作:ませぎりえこ 出版:偕成社
偶然呪文を唱えたら、魔女の国へ飛ばされてしまった女の子たち。
さらに、こわ~い魔女に見つかって、働かされることに・・・。
あらすじ
魔女の格好をした女の子、さくらちゃんとるりちゃん。
二人はハロウィンで、たくさんのお菓子をもらいました。
そんなお菓子の中に、謎の紙が一枚混ざっています。
中に書かれた呪文を読んでみると・・・。
突然、強い風が吹き、二人を吹き飛ばしてしまいました。
着いたところは、魔女の国「まじょまじょランド」。
お城の門が空いていたので、さくらちゃんとるりちゃんは、中に入ってみました。
進んでいくと、明かりのついた部屋があります。
恐る恐る中を覗いてみると、そこには魔女がいました。
二人を見つけるやいなや、魔女は呪文を唱えます。
そして、二人はネコとブタに変えられてしまいました。
さらに、今日が世界中の魔女が集まる日だったということで、スープ作りを手伝うことに。
オバケたちに教えてもらい、スープ作りが始まります。
でも、作っても作っても終わりません。
疲れてきたので、いったん休憩を入れることにしました。
さくらちゃんとるりちゃんは、オバケたちにもお菓子をあげ、一緒に食べることにしました。
お菓子を食べるとみんな笑顔に。
なんとか、スープを作り終わり、無事魔女たちにスープを振舞うことが出来ました。
ほっと一息つきつつも、「人間に戻れないかもしれない」としょんぼりする二人。
そこへ、さっきのオバケがやってきて、「お菓子をくれたら、元に戻る魔法の薬を探してあげる」と言ってきました。
二人がお菓子をあげると、オバケはある部屋まで案内してくれました。
暗い階段を登った先に見える扉。
そこに魔法の薬があるのでしょうか?
『まじょまじょランド』の素敵なところ
- 魔女の国でのハラハラドキドキの脱出劇
- 笑ってしまう可笑しな呪文
- ハロウィンらしさ満天の結末
魔女の国でのハラハラドキドキの脱出劇
この絵本の見どころは、なんと言っても魔女の国での脱出劇でしょう。
さくらちゃんとるりちゃんの、2人しかいない人間。
味方のいない状況。
全く知らない土地。
もう、絶望的としかいいようのない状況です。
さらに、ここの魔女は優しくありません。
見つかれば、問答無用で動物にされ、仕事を手伝わされてしまいます。
その迫力も凄まじく、その姿はまさに悪い魔女そのものです。
そんな状況から、人間に戻り、家へ帰るという高難度ミッションに、ハラハラドキドキしない訳がありません。
子どもたちも、
「動物にされちゃったよ!」
「魔女怖いよ~」
「おうちに帰れるのかな・・・」
と、驚いたり、怖がったり、心配したり。
心が休まる暇もありません。
笑ってしまう可笑しな呪文
でも、緊張ばかりでないのも、この絵本の素敵なところ。
要所要所で出てくる魔法の呪文が、絶妙に力が抜け、笑ってしまうものばかりなのです。
「アブラカタブラ おしりぺんぺん ほうきよほうき まじょまじょランドへ とんでいけ~」
「アブラカタブラ おしりふりふり あたまぺんぺん ねことぶたになれ!」
など、子どもが笑ってしまうフレーズが忍び込んでいるのです。
これを聞いたら、
「おしりぺんぺんだって~」
「おしりフリフリ~」
と、となりにいる友だちと、笑いあってしまいます。
ハラハラドキドキの中に、程よく楽しさを感じることも出来るのです。
ハロウィンらしさ満天の結末
さて、そんな脱出劇の結末は、まさにハロウィンらしいものでした。
怖い魔女も笑顔にしてしまうような、ハロウィンならではの必殺技。
読んだ後に、ハロウィンを思い出すような、今年のハロウィンが待ち遠しくなるような・・・。
そんな、ハロウィンの楽しさが詰った結末も、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
怖い怖いまじょまじょランドからのハラハラドキドキの脱出劇を楽しめる。
読めば、ハロウィンが待ち遠しくてたまらなくなる絵本です。
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