ドーナツペンタくん(3歳~)

絵本

作:柴田ケイコ 出版:白泉社

海で出来立てドーナツを売るペンタくん。

とても美味しくて、動物たちに大人気。

でも実は、ペンタくんにはもう一つの顔があったのです。

あらすじ

ペンギンのペンタくんは、ドーナツ屋さんです。

頭のドーナツがトレードマーク。

夏になると、キッチンカーで海水浴場へやってきます。

場所を決め、看板を出すと、早速たくさんのお客さんがやってきました。

動物たちがドーナツを買っていく中、ライオンがドーナツを買いに来ました。

ライオンは「ぼくの顔のドーナツを作ってよ」と注文します。

自信のなさそうなペンタくん。

ですが、出来たドーナツはライオンに全然似ていませんでした。

ライオンはしょんぼりしながら買って帰りました。

それを見て、頭を下げ続けるペンタくん。

そこへ、ネコちゃんがドーナツを買いに来ました。

ネコちゃんも、ネコのドーナツが欲しいと言います。

でも、出来たのはまるでネズミのドーナツ。

ネコちゃんも、がっかりしながら買って帰りました。

次に来たのはヘビくんです。

これはとてもそっくりに出来ました。

・・・が、とぐろを巻いた形だったので、別のものに見えてしまいます。

出来栄えにがっかりしていたライオン、ネコちゃん、ヘビくんでしたが、気を取り直して食べてみると、その美味しいこと。

形はヘンテコでも、味はとても美味しいドーナツでした。

と、そこへやってきたのがゾウさんでした。

ゾウさんはなんと、ペンタくんの頭に乗っている大きなドーナツが欲しいと言ってきました。

ペンタくんが売り物じゃないと言っても、ゾウさんは聞きません。

それどころか、頭のドーナツをじっくり見た他の動物たちも、欲しいと言い出したではありませんか。

ペンタくんが、他の動物たちに詰め寄られ、後ずさりしたその時。

「たすけてー」

と、海の方から叫び声が聞こえてきました。

すぐに胸の望遠鏡でのぞくペンタくん。

海で子ブタくんが溺れています。

それを確認したペンタくんは・・・。

『ドーナツペンタくん』の素敵なところ

  • 美味しそうな揚げたてドーナツ
  • 次々できるヘンテコドーナツ
  • ペンタくんのかっこいい正体とまさかの新商品

美味しそうな揚げたてドーナツ

この絵本を見て、最初に思うことは「ドーナツ食べたい~」でしょう。

表紙からすでに美味しそうなドーナツ。

どれにしようか悩んでしまいます。

子どもたちも、本編が始まる前から、

「わたしイチゴのがいい!」

「チョコがいいな~」

「抹茶もあるよ!」

と、ドーナツ屋さんに来たかのような盛り上がりを見せていました。

さらにお客さんの「揚げたてだって」と言う言葉や、店先に並ぶドーナツからの湯気に、想像が膨らみます。

「あったかいんだろうな」「きっとふわふわだろうな」と、食欲が刺激され、本当にドーナツの甘い匂いが漂ってくるようです。

見ているだけでよだれが垂れそうになる、美味しそうなドーナツの数々は、この絵本の大きな魅力です。

次々できるヘンテコドーナツ

そんなおいしいドーナツを作るペンタくんにも、弱点がありました。

それは造形が苦手なこと。

動物たちに、自分そっくりなドーナツを作ってくれと言われ、挑戦しますがうまくいきません。

ライオンはつぶれた星みたいだし、ネコはまるでネズミみたいです。

これには期待に胸を膨らませる子どもたちもびっくり。

「えー!?変な顔!」

「ネコじゃなくてネズミじゃん!」

と大笑い。

中でもヘビは「うんちだー!」と大爆笑でした。

でも、苦手なことがあるペンタくんだからこそ、愛着が湧くのでしょう。

苦手だけど挑戦し、失敗したら心から謝るその姿はとても素敵。

それに、味はとてもいいので、みんな最後は笑顔です。

ペンタくんのかっこいい正体とまさかの新商品

さて、失敗もご愛嬌のペンタくんですが、実はもう一つの顔がありました。

その顔は、さっきまでの笑顔や、困った顔とは大違い。

鋭い目つきに、素早い動き。

同一人物とは思えないくらいです。

その姿に、

「すっげー!」

「かっけー!」

と、全く反応が変わる子どもたち。

ペンタくんを見る目がすっかり変わっています。

また、頭のドーナツにも大きな秘密があり、こちらにもびっくり。

その秘密を知った動物たちが欲しがって、すっかり人気商品になってしまいました。

この、ドーナツを売っている時の温和なペンタくんと、もう一つの顔のギャップも、この絵本のとてもおもしろく素敵なところです。

二言まとめ

ドーナツを売るかわいいペンタくんと、もう一つの顔のかっこいいペンタくんのギャップがおもしろい。

見ているだけで、揚げたてドーナツが食べたくて、よだれが出てくる絵本です。

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