保育の仕事のハードルを下げてみませんか?

雑記

お元気様です!

登る保育士ホイクライマーです。

今回は、「保育の仕事を頑張りすぎて、自分の首を絞めていませんか?」というお話です。

今は変わってきていますが、一昔前は「クラス便りは手書きでないとダメ」という保育園もけっこうありました。

でも、それってものすごい手間がかかりますよね?

手間をかけている余裕があって、より良いものを目指すのはいいことだと思います。

ですが、そのせいで子どもに向き合う時間が減ったり、残業が増えていたのでは健全とは言えません。

今回の記事では、実は必要ないかもしれない保育士の仕事を見つめ直し、本当に必要な時間の使い方について考えていきます

保育士はもちろん、保護者の方にも、保育園を理解する上で役立つものになっていると思います。

ではいってみましょう!

大前提:余裕があれば好きなだけこだわればいい

まず、本題に入る前に、大前提をはっきりさせておきたいと思います。

時間的に余裕があったり、こだわってやりたいと楽しむ心の余裕があるのなら、存分にやってもらいたいと思います。

こだわって作ったものを、無駄だと言っているわけでもありません。

こだわって作ったものは、子どもや保護者の気持ちを盛り上げてくれたり、よりじっくり見る機会に繋がります。

けれど今回の記事は、常に仕事に追われていたり、人手が足りない中でやらなければいけないことが多い人に向けたものです。

ただこだわる余裕がある人も、そのこだわりの時間を他のことに回したら、より保育の質が上がる可能性はあると思っています。

そういう意味でも、余裕がある人、余裕がない人、両方に参考になるのではないかと思っています。

こだわったお便りは必要か?

保育園のお便りは、非常に色々な形があります。

手書き、パソコン書き、写真を入れる、入れない・・・などなど。

こだわって作れば、無限にこだわって作れるコンテンツです。

ぼくも「A3サイズ、両面記入、裏面は前月の写真で埋める」という、地獄のような指定がある園にいた時は、2時間以上平気でかかっていました。

反対に、こだわらなければ、パソコンでフォーマットを決めておき、いくつかの文章をいじるだけで出来てしまいます。

30分もかからないでしょう。

「あまりお便りを読まないような家庭にも読んでもらえるように、温かみのあるものにする」

というような理由も聞いたことがありますが、読む家庭は読むし、読まない家庭は読みません。

重要なスケジュールを書いておいても、直前に口頭で確認しないと忘れている家庭は絶対あります。

それであれば、「今月の予定、前月の子どもの様子、誕生児紹介」程度のコンパクトなものにして、他の仕事に時間を使った方がいいのではないでしょうか?

制作に見栄えは必要か?

制作というと、保護者に見せるために飾るまでを、セットにして考えてしまいます。

とくに行事制作などによく表れていて、作品につける名札などもこだわった形に切られていたりします。

そう、子どもが制作する部分以外の、仕事がとても多いのです。

台紙や名札、パーツの用意など、準備や仕上げにとても時間と手間がかかります。

また、頻度も保育士を苦しめる要因の一つ

「毎月1つ制作をする」という、ノルマがあることも珍しくありません。

「あ~そろそろ制作考えなきゃ~」という声を、何度聞いたことでしょう(自分含む)。

一見、子どもの成長のためになっていると思われがちですが、果たしてそうなのでしょうか?

実は成長だけ考えれば、もっと効率的で子ども一人ひとりに合った方法があります。

例えばハサミ。

これはものすごい個人差があります。

家庭で使っているかで、大きく変わります。

余裕で使えている子と、ほとんど使えない子が一緒の制作をしているのです。

成長を考えるなら、それぞれのレベルにあった課題を、自由遊びの時間にでもすればいいのです。

シール貼りや、のりなども同じですね。

また、余裕のない中で行う制作は、やらせる制作になりがちです。

こちらで用意したものを、作らせて期限に間に合わせる。

まるで仕事のノルマです。

そこまでして制作はすることなのでしょうか?

それに、自由遊びの中でひたすら紙に貼ったシールや、新聞紙遊びでねじって作った人形も立派な制作です。

むしろ、その時の自分の力をフルに発揮して作ったものという意味では、そちらの方がその子らしい作品でしょう。

毎月の見栄えいい制作を見せなくても、日常的に出来た作品を見せ、その制作過程を伝えることで、表現力や手先の成長を伝えることはできるのです。

飾らずに作ったもので遊び、そのまま家庭に返したっていいでしょう。

その方が、作った熱をそのまま家庭に持って帰り遊んだり、家でもう一回作ってみるなど発展させやすかったりもします。

今一度、「その制作は誰のためにやっているものなのか?」を考えてみてもいいのではないでしょうか?

