クラゲすいぞくかん(3歳~)

絵本

文:なかのひろみ 写真:村上龍男 出版:ほるぷ出版

魅惑的で不思議なクラゲ。

そんなクラゲたちを、実際にあるクラゲ水族館から紹介してくれます。

美しいクラゲたちの写真を見ながら、クラゲの秘密までわかってしまう絵本です。

あらすじ

ウニとヒトデとイソギンチャクが、クラゲ水族館にやってきました。

案内してくれるのは、クラゲ館長です。

最初に出迎えてくれたのは、ページいっぱいのミズクラゲたち。

幻想的な光景が広がります。

そこを抜けると、色々な季節のクラゲたち。

冬のカミクロメクラゲ、春を告げるドフラインクラゲなどが泳いでいます。

次は、館長と一緒にクラゲの世界へワープ!

ウラシマクラゲの群れの中に到着しました。

色々なクラゲを見ていく中に、館長のお気に入りのクラゲもいます。

それが、蛍光色の触手を持つ、ハナガサクラゲ。

とても美しいけれど、毒を持っています。

他にも毒針を持つクラゲはたくさんいます。

アカクラゲ、アンドンクラゲ、ハブクラゲ、ケムシクラゲ・・・。

さてさて、次に出てくるクラゲは?

『クラゲすいぞくかん』の素敵なところ

  • 目が離せなくなる、幻想的で美しいクラゲたち
  • 種類によって全然違うユニークさ
  • わかりやすい解説で、クラゲのことがよりわかる

目が離せなくなる、幻想的で美しいクラゲたち

この絵本の、なにより素敵で魅力的なところは、ページいっぱいに広がる美しいクラゲたちの姿でしょう。

暗い背景に漂うクラゲたち。

その透明感や、ゆったりとしたたたずまいは、本当に目の前でふわりふわりと漂っているようです。

傘を広げたたくさんのミズクラゲ。

触手がひらひらと広がるヤナギクラゲ。

触手の先が、蛍光の黄緑と紫に輝くハナガサクラゲ。

虹色の光が宇宙船のようなクシクラゲ。

などなど、見ているだけで、不思議さ、面白さ、美しさ、色々な感情を刺激され、目を離せなくなるものばかりなのです。

ページをめくり、色々なクラゲを見ているだけで十分に楽しいのが、この絵本の大きな魅力です。

種類によって全然違うユニークさ

でも、見ていて美しいだけでなく、それぞれ面白い特徴を持っているのも、クラゲの魅力的なところです。

この絵本では、それもわかりやすく伝えてくれています。

特に、特徴をカテゴリーわけして、一つのページにまとめてくれているのが嬉しいところ。

巨大なクラゲ、毒針を持つクラゲ、とても小さなクラゲなど、カテゴリーごとに何種類かのクラゲを紹介してくれています。

これにより、同じカテゴリーでも色々な形をしたクラゲがいることがわかったり、自分のお気に入りのクラゲがどんな特徴を持っていて、仲間にはどんなものがいるかがわかり、興味が広がっていくのです。

わかりやすい解説で、クラゲのことがよりわかる

また、その特徴をより詳しく伝えてくれる解説が、とてもわかりやすいのも素敵なところ。

クラゲ館長と、イソギンチャクたち3人との会話形式で進んでいくので、話し言葉で簡潔に説明されているのです。

わかりやすいけれど、面白くて深い知識も目白押しで、

クラゲには骨も、脳みそも、心臓もない。

大きなクラゲはこたつサイズや、ピアノサイズになる。

といった、意外でインパクトの強い情報がたくさん。

聞くたびに、子どもたちも、

「心臓もないの!?」

「ピアノってすごいでかいじゃん!」

と、驚きつつ楽しんでいました。

さらに最後には、より詳しい解説も載っていて、もっと知りたい子の知識欲を満たしてくれます。

登場したクラゲのミニ図鑑や、クラゲの体の構造、クラゲの増え方など、マニアックな知識も載っています。

この絵本を読む子それぞれの深さで、楽しめるようになっているのです。

二言まとめ

美しく幻想的なクラゲたちの写真を見ているだけで、とっても楽しく癒される。

クラゲの魅力と秘密がたっぷり詰まった、読めばクラゲのとりこになってしまう絵本です。

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