のでのでので(4歳~)

絵本

作:五味太郎 出版:絵本館

理由と結果の接続詞「ので」。

その「ので」で、文章が全部繋がっているこの絵本。

「ので」の連続に、息つく暇もありません。

あらすじ

男の子が草むらから跳びあがった。

跳びあがったので、

女の子が旗をさっと上げた。

サッと上げたので、

男の子が花火に火をつけた。

つけたので、

花火からパラシュートが飛び出し、シュルシュルパッとなった。

なったので、

女の子が女の子が糸電話で「なったよ」と話した。

話したので・・・。

のでのでので・・・、一体の「ので」の結末は?

『のでのでので』の素敵なところ

  • 接続詞の面白さを目いっぱい感じる
  • 次々繋がっていく子どもたちの動き
  • 「ので」の最後にはまさかの仕掛けが・・・

この絵本では、普段意識していない、接続詞を目いっぱい感じることが出来ます。

さらにその中でも、「ので」という、一つの接続詞をひたすら使います。

これにより、その働きや、それを使った文章の面白さが、思い切り味わえるのです。

「ので」を使うと、文章が終わりません。

読んでいると「ので」でひたすら続く文章が、段々面白くなってきます。

子どもたちも中盤辺りから、

「ので~」

と、声をそろえて読みはじるから面白い。

物語だけではなく、ずっと「ので」で続く文章の面白さを、感じているからだと思います。

文章が繋がるということは、物語も途切れることなく続いていきます。

行動を起こし、その結果を見て別の子が次の行動を起こし、またその結果を見て別の子が行動を起こし・・・。

その様は、さながらピタゴラスイッチのよう。

次の「ので」の先が気になって仕方ありません。

「ので」と読んだ後の、子どもたちの目力のすごさと言ったら・・・。

そして、ページをめくると、

「えー!花火!?」

「糸電話だ!」

と、その結果に驚きつつ、

「これどうなっちゃうの!?」

「わかった!作戦だよ!」

と、「ので」の結末をワクワクしながら考えるのです。

さて、その結末は、まさかのもの。

見ると、

「あれ?」

「もしかして・・・」

「てことはどういうこと?」

なんだか、頭がこんがらがってきます。

気付けば、もう一度絵本を見直しているという、不思議な現象が巻き起こるのです。

この不思議なパラドックスを感じられるのも、この絵本の素敵なところ。

「こうじゃない?」

「きっとこういうことだよ」

と、答えのないおしゃべりが、とても楽しいです。

「ので」を使って、文章と行動がどんどん繋がっていくおもしろさを、思い切り味わえる。

接続詞や文章の構造へ、自然と目を向け、興味を含まらませてくれる言葉遊び絵本です。

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