文:マック・バーネット 絵:ジョン・クラッセン 訳:長谷川義史 出版:クレヨンハウス
いたずら好きのサンカクさん。
シカクさんに、悪さをしに行くことに決めました。
いたずらは見事成功!
ですが、怒ったシカクさんが・・・。
あらすじ
体が三角形のサンカクさん。
家も入り口も三角形。
ある日、サンカクさんは家を出て、シカクさんの家へ出かけて行った。
シカクさんに悪さをするために。
小さい三角、中くらいの三角、大きい三角を通り過ぎ・・・。
三角じゃない場所を通り、よくわからないところを通り過ぎると・・・。
大きな四角が見えてきた。
大きな四角、中くらいの四角、小さな四角を通り過ぎ・・・。
ようやく、シカクさんの家。
シカクさんの家は、形も入り口も四角形。
シカクさんの家に着くと、サンカクさんは早速悪さを始めた。
シカクさんの家の入口に、そっと近づくサンカクさん。
「シャーッ!」とヘビの真似を始めた。
シカクさんはヘビが怖いのだ。
案の定、家の中のサンカクさんは、ヘビを怖がり大慌て。
シカクさんが泣きそうになったところで、サンカクさんは姿を現した。
「怒らないでくれ」と言い、帰っていくサンカクさん。
その後ろを追いかけていくシカクさん。
来た道を戻り、サンカクさんの家へ。
サンカクさんが家へ入ると、ここぞとばかり家へ突撃するシカクさん。
しかし、ここで大きな問題が・・・。
『サンカクさん』の素敵なところ
- 意地悪を心から楽しむサンカクさんの憎たらしさ
- 距離感がよくわかる道中が楽しい
- 予定と違うシカクさんの仕返し
意地悪を心から楽しむサンカクさんの憎たらしさ
この絵本のなによりの魅力は、サンカクさんにあるでしょう。
脈絡もなく、シカクさんに悪さをしに行き、それを心から楽しむサンカクさん。
「シャーッ!シャーッ!」
と、ヘビの真似をして、シカクさんの慌てる姿を見ているところなど、その性格の悪さをひしひしと感じます。
目しかないのに、にやけているのもしっかり伝わってきます。
バレた後も悪びれることなく、「冗談だよ」みたいなノリで去っていく姿も清々しい。
ここまで純粋に意地悪なやつは中々いません。
でも、この純粋な意地悪さが、子どもを引き付けるのでしょう。
「いけないんだー!」
「シカクさんかわいそう!」
と言いながら、大笑いしているところを見るとそれが伝わってきます。
普段は出来ないことを、堂々とやってくれる。
そんなダークヒーロー的な魅力がサンカクさんにはあるのです。
距離感がよくわかる道中が楽しい
さて、悪さをするところはもちろんおもしろいのですが、その道中のおもしろさも見逃せないポイントです。
サンカクさんとシカクさんの家はけっこう離れています。
そこにいくだけでも、中々大変。
その道中のロケーションが、おもしろく、わかりやすく、小ネタも入っていたりします。
まずは距離感のわかりやすさ。
サンカクさんの家を出ると、小さい三角、中くらいの三角、大きい三角の順で、三角の大きさが変わっていきます。
そこを過ぎると、よくわからないエリア。
その先に、大きな四角、中くらいの四角、小さい四角と続いていきます。
直感的に家が近づいているのがわかるのです。
また、帰り道も端折ることなく、同じ道のりを通ります。
これにより、「もうすぐサンカクさんの家に着く!」というワクワク感も生まれます。
距離感がわかりやすいことで、目的地に近づいていっている期待感が膨らむのです。
もう一つおもしろいのが、よくわからないエリア。
滝のような場所なのですが、実はここマンマルさんの家だと思われます。
このシリーズの絵本に、体の丸いマンマルさんというキャラクターが出てくるのですが、滝に住んでいるのです。
先にマンマルさんを読んでいたので、
「あ!ここマンマルさんの滝じゃない!?」
と、大盛り上がり。
シリーズを読んでいる人にしかわからない小ネタを入れてくるのも、にくいところです。
予定と違うシカクさんの仕返し
そんな道のりを越え、サンカクさんを追いかけてきたシカクさん。
でも、サンカクさんの家へ着いた時、想定外な問題が発生します。
