着くことが出来るのでしょうか。
『うちゅうスケート』の素敵なところ
- 夢いっぱいの土星のわっかのスケート場
- 壮大過ぎる宇宙の旅
- ワクワクするファンタジックな世界観
この絵本には、宇宙への夢が詰っています。
その中でも、土星のわっかは憧れのある子も多いはず。
土星のわっかに座って宇宙を見学したり、お弁当を食べたりしたいという夢を持った人は、多いのではないでしょうか。
なんと、この絵本ではそれがスケート場になってしまいました。
あの輪の上をクルクル滑ることが出来るなんて、まさに夢のよう。
なんとなく、あの質感は滑りがよさそうで、スケートにはピッタリな感じもします。
土星にスケート場がオープンしたというだけで、夢が膨らみ、テンションが上がってしまいます。
子どもたちも、
「土星にスケート場だって!」
「絶対行きたい!」
と大盛り上がり。
でも、ルネくんと一緒に「どうやって行けばいいんだろう」という子も。
そこで登場するのがまさかの舟。
でも、その不思議な舟での冒険は、小さな舟の旅とは思えないほど、壮大なものでした。
街の上へ流れていく川。
銀河のトンネル。
サボテンやお菓子の星。
さらには・・・。
進むたびに驚きが絶えません。
もちろん、ルネくんと一緒に子どもたちも。
「街が水の中に入っちゃった!」
「えー!?銀河の中通っちゃうの!?」
「お星さまきれー・・・。」
と、一緒に舟に乗っているみたいです。
こんな風に、ワクワクしっぱなしのこの絵本。
これだけ、ドキドキワクワクし没入感があるのは、きっと細かな所までファンタジックに描かれた世界観のおかげだと思います。
招待状が流れ星で届いたり、
友だちが当たり前のように宇宙人だったり、
ルネくんの星が常に夜空だったり、
だからこそ、自然と宇宙へ旅立つことが出来るのでしょう。
でも、舟で宇宙へ行けることには驚いたりと、ルネくんの目線が読者と一緒なこともきっと大事。
それが一緒に旅し、一緒に驚く一体化や没入感へ繋がっているのだと思います。
宇宙がとても近くにあるワクワクする世界で、土星までの宇宙旅行が楽しめる。
ルネくんと一緒に、夢と驚きに満ちた体験ができる絵本です。
コメント