文:シャーリー・パントレー 絵:デイヴィッド・ウォーカー 訳:福本友美子 出版:岩崎書店
かわいい5匹のクマちゃんが、眠るまでの物語。
不気味な音が聞こえてきても、みんな一緒なら大丈夫。
クマちゃんたちの寝顔に、こちらまであくびが出てくる、温かくて優しいお話です。
あらすじ
もう寝る時間になりました。
ベッドが5つ並んでいます。
最初にベッドに入ったのは、大きくて茶色いクマのちゃいくまちゃん。
その隣のベッドには、きいろいくまちゃんがよじ登ってきた。
きいろいくまちゃんの隣のベッドは、ふわふわくまちゃん。
軽やかに飛び乗り、まるでサーカスみたいです。
床でゴロゴロとじゃれ合っているのは、ぷよぷよくまちゃんと、ぽちぽちくまちゃん。
ちゃいくまちゃんは、2人をつかまえると、「もう寝る時間だよ」とベッドの中へ。
みんなにお布団をかけて、一人一人のほっぺにチューをすると、自分のベッドに入り電気を消した。
みんなぐっすり眠っている。
だけど、真夜中になり、「ひゅーっ」と突然変な音が。
「風の音かな?」と思っていると、今度は「がたがたがた」とイスの下からも変な音。
ちゃいくまちゃんが、電気をつけてみてみると・・・。
『おやすみくまちゃん』の素敵なところ
- フワフワしていて、仕草もかわいすぎるくまちゃんたち
- 頼りになる優しいちゃいくまちゃんの包容力
- お母さんに語りかけられているような優しい文章
フワフワしていて、仕草もかわいすぎるくまちゃんたち
この絵本の素敵なところは、なんと言っても、くまちゃんたちのかわいさにあるでしょう。
優しいタッチで描かれたフワフワのくまちゃん。
しかし、見た目だけではありません。
仕草や表情も抜群にかわいいのです。
ベッドによじ登っているところ。
床でじゃれあう様子。
ちゃいくまちゃんに抱えられている姿。
どれをとっても、赤ちゃんのように愛くるしいのです。
その姿を見ているだけでも、十分にこの絵本の魅力が伝わってくることでしょう。
頼りになる優しいちゃいくまちゃんの包容力
でも、かわいいだけじゃありません。
1匹だけ大きなちゃいくまちゃんは、みんなのお兄さんやお母さんといった様子で、小さいくまちゃんたちのお世話をしてくれます。
不気味な音がした時には、みんなを安心させてもくれます。
そんな頼もしく、包容力のある姿に、小さなくまちゃんと一緒に、見ている子どもたちも安心するのです。
そして、安心するからこそ、なんだか眠くなってしまうのでしょう。
特に、最後の場面では、寄り添う温かさもあいまって、見ている子も思わずあくびをしていました。
お母さんに語りかけられているような優しい文章
また、絵だけなく文章も、優しくて温かく、聞いていると安心できるものになっているのも素敵なところ。
「きいろいくまちゃん、よっこいしょ、隣のベッドに入ったよ」
「ちょっとちょっと、ごろんしているのだあれ?」
「だんだんおめめがくっついて、眠い眠いくまちゃんたち」
といったように、優しく語りかけるお母さんのような雰囲気を持っています。
聞いていると、楽しくもなんだか眠くなってきます。
そして、気付けば大きなあくびが出てきている・・・。
この優しい絵と文章が溶け合って、大きな安心感を生み出しているのです。
二言まとめ
くまちゃんたちの、フワフワとして可愛い姿を見ていると、なんだかあくびが出てきてしまう。
読んでいると、温かい安心感に自分まで眠くなってくる、おやすみなさいの絵本です。
コメント