作:和田誠 出版:瑞雲舎
言葉遊びが詰った小箱。
回文、しり取り、数え歌・・・。
言葉の楽しさ、面白さが目白押し。
さあ、18の言葉の小箱を開けていきましょう。
あらすじ
言葉の小箱①・・・二文字ずつ繋がっていく言葉
くものむこうになにがある あるぷすのゆきあるのかな かなだのもりかはらっぱか
ぱかぱかうまもかけていく いくらよんでもきこえない ないるのかわのそのむこう・・・
言葉の小箱②・・・動物が隠れている言葉
だれがしているかくれんぼ みつけたぞうまくかくれても いたいたちゃんとみつけたよ・・・
言葉の小箱③・・・前から読んでも後ろから読んでも同じ言葉
こねこ とまと にわとりとわに わたしねんねしたわ きつねははねつき・・・
言葉の小箱④・・・濁点をつけると、意味が変わる鳥
あひるがみずをあびる おながはおなかがすいた がっこうにいるかっこう・・・
『ことばのこばこ』の素敵なところ
- 多種多様な言葉遊びが詰まってる
- 1ページごとに変わる言葉遊びの種類
- どんな法則があるのか解き明かすのも楽しい
多種多様な言葉遊びが詰まってる
この絵本には言葉の小箱として、18種類の言葉遊びが詰まっています。
そのどれもが違う性質を持っているから面白い。
しり取り、数え歌、連想ゲーム、回文、問題文の頭文字だけ取ると答えになるクイズ・・・。
などなど、どれもが「すごい!」「なるほど!」と思うのもばかり。
最初はよくわからず見ている子も、読んだ後に「こうなってるんだよ」と種明かしすると、
「ほんとだ!」
「ちゃんとくっついてる!」
「すっげー!!!」
と、目をキラキラさせて、驚きます。
そして「面白い!」と、言葉の持つ面白さに夢中になっていくのです。
1ページごとに変わる言葉遊びの種類
また、言葉遊びの種類が、見開き1ページごとに変わるのも面白いところです。
1つの小箱を見て、その面白さに気付きます。
次の小箱を見て、「こんな言葉もあるんだ!?」と、その多様さに気付きます。
そうなったら、「次はどんな言葉が出てくるんだろう?」とワクワクしないはずがありません。
1つの小箱が終わるたび、次の小箱を開けるのが楽しみで仕方ないのです。
どんな法則があるのか解き明かすのも楽しい
さて、そんな面白い言葉遊びですが、絵本の中ではどんな面白さが隠れているか語られません。
ヒントとして、鍵になる言葉に下線が引いてあったり、色が変わっていたりしますが、答えは載っていません。
自分で見つけるしかないのです。
小学生以上であれば、それを見つけるパズル的な楽しみ方も、知的好奇心を刺激して面白いと思います。
解説文のような対談の小冊子がついているので、読み聞かせをする時に説明出来ないということにはならないので、そこは安心してください。
ちなみにこの対談も、言葉の小箱をより深く知り、言葉の面白さが詰まっていてとても面白いです。
教えてもらうだけでなく、自分で発見する面白さを味わえるのも、この絵本の素敵なところだと思います。
二言まとめ
ページを開くたびに、次々飛び出してくる、不思議で楽しい言葉たち。
そのパズルのような、謎解きのような、芸術のような面白さに夢中になってしまう、言葉遊び絵本です。
コメント