行事の衣装や道具にこだわりすぎてない?

運動会や発表会の衣装・道具作りも、保育士の負担が大きくなりやすいところです。

もちろん重要じゃないと言っているわけではありません。

特に年齢が小さくなるほど、本番で泣いてしまっていても、衣装がかわいければ、その子のかわいさがより伝わるという効果は重要だったりします。

ただ、「人手が足りない園で、血を吐く思いをしながら衣装にこだわる必要があるのか?」となると疑問です。

ブラックな園ではなくても、時間がないから持ち帰って作ってくるという人は、たくさん目にしてきました。

特に、発表会が年明けという園では、年末年始の休みに持ち帰ってやることが、当たり前になっているところもありました。

そうなってくると、健全とは言い難いと思います。

  • 衣装ベースや帽子ベースなどを買い、時短できるところを時短する。
  • 衣装が大きな負担になっていることを保護者に伝え、ベースのハードルを下げる。
  • そもそもの行事の在り方やスケジュールを見直す。

などの対策が必要になってくるでしょう。

毎年ある行事は、年々ハードルが上がりがちです。

どこまでなら大人も子どもも無理なくできるのかを定期的に見直さないと、ひたすら詰め込むだけの行事になってしまいやすいもの。

ぜひ、ハードルが上がりすぎていないか、本当に必要な仕事なのかを見直してみてください。

時間は有限、必要なことへ時間を配分する

他にも習慣的に行っていることはたくさんあると思います。

職員会議、朝礼、終礼、行事、雑務などなど。

ですが、

時間は有限

です。

残業する以外に増やす方法はありません。

何かに時間を使えば、他の時間を削るしかないのです。

保育内容に関しても同じです。

運動、読み聞かせ、歌、制作、すべてのことにたっぷりと時間は取れません。

どこかを厚くすれば、どこかは薄くなります。

だからこそ、大切な本質を見極め、必要なところに時間を使わないといけません

これは、人手がいなかったり、余裕がない人や保育園ほど重要です。

言うまでもなく、保育の中で一番大切なことは、子どもが日々をのびのび生きることです。

もし行事ややらないといけない活動で、それが圧迫されているなら本末転倒。

すぐに変えないといけません。

子どものために、保育士が残業して保育を成り立たせているとしたら、それも健全ではありません。

  • それはなんのためにやっているのか?
  • やったことでどんなメリット、デメリットがあるのか?
  • その時間を他のことに使った方がよりより結果が出るのではないか?

という、本質を見つめ直す質問をし続け、無駄になっている時間を大切なことへ回していきましょう

要注意:保護者から理解を得ることは不可欠

ただ、見直しをする時に、大切な注意点があります。

それは子どもに関することは保護者も巻き込み、理解を得るようにすること

例えば、制作の頻度を落としたり、自由遊びの時間に作ったものを作品として見せていくとしたら、

「見せるための制作になってしまっていたので、より子どもやりたいに寄り添った制作にしていこうと思ています。日々の生活の中で作ったものを、その都度お見せしてその過程を伝えていこうと思うのでよろしくお願います」

など、そうした根拠や、理念をしっかりと伝えていきます。

それにはクレームや不信感を防ぐ効果もあります。

ですが一番大切なのは、子どもにとってなにがいいかを保護者が考えるきっかけにすることです。

変えるということは、保育園側がこれまでの常識を変えようとしているということです。

それは、保護者にとっても常識を見直す機会になります。

そして、保育園・保護者の両方が考えることで、子どものよりよい環境に繋がっていくでしょう。

行事に関してもそうです。

保育園の現状や、忙しさなどをしっかりと伝えていきましょう。

保育園と家庭が協力しなければ、どんな保育の形にしようとうまくはいかないのですから。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は「本当にその仕事は必要か?」について考えてきました。

保育園の活動、特に行事などは年々ハードルが上がりがちです。

制作などに関しても、「あの先生はきれいに飾ってくれた」など、プレッシャーを持ちがちです。

ですが、そのために余裕がなくなってしまっては、子どもとの余裕もなくなってしまいます。

時間は有限です。

本当に大切なことはなんなのか?

それは自分が無理してまでやらなければならいのか?

など、仕事の見直しを行い、ぜひ本質を見つめてみてください。

心に余裕がなければいい保育はできません。

「子どものためだから」と、大人が無理をする保育はいずれ崩壊します。

心に余裕を作るためにできることを、考えていきましょう。

そして、持続可能性のある保育園を作っていきましょう。

それが結局は、子どもにも、保育士にも、保護者にも、社会にも一番いい結果に繋がるのだと思いますから。

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