作:よしながこうたく 出版:長崎出版
わんぱく小学校シリーズの第二弾。
動物との触れ合いを描いたお話です。
動物を飼うってどういうことなのか。
楽しくおかしく、わかりやすく真剣に描かれています。
あらすじ
今日は遠足の日。
わんぱく小学校1年2組のみんなは動物園に到着しました。
そこにはたくさんの動物たちが。
エサをあげることになりましたが、怖がって中々あげられません。
そんな中、1年2組の飼育係まさおは怖がらずエサをあげています。
帰り道、みんなに尊敬のまなざしを向けられ得意顔のまさお。
そんなまさおのリュックがもぞもぞ動いていることに他の子たちが気付きました。
なんと動物園の動物が1匹、まさおのリュックに潜り込んでいたのです。
動物園に返しに行こうと言うみんなにまさおは学校で飼おうと言い出します。
この動物はシマ子ブタだということも。
みんなは「しまぷー」と名前を付け、先生に内緒で飼うことにしました。
みんなの人気者になったしまぷー。
しまぷーのためにみんな色々な食べ物を持ってきました。
しまぷーはどんどん食べていきます。
夏休みに入りましたが、長い休みの間もまさおは一日も休まずしまぷーにエサを食べさせていました。
そして、夏休みが明け学校が始まるとしまぷーを見たみんなはびっくり。
物凄い大きさに成長し牙まで生えていたのです。
その日の放課後のこと、しまぷーが飼育小屋の壁を壊して逃げ出してしまいました。
探しに行く子どもたち。
一体しまぷーはなぜ逃げだしたのでしょう。無事に見つかるのでしょうか。
『飼育係長』の素敵なところ
- 動物を飼うことの責任や難しさをわかりやすく教えてくれる
- 躍動感のあるコミカルな絵
- ページの中が小ネタだらけ
この絵本は子どもの目線で動物を飼うというのはかわいい、楽しいだけではないこと。
動物たちにも気持ちがあり、それを自分の身になって考えなければいけないことを教えてくれます。
これがとてもわかりやすく、直感的に描かれています。
動物を飼っている時、動物を飼い始める前に読むとより響くものがあるかもしれません。
また、ためになるだけではないのがこのわんぱく小学校シリーズ。
漫画のような描写や絵で、見ているだけで楽しい気持ちになってしまいます。
子どもたちの顔芸顔負けの表情を見ているだけでおもしろい。
でも、なんだかんだで感動させてくれます。
さらに見ているだけでおもしろいを際立たせるのが、これでもかとページの中に散りばめられた小ネタの数々。
ふれあいコーナーのひよこの中に小さなゾウが混ざっていたり、
脱走した飼育小屋の中におにぎりの妖精がいたり、
謎の虫がドッジボールをしていたり、
思い付きで描いたとしか思えない生き物が無駄に描き込まれていて、ツッコむのも一苦労です。
しっかりとしたメッセージ性がありつつ、絵を見ているだけでもおもしろい。
おもしろいと真面目が融合した絵本です。
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