サンカクさん(4歳~)

絵本

文:マック・バーネット 絵:ジョン・クラッセン 訳:長谷川義史 出版:クレヨンハウス

いたずら好きのサンカクさん。

シカクさんに、悪さをしに行くことに決めました。

いたずらは見事成功!

ですが、怒ったシカクさんが・・・。

あらすじ

体が三角形のサンカクさん。

家も入り口も三角形。

ある日、サンカクさんは家を出て、シカクさんの家へ出かけて行った。

シカクさんに悪さをするために。

小さい三角、中くらいの三角、大きい三角を通り過ぎ・・・。

三角じゃない場所を通り、よくわからないところを通り過ぎると・・・。

大きな四角が見えてきた。

大きな四角、中くらいの四角、小さな四角を通り過ぎ・・・。

ようやく、シカクさんの家。

シカクさんの家は、形も入り口も四角形。

シカクさんの家に着くと、サンカクさんは早速悪さを始めた。

シカクさんの家の入口に、そっと近づくサンカクさん。

「シャーッ!」とヘビの真似を始めた。

シカクさんはヘビが怖いのだ。

案の定、家の中のサンカクさんは、ヘビを怖がり大慌て。

シカクさんが泣きそうになったところで、サンカクさんは姿を現した。

「怒らないでくれ」と言い、帰っていくサンカクさん。

その後ろを追いかけていくシカクさん。

来た道を戻り、サンカクさんの家へ。

サンカクさんが家へ入ると、ここぞとばかり家へ突撃するシカクさん。

しかし、ここで大きな問題が・・・。

『サンカクさん』の素敵なところ

  • 意地悪を心から楽しむサンカクさんの憎たらしさ
  • 距離感がよくわかる道中が楽しい
  • 予定と違うシカクさんの仕返し

意地悪を心から楽しむサンカクさんの憎たらしさ

この絵本のなによりの魅力は、サンカクさんにあるでしょう。

脈絡もなく、シカクさんに悪さをしに行き、それを心から楽しむサンカクさん。

「シャーッ!シャーッ!」

と、ヘビの真似をして、シカクさんの慌てる姿を見ているところなど、その性格の悪さをひしひしと感じます。

目しかないのに、にやけているのもしっかり伝わってきます。

バレた後も悪びれることなく、「冗談だよ」みたいなノリで去っていく姿も清々しい。

ここまで純粋に意地悪なやつは中々いません。

でも、この純粋な意地悪さが、子どもを引き付けるのでしょう。

「いけないんだー!」

「シカクさんかわいそう!」

と言いながら、大笑いしているところを見るとそれが伝わってきます。

普段は出来ないことを、堂々とやってくれる。

そんなダークヒーロー的な魅力がサンカクさんにはあるのです。

距離感がよくわかる道中が楽しい

さて、悪さをするところはもちろんおもしろいのですが、その道中のおもしろさも見逃せないポイントです。

サンカクさんとシカクさんの家はけっこう離れています。

そこにいくだけでも、中々大変。

その道中のロケーションが、おもしろく、わかりやすく、小ネタも入っていたりします。

まずは距離感のわかりやすさ。

サンカクさんの家を出ると、小さい三角、中くらいの三角、大きい三角の順で、三角の大きさが変わっていきます。

そこを過ぎると、よくわからないエリア。

その先に、大きな四角、中くらいの四角、小さい四角と続いていきます。

直感的に家が近づいているのがわかるのです。

また、帰り道も端折ることなく、同じ道のりを通ります。

これにより、「もうすぐサンカクさんの家に着く!」というワクワク感も生まれます。

距離感がわかりやすいことで、目的地に近づいていっている期待感が膨らむのです。

もう一つおもしろいのが、よくわからないエリア。

滝のような場所なのですが、実はここマンマルさんの家だと思われます。

このシリーズの絵本に、体の丸いマンマルさんというキャラクターが出てくるのですが、滝に住んでいるのです。

先にマンマルさんを読んでいたので、

「あ!ここマンマルさんの滝じゃない!?」

と、大盛り上がり。

シリーズを読んでいる人にしかわからない小ネタを入れてくるのも、にくいところです。

予定と違うシカクさんの仕返し

そんな道のりを越え、サンカクさんを追いかけてきたシカクさん。

でも、サンカクさんの家へ着いた時、想定外な問題が発生します。

サンカクさんを驚かせるはずが、逆に笑いのネタを提供してしまうシカクさん。

しかし、天はシカクさんを見放しませんでした。

まかさの展開で仕返しが成就するのです。

この時の、シカクさんの調子のいいセリフが印象的。

それを聞いていると、「2人は似た者同士何だろうな~」と、仲のいい理由がわかるような気がしてきます。

なんだか人柄や間柄が滲み出る最後の場面も、この絵本のとてもおもしろいところです。

二言まとめ

いたずら好きなサンカクさんの、意地の悪さが気持ちいい。

最後までなにが起きるか、なにをしでかすか、予想のつかない絵本です。

コメント

  1. 三文字(i e π)寄れば文殊のヒフミヨ より:

