おおどろぼうヌスート(4歳~)

絵本

作:高畠じゅん子 絵:高畠純 出版:ほるぷ出版

なんでも盗む大泥棒のヌスート。

ある日、王様から「盗んでみろ」と挑戦状が届きます。

受けて立つことを決めたヌスートは、すぐに盗むものの絵を描いた予告状を出しました。

ヌスートが盗みだすものとは?

あらすじ

ヌスートは町でも評判の大泥棒。

狙ったものはなんでも手に入れます。

そんなある日、ヌスートの家の郵便受けに、一枚の手紙が入っていました。

それは王様からの挑戦状。

王様の宝を盗んでみろというのです。

ヌスートはワクワクしました。

そして、いいことを思いつきました。

ヌスートはすぐに返事を書き、王様へ送りました。

その手紙には、今日の夜盗みに行くことが書いてありました。

でも、それだけではありません。

盗む宝の形まで、ヒントとして描いてあったのです。

毎日が退屈だった王様は、この手紙を見て大喜び。

すぐに城中の家来を集めました。

王様は、ヌスートの絵を見せると、何が書いてあるか意見を募ったのです。

すると、一人の兵士が手を挙げました。

兵士は、お城の裏にある宝の山だと言いました。

そこで、王様は宝の山にたくさんの兵士をつけました。

次に、一人の召使いが手を挙げました。

召使いは、隣の国からもらった金の卵だと言いました。

王様は金の卵を金庫に入れ、鍵をたくさんかけさせました。

さらに、学者も手を挙げて、王様の銅像だと言いました。

さらにさらに・・・次々と意見が出てきます。

王様は、その全てにうなずき対策を立てていきました。

こうして、王様は安心して眠ることが出来たのです。

そして、翌朝・・・。

『おおどろぼうヌスート』の素敵なところ

  • 絵を見て推理するおもしろさ
  • なんでもありなドタバタ推理
  • ヌスートと王様の戦いは続く

絵を見て推理するおもしろさ

この絵本のおもしろいところは、ヌスートの絵を見て、王様と一緒に推理できるところです。

シンプルだからこそ、色々な物に見えてくる絵。

簡単には謎が解けません。

子どもたちも「あれかな?これかな?」と、となりの子と額を突き合わせ考えます。

この、考えながら見る時間がとっても楽しい。

ミステリー小説のようなおもしろさがあるのです。

なんでもありなドタバタ推理

さて、頭を悩ませているのは、子どもだけではありません。

王様も頭を悩ませています。

そこで、家来の意見を聞くのですが、出てくるわ出てくるわ。

宝の山や金の卵など、まさにお宝と言ったものから、朝食のパンにぬいぐるみなど、宝とは呼べないようなものまで。

ありとあらゆるものが出てきます。

子どもたちも、最初は、

「きっとこれだよ!」

と言っていましたが、

「これはないんじゃない?」

「絶対違うよ」

とさすがにお宝とは認められないものもたくさん。

けれど、そんなものも含めて全てに見張りをつけたり、金庫に入れたりするからもう大変。

王様はスケールが違います。

どんどん出てくる何でもありな意見に、全て対策をしていくドタバタ感も、この絵本の大きな魅力です。

ヌスートと王様の戦いは続く

そんなドタバタ劇の結末ですが、そこには驚きの展開が待っていました。

ヌスートが盗み出したものもそうですが、その後の最後の場面が、この王様にピッタリなものとなっているのです。

きっと、続きがあったら絶対に読んでみたくなるでしょう。

ヌスートと王様は仲良くなれそうだなと、ほっこりさせてくれる結末も、とても素敵なところです。

二言まとめ

ヌスートの予告状から、王様と一緒にお宝の推理をするのがおもしろい。

あっと驚く結末が待っている、ドタバタミステリー絵本です。

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