あしってエラい!(4歳~)

絵本

文:中川ひろたか 絵:大島妙子 出版:保育社

走る、跳ぶ、登る・・・。

色んなことが出来る足。

そんな足の凄さを改めて、見てみましょう。

あらすじ

5歳の男の子は、運動会のかけっこで1位になった。

その男の子には、去年弟が生まれ、寝ながら手足を動かしていた。

弟は、一人で座れるようになり、はいはいをし、つかまり立ちをするようになった。

そして、誕生日を過ぎた頃、一人で立った。

さらに、自分の足で歩き出した。

・・・、そこへ突然、顔が足になっている博士が現れ、授業を始めた。

動物たちも足で歩くこと、オタマジャクシには足が生えること、鳥たちにも足があること。

足跡の大きさを比べ、人間の足は結構大きいことを教えてくれた。

人間の足の裏は、成長するとへこんできて、ここを土踏まずだということも教えてくれた。

足には凄いところ、偉いところがまだまだある・・・。

『あしってエラい!』の素敵なところ

  • 足の凄さを改めて感じる
  • わかりやすく聞きやすい話し言葉
  • 先生のキモかわいい魅力

足の凄さを改めて感じる

この絵本は、普段当たり前のように使っている足の凄さと、偉さを、改めて感じさせてくれます。

特に何も考えずに使っている足。

跳ぶのも、歩くのも、走るのも自由自在で、どこへでも連れていってくれる足。

でも、生まれた時のこと、歩けるようになるまでのことを見てみると、決して当たり前ではありません。

動物と比べたら、形は全然違います。

出来ることを考えてみたら、登る、泳ぐ、踊るなど、本当に色々なことが出来ます。

比較、機能、形、色々な角度から見てみることで、足の凄さや偉さに改めて気づかせてくれるのです。

特に、土踏まずのところでは、自分の足を見つめ、触り、土踏まずがあるか確認する子どもたち。

「ほんとだ!へこんでる!」

「これかな~?」

「あんまりへこんでない・・・」

など、自分の体へ興味を持つ、いい機会になっていました。

わかりやすく聞きやすい話し言葉

また、文章が、男の子のわかりやすい言葉で描かれているのも、素敵なところです。

「やがて、歩き出す。一歩、二歩、三歩、とことことこ、弟は自分の足で歩き始めた。」

「前、動物園で見たサルがすごかった。まるで、手のように足で木の枝を掴んでたの。」

というように、見ている子どもたちと、同じ目線ですごさや驚きを伝えてくれるので、とても共感できるのです。

足博士の解説も、同様に話し言葉で書かれているので、足の凄さが、聞きやすく伝わりやすくなっています。

先生のキモかわいい魅力

さて、そんな足博士が、絶妙なフォルムをしているのも、この絵本の面白いところ。

顔が足の形をしていることも手伝って、ぱっと見の不気味さがすごい・・・。

しかも、弟が歩いて喜んでいたら、急に窓から入ってくるのです。

普通なら、軽いモンスター状態。

子どもたちも、

「うわ~・・・」

「変な顔~」

「やだ~」

と、驚きより悲鳴が上がるという、あまり見ない反応をしています。

でも、見ているうちに、なんだか慣れてきます。

教えてくれることも面白いので、話に夢中になってしまいます。

すると、不思議なことに可愛く見えてきます。

なんだか、その動きや表情に、マスコット的な可愛さが滲み出てくるのです。

気付けば愛着が湧いている。

それもこの絵本の不思議で素敵なところです。

二言まとめ

普段は当たり前のように使っている足が、実はとっても凄くて、とっても偉いことに気付かせてくれる。

自分の足と、キモかわいい足博士から、目が離せなくなる絵本です。

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