文:なかのひろみ 写真:村上龍男 出版:ほるぷ出版
魅惑的で不思議なクラゲ。
そんなクラゲたちを、実際にあるクラゲ水族館から紹介してくれます。
美しいクラゲたちの写真を見ながら、クラゲの秘密までわかってしまう絵本です。
あらすじ
ウニとヒトデとイソギンチャクが、クラゲ水族館にやってきました。
案内してくれるのは、クラゲ館長です。
最初に出迎えてくれたのは、ページいっぱいのミズクラゲたち。
幻想的な光景が広がります。
そこを抜けると、色々な季節のクラゲたち。
冬のカミクロメクラゲ、春を告げるドフラインクラゲなどが泳いでいます。
次は、館長と一緒にクラゲの世界へワープ!
ウラシマクラゲの群れの中に到着しました。
色々なクラゲを見ていく中に、館長のお気に入りのクラゲもいます。
それが、蛍光色の触手を持つ、ハナガサクラゲ。
とても美しいけれど、毒を持っています。
他にも毒針を持つクラゲはたくさんいます。
アカクラゲ、アンドンクラゲ、ハブクラゲ、ケムシクラゲ・・・。
さてさて、次に出てくるクラゲは?
『クラゲすいぞくかん』の素敵なところ
- 目が離せなくなる、幻想的で美しいクラゲたち
- 種類によって全然違うユニークさ
- わかりやすい解説で、クラゲのことがよりわかる
目が離せなくなる、幻想的で美しいクラゲたち
この絵本の、なにより素敵で魅力的なところは、ページいっぱいに広がる美しいクラゲたちの姿でしょう。
暗い背景に漂うクラゲたち。
その透明感や、ゆったりとしたたたずまいは、本当に目の前でふわりふわりと漂っているようです。
傘を広げたたくさんのミズクラゲ。
触手がひらひらと広がるヤナギクラゲ。
触手の先が、蛍光の黄緑と紫に輝くハナガサクラゲ。
虹色の光が宇宙船のようなクシクラゲ。
などなど、見ているだけで、不思議さ、面白さ、美しさ、色々な感情を刺激され、目を離せなくなるものばかりなのです。
ページをめくり、色々なクラゲを見ているだけで十分に楽しいのが、この絵本の大きな魅力です。
種類によって全然違うユニークさ
でも、見ていて美しいだけでなく、それぞれ面白い特徴を持っているのも、クラゲの魅力的なところです。
この絵本では、それもわかりやすく伝えてくれています。
特に、特徴をカテゴリーわけして、一つのページにまとめてくれているのが嬉しいところ。
巨大なクラゲ、毒針を持つクラゲ、とても小さなクラゲなど、カテゴリーごとに何種類かのクラゲを紹介してくれています。
これにより、同じカテゴリーでも色々な形をしたクラゲがいることがわかったり、自分のお気に入りのクラゲがどんな特徴を持っていて、仲間にはどんなものがいるかがわかり、興味が広がっていくのです。
わかりやすい解説で、クラゲのことがよりわかる
また、その特徴をより詳しく伝えてくれる解説が、とてもわかりやすいのも素敵なところ。
クラゲ館長と、イソギンチャクたち3人との会話形式で進んでいくので、話し言葉で簡潔に説明されているのです。
わかりやすいけれど、面白くて深い知識も目白押しで、
クラゲには骨も、脳みそも、心臓もない。
大きなクラゲはこたつサイズや、ピアノサイズになる。
といった、意外でインパクトの強い情報がたくさん。
聞くたびに、子どもたちも、
「心臓もないの!?」
「ピアノってすごいでかいじゃん!」
と、驚きつつ楽しんでいました。
さらに最後には、より詳しい解説も載っていて、もっと知りたい子の知識欲を満たしてくれます。
登場したクラゲのミニ図鑑や、クラゲの体の構造、クラゲの増え方など、マニアックな知識も載っています。
この絵本を読む子それぞれの深さで、楽しめるようになっているのです。
二言まとめ
美しく幻想的なクラゲたちの写真を見ているだけで、とっても楽しく癒される。
クラゲの魅力と秘密がたっぷり詰まった、読めばクラゲのとりこになってしまう絵本です。
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