絵・文:マイケル・グレイニエツ 訳:いずみちほこ 出版:らんか社
まんまるでクッキーのようなお月さま。
もし手が届いて、パクっと食べたらどんな味がするのでしょう。
とびきり甘いのか、しょっぱいのか、辛いのか・・・。
その謎に動物たちが挑みます。
あらすじ
お月さまってどんな味なんだろう。
動物たちはいつも思っていました。
ある日、小さなカメが決心し、一番高い山に登ってお月さまをかじってみようとしました。
しかし、てっぺんまでいっても届きませんでした。
そこでゾウを呼びました。
カメの上にゾウが乗り鼻を伸ばします。
しかし、お月さまはそれを新しいゲームだと思い、ひょいっと上へ逃げてしまいました。
ゾウはキリンを呼びました。
ゾウの上にキリンが乗り首を伸ばします。
しかし、お月さまはまたひょいっとよけてしまいます。
シマウマ、ライオン、キツネ、サルと呼びますが毎回逃げられ届きません。
果たして動物たちはお月さまを食べることは出来るのでしょうか。
一体どんな味がするのでしょう。
『お月さまってどんなあじ?』の素敵なところ
- お月さまを食べてみるという発想
- 優しい絵とわかりやすい繰り返し
- お月さまの何とも言えない表情
お月さまを捕まえたり、一緒に遊んだりという絵本はたくさんあるけれど、
お月さまを食べてみるという絵本は珍しい。
子どもたちも「え!?食べちゃうの?」と驚きつつ、「クッキーみたいだからきっと甘いよ」「砂がたくさんあるから、苦いと思う」などそれぞれのお月さまへのイメージに基づいた味の予想を始めます。
そしてお話が始まると、最初の見開きで大きくてまんまるなお月さまが迫力満点に描かれていて、子どもの目を惹きつけます。
温かく落ち着いた色合いで、優しい笑顔のお月さま。
絵本全体を通して、柔らかく優しい絵で描かれます。
お話も分かりやすい繰り返しで小さな子も楽しめます。
次々に出てくる動物を見るのが楽しいようです。
物語の終わりにはそれぞれがお月さまの味を想像しているでしょう。
そんな中、お話の最後のお月さまの表情が最後の素敵ポイントです。
これはぜひ実際にみて欲しい。
初めての時はパラパラめくって見ずに、最初からしっかり読んでこの表情に辿り着いてもらいたいと思います。
「お月さまってどんな味だろう?」いろんな想像が出来る優しい絵本です。
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