おつきさまとちいさなくま(4歳~)

絵本

作:アンドレ・ダーハン 訳:きたやまようこ 出版:講談社

お月様のことが大好きな小さなクマ。

ある時、夜の国へお月様に会いに行くことに決めました。

空と海が繋がる時間に。

あらすじ

夕暮れ時。

小さなクマが水平線へ向かい、ボートを漕いでいました。

クマはイルカに尋ねました。

「水平線まで行けば、お月さまの住む夜の世界へ行けるの?」と。

イルカは「空と海が繋がるのは、お日さまが沈む時だけ」と答え、急いでボートを引き、お日さまが沈み切る前に、水平線へ連れていってくれました。

そして、クマが思い切りボートを漕ぐと、イルカと別れ、空へと飛んでいきました。

夢中で漕いでいると、お月様がすぐ側で、にっこりと笑っていました。

クマはお月様に、「会いたくて、大好きって言いたくて、ぎゅうってしたくて来たのだ」と言いました。

お月様が嬉しそうにうなずくと、星たちも一斉に光だし、ボートは夜の国の真ん中へ向かっていきました。

お月様は星たちにクマを紹介してくれました。

たくさんの星たちが、お月様の友だちです。

クマは、自分の住む星もお月様の友だちなのか聞いてみると、

「もちろん」

と、答えるお月様。

クマは嬉しくて、自分の星を案内することにしました。

クマは自分の星の、どんなところに連れていってあげるのでしょう?

『おつきさまとちいさなくま』の素敵なところ

  • ロマンチックな海と空と繋がる時
  • お月様に会いたい可愛すぎる理由
  • お月様を独り占めできる夢のような時間

ロマンチックな海と空と繋がる時

この絵本では、小さなクマが、お月様に会いに空へと向かいます。

でも、いつでも空に行けるわけではありません。

道が繋がっていないといけないのです。

その時間が、夕陽が水平線に沈む時。

空の太陽と、地上の水平線が繋がる時なのです。

なんとロマンチックなことでしょう。

この絵本を見た後で、夕陽を見ると、「お日さまが沈む」だけでなく、空と地上の繋がりを感じるようになるかもしれません。

お月様に会いたい可愛すぎる理由

そんなクマがお月様に会いたい理由。

これがとても純粋で、可愛くて、とても素敵なところです。

そこには、お月様のことが好きだという気持ちが、溢れています。

「ぼく、お月様に会いたくて会いたくて、遠くから来たの。お月様に大好きって言いに来たの。」

という、セリフからも、純粋な好きが伝わってきます。

そして、その好きを原動力に、空を昇り、お月様に会いに来てしまう、小さなクマの行動力もとても素敵なところだと思います。

お月様を独り占めできる夢のような時間

さて、その気持ちにお月様も応えてくれます。

優しく、穏やかな顔で、クマの舟に乗るお月様。

空を周りながら、友だちの星々に、クマのことを紹介してくれます。

そこには土星や、太陽、見たこともない星に、見たこともない生き物など、色々な友だちがいて、とても賑やか。

まるで、夢の国のようです。

その後は、クマが自分の星を案内する番です。

こうして紹介してもらい、案内する間、クマはお月様を独り占め。

二人で舟に乗って周ります。

なんと幸せで、楽しい時間でしょう。

羨ましいと思うかもしれません。

でも、これはクマにしか出来ないことではありません。

実は、誰でも夜の国に行けるのです。

その方法が優しく、温かく描かれているのも、この絵本の素敵なところです。

二言まとめ

小さなクマが、好きを伝えにお月様に会いに行き、一緒に幸せな時間を過ごす。

ロマンチックで、優しくて、温かい、一緒に夜の国へ行きたくなる絵本です。

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