サンカクさんを驚かせるはずが、逆に笑いのネタを提供してしまうシカクさん。
しかし、天はシカクさんを見放しませんでした。
まかさの展開で仕返しが成就するのです。
この時の、シカクさんの調子のいいセリフが印象的。
それを聞いていると、「2人は似た者同士何だろうな~」と、仲のいい理由がわかるような気がしてきます。
なんだか人柄や間柄が滲み出る最後の場面も、この絵本のとてもおもしろいところです。
二言まとめ
いたずら好きなサンカクさんの、意地の悪さが気持ちいい。
最後までなにが起きるか、なにをしでかすか、予想のつかない絵本です。
コメント
『自然比矩形』に[サンカクさん]のヘビの真似を[曲線]に仕掛けると□(正方形)に生るのを想う・・・
数の言葉ヒフミヨ(1234)を「仙厓の〇△□」の円相図に△を描くと[吾唯足知]の蹲踞に△の上下(水平)左右(垂直)の4っつの△が浮かぶ・・・
これが[直交座標]の軸と目盛を創ると観える・・・
△には、対角線ができない、△の[半分こ]の線を〇に棲む直径に重ねると△の内と外とで[2:1]の[線]ができる。これが、[1+1=2]の眺めと観たい・・・
[両界曼荼羅]の[胎蔵界曼荼羅]の△印仏が、直線や数の言葉ヒフミヨ(1234)らを繋げていると観える・・・
[両界曼荼羅]は、十進法の基における西洋数学の成果の符号(i e π)からの繋がりとして、[胎蔵界曼荼羅]は、[π] [金剛界曼荼羅]は、[e] に相当しているように観える・・・
[i]は、△さん(△ヤロー)が、4っつで[□](i⁴)を創ると観える・・・
もんたよしのりさんのご冥福をお祈り申し上げます。
フット湧いた≪…サンカクさん…≫を、イメージする・・・
ダンシングオールナイトの本歌取り(替え歌)のダンシングオールマスで、円周率を夢みさせてくれます・・・
宇宙のカケラで得た、人生(円環)を回ら(活躍さ)れ、[ダンシングオールナイト](点・線)の痕跡(√3)は、旅立ち(△さん)としては円環の中心へ収束し、また宇宙のカケラになられただろう・・・
そして、人生の一本締め【1】の線(1)も符号(∞ 1 0 i e π)を無意識に伴って辺【1】の六つの△の辺は消滅し(閉じ)、六つの点と一つの点も[円環]の中心を目指して、消滅し(閉じ)たと願っている・・・
ダンシング・オールマス
マスするときはずむ心
ひとすじのきらめきにゆれる
すじひもがうるむ瞳の中で
無邪気に踊らせてみる
ダンシング・オールマス 言葉にすれば
ダンシング・オールマス 理に染まる
ダンシング・オールマス このままずっと
ダンシング・オールマス 瞳を閉じて
独り言吐息ひとつ
それだけで崩れてしまう
あぶなげな理としらず
ひらめきを夢見てた
ダンシング・オールマス 言葉にすれば
ダンシング・オールマス 理に染まる
ダンシング・オールマスこのままずっと
ダンシング・オールマス 瞳を閉じて
この賞で最後のマスを
どちらからともなくそう決めて
〇 □ をなぞるように踊る
初めて会ったマスのように
ダンシング・オールマス 言葉にすれば
ダンシング・オールマス 理に染まる
ダンシング・オールマス このままずっと
ダンシング・オールマス 瞳を閉じて
ダンシング・オールマス 言葉にすれば
ダンシング・オールマス 理に染まる
ダンシング・オールマス このままずっと
ダンシング・オールマス 瞳を閉じて
コメントありがとうございます!
もんたよしのりさんへの送る言葉。
数学的であり、文学的であり、とても素敵ですね。
数学的な円環の中心への収束は、活躍され多くの人に愛された円環が大きいからこそ、とても大きな収束の動きになることが感じられます。
もんたよしのりさんの人生やダンシングオールナイトへの尊敬の念が大きいからこそ、こういう表現が思いついたのだろうなと。
宇宙のカケラで得た生は、きっとぼくたちも同じなので、素敵で大きな円環を回していきたいものです。
この送る言葉が、ぜひもんたよしのりさんや、その近親者の方へ届いたらいいのになと、心から思うところです。