     『自然比矩形』に[サンカクさん]のヘビの真似を[曲線]に仕掛けると□(正方形)に生るのを想う・・・

     数の言葉ヒフミヨ(1234)を「仙厓の〇△□」の円相図に△を描くと[吾唯足知]の蹲踞に△の上下(水平)左右(垂直)の4っつの△が浮かぶ・・・
    これが[直交座標]の軸と目盛を創ると観える・・・
    △には、対角線ができない、△の[半分こ]の線を〇に棲む直径に重ねると△の内と外とで[2:1]の[線]ができる。これが、[1+1=2]の眺めと観たい・・・
    [両界曼荼羅]の[胎蔵界曼荼羅]の△印仏が、直線や数の言葉ヒフミヨ(1234)らを繋げていると観える・・・
    [両界曼荼羅]は、十進法の基における西洋数学の成果の符号(i e π)からの繋がりとして、[胎蔵界曼荼羅]は、[π] [金剛界曼荼羅]は、[e] に相当しているように観える・・・
    [i]は、△さん(△ヤロー)が、4っつで[□](i⁴)を創ると観える・・・
     

  2. 宇宙が教える人生の方程式(方程式の【0]の意味) より:

     もんたよしのりさんのご冥福をお祈り申し上げます。

     フット湧いた≪…サンカクさん…≫を、イメージする・・・

     ダンシングオールナイトの本歌取り(替え歌)のダンシングオールマスで、円周率を夢みさせてくれます・・・
     宇宙のカケラで得た、人生(円環)を回ら(活躍さ)れ、[ダンシングオールナイト](点・線)の痕跡(√3)は、旅立ち(△さん)としては円環の中心へ収束し、また宇宙のカケラになられただろう・・・
     そして、人生の一本締め【1】の線(1)も符号(∞ 1 0 i e π)を無意識に伴って辺【1】の六つの△の辺は消滅し(閉じ)、六つの点と一つの点も[円環]の中心を目指して、消滅し(閉じ)たと願っている・・・

     ダンシング・オールマス

    マスするときはずむ心
    ひとすじのきらめきにゆれる
    すじひもがうるむ瞳の中で
    無邪気に踊らせてみる
    ダンシング・オールマス 言葉にすれば
    ダンシング・オールマス 理に染まる
    ダンシング・オールマス このままずっと
    ダンシング・オールマス 瞳を閉じて

    独り言吐息ひとつ
    それだけで崩れてしまう
    あぶなげな理としらず
    ひらめきを夢見てた
    ダンシング・オールマス 言葉にすれば
    ダンシング・オールマス 理に染まる
    ダンシング・オールマスこのままずっと
    ダンシング・オールマス 瞳を閉じて

    この賞で最後のマスを
    どちらからともなくそう決めて
    〇 □ をなぞるように踊る
    初めて会ったマスのように
    ダンシング・オールマス 言葉にすれば
    ダンシング・オールマス 理に染まる
    ダンシング・オールマス このままずっと
    ダンシング・オールマス 瞳を閉じて

    ダンシング・オールマス 言葉にすれば
    ダンシング・オールマス 理に染まる
    ダンシング・オールマス このままずっと
    ダンシング・オールマス 瞳を閉じて

    • コメントありがとうございます!
      もんたよしのりさんへの送る言葉。
      数学的であり、文学的であり、とても素敵ですね。
      数学的な円環の中心への収束は、活躍され多くの人に愛された円環が大きいからこそ、とても大きな収束の動きになることが感じられます。
      もんたよしのりさんの人生やダンシングオールナイトへの尊敬の念が大きいからこそ、こういう表現が思いついたのだろうなと。
      宇宙のカケラで得た生は、きっとぼくたちも同じなので、素敵で大きな円環を回していきたいものです。
      この送る言葉が、ぜひもんたよしのりさんや、その近親者の方へ届いたらいいのになと、心から思うところです。

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