作:名久井直子 写真:井上佐由紀 出版:福音館書店
100はとてもたくさんの数です。
でも、実際に見るとどれくらい?
そんな疑問に、身近なものを100個集めて答えてくれる絵本です。
あらすじ
積み木が1個あります。
それを100個組合わせると、大きなお城ができました。
金魚が1匹泳いでいます。
金魚が100匹になると、目の前が真っ赤!
黒い金魚も一匹いるけど。
集まっている輪ゴムが100個集ある。
広げてバラバラにすると、見た目は全然違うけど、これも100。
長い金太郎飴が1本。
切って小さくしたら、100個の金太郎飴。
次は、どんな100が出てくるでしょう?
『100』の素敵なところ
- 100が目に見える
- 意外と身近な数「100」
- 気付いていない100に気付く
100が目に見える
この絵本のすごいところは、100を目に見える形にしているところです。
子どもにとっての100は、途方もない数です。
大人にとっての1000万や1億くらい、具体的なイメージが湧かない数でしょう。
それが、見開き一ページで、目に見える形にしてくれているのです。
さらに、写真なので、より現実の世界での「100」と繋がります。
すると、途方もない数だった「100」が、とても具体的な輪郭を持った数になるのです。
「100ってこれくらいか~」
「けっこう少ないね」
と、子どもたちからも、イメージの100と、実際の100の違いに驚く声が多く上がりました。
自分の目で見ることで、感覚的に「100」がわかるのです。
意外と身近な数「100」
そう見てみると、意外と100って身近なことに気付きます。
積み木では、大きなお城ですが、子どもたちが普段作っているお城とそんなに違いはありません。
輪ゴムはテーブルに広げたら、この絵本で見たのと同じくらいになりそうです。
そんな風に、100が実は現実的な数字なことに気付くのです。
子どもの「けっこう少ないね」という言葉からもわかります。
気付いていない100に気付く
さて、そうなってくると、近くに100がないか気になってくるというもの。
絵本の最後にある「あなたのまわりに100はある?」という問いかけも手伝って、周囲を見回し探し始めます。
「さっきのお城くらいなら、保育園の積み木も100個あるかも!」
「あの公園のどんぐりは?」
「レゴは絶対100個あるよ!」
と、100の感覚がわかったことで、「100個ありそうなもの」「100個はなさそうなもの」が仕分けられるように。
子どもたちの中で、「100」という数が腑に落ちたのでしょう。
以前よりも、かなり具体的に100を使うようになりました。
二言まとめ
100という数を目で見ることで、具体的に「どれくらい」という感覚がわかる。
身近なものを100か100じゃないか、考えて仕分けたくなる科学絵本です。
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