文:まつたにみよこ 絵:わたなべさぶろう 出版:復刊ドットコム
迷子になったクジラのぼうや。
流れ着いたのは港です。
ぼうやはたくさんの舟を見るうちに・・・。
あらすじ
クジラのぼうやが、海の真ん中で迷子になった。
そこへ嵐がやってきて、クジラの坊やは流されてしまった。
ぼうやは、港の中にいた。
そこは波がとっても穏やかだ。
朝になり、ぼうやが目を覚ますとそこにはたくさんの舩があった。
ヨットに外国に行く船など、種類も様々。
貨物船は荷物を一杯載せている。
でも、なんだか様子がおかしいみたい。
煙がもくもく上がっています。
火事に気付いたくじらのぼうや。
一体どうするのでしょう。
『くじらのぼうや』の素敵なところ
- クジラのぼうやのわかりやすい成長
- 色々な船が見られて楽しい港
- 直感的で楽しい擬音
クジラのぼうやのわかりやすい成長
この絵本では、クジラのぼうやの成長が描かれます。
最初は泣いていて、弱々しいクジラのぼうや。
でも、一つのきっかけで、一人でも大きな海へと泳ぎだせる強さを手に入れます。
成長のきっかけや、最初と最後の表情の違いなどで、とてもわかりやすく成長したことが描かれます。
このわかりやすさが、小さな子にも伝わりやすく、
「クジラさん、もう泣いてないね!」
と、嬉しく、誇らしい気持ちにさせてくれるのです。
色々な船が見られて楽しい港
そんなクジラの成長の舞台が港です。
港にはたくさんの船があり、それを見られるのも楽しいところ。
「あ、ヨットだ!」
「これディズニーランドで乗った!」
「消防艇だ!」
と、それぞれの船に大喜びです。
直感的で楽しい擬音
絵や物語だけでなく、文章にも楽しさが詰め込まれているのも素敵なところ。
直感的で、その場面を一言で表すような擬音が、たくさん出てきます。
泣く時は「えんえん えんえん 泣いたよ」
嵐が来たときは「大きな波が どどーん どどーん」
というように、それが物語をよりわかりやすくしてくれたり、真似をして言いたくなったりするのです。
二言まとめ
泣いてばかりいた迷子のクジラが、成長し、前を向いて旅立っていく。
その成長を、小さな子にも楽しく、わかりやすいように描かれた絵本です。
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