ねこはまいにちいそがしい(4歳~)

絵本

作・絵:ジョー・ウィリアムソン 訳:いちだいづみ 出版:徳間書店

気ままに生きているように見えるネコ。

時には困った行動もしてきます。

毛糸を転がしたり、寝ているお腹に乗ってきたり・・・。

でも、それにはネコなりの理由があるのです。

あらすじ

ネコは毎日忙しい。

朝から晩まで、家族のために色々なことをしているから。

まずは朝早く部屋に飛び込んで、みんなを起こす。

子どもはすぐ起きてくれるけど、大きい人たちは中々起きてくれないから大変。

その後は、家族そろっての朝ごはん。

ネコは、ここでも忙しい。

お父さんの頭の上に乗って、みんながちゃんと食べているか見ていないといけないから。

それから、毛づくろいをして、伸びをしてそれを乾かす仕事。

休んでいる暇はない。

その次は、窓から家の外をしっかり見張る仕事をする。

見張っていると、郵便屋さんが荷物を持って来た。

持って来たのは箱。

箱は全部、隅々まで調べなくてはいけない。

かくれんぼしたくなる箱や、飛び込むのに丁度いい箱色々ある。

だけど、一番好きなのは体にピッタリの箱でお昼寝すること。

おばあちゃんが編み物をする時は、手伝ってあげる。

毛糸を追いかけて走り回ったり、カーテンにつかまったり。

でも、「ありがとう」と言ってもらえないこともある。

お昼から夕方までは何をしてもいい時間。

友だちと一緒に魚をとったり、木登りしたりする。

ネズミなど、新しい遊び相手を見つけたら・・・。

家に連れて帰って、みんなにも知り合いになってもらう。

みんなそのたびに大騒ぎして喜んでくれる。

その後も、夜までネコの仕事は終わらない。

まだまだ忙しい時間は続く・・・。

『ねこはまいにちいそがしい』の素敵なところ

  • ネコ目線の楽しそうな日常
  • ネコの言い分と、家族の反応のギャップ
  • 身近なネコの行動がよりかわいく見えてくる

ネコ目線の楽しそうな日常

この絵本の面白いところは、ネコがいる家の日常を、ネコ目線で描いていることです。

自由気ままで、気まぐれに見える行動も、ネコ目線だと理由があります。

朝早く起こしてくるのも、毛糸を追いかけてぐちゃぐちゃにしちゃうのも、ネズミを家に持ってくるのも、全部家族のためを思っているのです。

ただ、遊んでいるだけじゃなく、ネコは毎日大忙しなのです。

そんなネコの毎日が、とても楽しそうなのも素敵なところ。

毛づくろいをし、伸びをしている姿はとても気持ちよさそう。

箱を確かめるといいつつ、ほぼ遊んでいる姿はとても楽しそうです。

この大忙しな姿に子どもたちも、

「全然忙しくないじゃん!」

「遊んでるだけだよ!」

「こんな風にネコになりたい~」

と、忙しさよりも楽しさが伝わっているみたいでした。

ネコの言い分と、家族の反応のギャップ

子どもにはあまり伝わらなかったネコの言い分ですが、絵本の中の家族にも伝わっていないことが多々あるのも、この絵本の面白いところです。

編み物の手伝いをしてもらっているおばあちゃんは迷惑そう。

ネズミが家に来た時は、大人が喜んでいる様には見えません。

そんな風に、ネコが自信満々に言っている仕事と、それに対する家族の反応にギャップがあるのが面白いのです。

「迷惑そうな顔してる~」

「喜んでないじゃん!」

と、総ツッコミが入ります。

このすれ違い感も、この絵本の素敵なところです。

身近なネコの行動がよりかわいく見えてくる

さて、すれ違いがありつつも、ネコが家族からとても愛されているのが伝わってくるのも、この絵本の大きな魅力です。

その温かと賑やかさに、ネコと触れ合いたくなってきます。

この絵本を読んだ後だと、ネコが色々な行動をした時、きっとネコ目線で見られるでしょう。

「実はこんなことを考えているのかも?」

そんな風に考えるだけで、元々かわいいネコが、よりかわいく見えてきます。

いつものネコが、よりかわいく見える魔法をかけてくれるのも、この絵本の素敵なところです。

二言まとめ

ネコのいる日常が、ネコ目線で描かれた、ネコの気持ちがよくわかる絵本です。

読めば、今よりもっとネコたちが、かわいく見えてくることでしょう。

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