パンどろぼう(3歳~)

絵本

作:柴田ケイコ 出版:角川書店

パンが大好きなパン専門のパンどろぼう。

でも、ある時盗みに入った、世界一美味しいパン屋さん。

そこのパンを一口食べると・・・。

あらすじ

町のパン屋から、一つの影が飛び出して来ました。

その姿は、なんと食パン。

しかも、食パンが食パンを担いでいます。

この食パンを盗んだ食パンは、パンが大好きなパンどろぼうだったのです。

美味しいパンを探し求めて、色々なパン屋へ忍び込み、パンを盗んで来ては、家で食べているのでした。

ある日、パンどろぼうは、森の中で見たことのないパン屋を見つけました。

看板には「世界一美味しいパン」と書いてあります。

それを見ると、パンどろぼうは早速忍び込みました。

中にはおじさんが作る、焼き立てパンがずらりと並んでいました。

おじさんにばれないように、目当てのパンへ近づきます。

そして・・・。

狙ったパンを担いだら、出口まで一目散。

無事にパンを盗み、家まで帰ってきたのでした。

ふっくらホカホカのパンを、早速いただきます。

パンどろぼうが、一口かじると・・・。

『パンどろぼう』の素敵なところ

  • パンが好き過ぎるパンどろぼう
  • 店内に並べられた美味しそうで可愛いパンたち
  • まさか過ぎる急展開

パンが好き過ぎるパンどろぼう

この絵本のパンどろぼうは、パンをこよなく愛しています。

家の中のデザインは、パン型の窓、パン型ソファー、パンのぬいぐるみ・・・と、パンで統一されています。

盗みに関しても、いただくパンは一つだけなど、パンを楽しむうえでの鉄の掟を決めています。

なにより、盗んだパンを食べる時の美味しそうな表情とセリフです。

パンが好き過ぎることが伝わってきます。

こんなにパンが好きなのに、それを泥棒するというギャップ。

これがなんとも言えない面白さを生んでいます。

子どもたちも、

「パン美味しそう~」

「食べた~い」

と言いつつ、

「でも、盗んじゃだめだよね」

と、冷静さは忘れません。

この応援したいような、ダメなような不思議な感覚が魅力の一つなのでしょう。

店内に並べられた美味しそうで可愛いパンたち

そんなパンどろぼうが盗みに入った一つのパン屋。

そこは世界一美味しいパン屋です。

並べられているパンも、種類が豊富でどれも美味しそう。

香ばしそうなクロワッサン、ボリュームたっぷりコロッケパン、可愛いサルパンやウサギパン、違う絵本で見た顔のシロクマパン。

美味しそうから、可愛いまでなんでも揃っています。

これを見たら、

「私これがいい!」

「ぼくはこれ!」

と、どれがいい論争が始まらない訳がありません。

されには、そこにパンどろぼうが隠れている、パンどろぼう探しまで入っているのだからたまりません。

「あ!あそこにいるよ!」

と、誰が一番に見つけた論争も始まります。

なんと、楽しい時間でしょう。

本当のパン屋さんに来たような賑やかさです。

まさか過ぎる急展開

さて、なんとかパンを盗み出したパンどろぼう。

家に帰って、パンを食べたところから、まさかの急展開が待っています。

知らない子はびっくり仰天。

知っている子は「来るぞ、来るぞ・・・」とニヤニヤ。

そして、みんなで大笑い。

初見でも、何回見ても楽しく笑える場面です。

その後の、パンどろぼうの行く末も、心からよかったと思えるものになっています。

この、みんなで思いっきり笑えるところも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

パンが好き過ぎて泥棒してしまうパンどろぼう。

笑いあり、感動あり、爆笑ありの、読んだら絶対にパンを食べたくなる絵本です。

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