作:山岡ひかる 出版:アリス館
「はいちーず」の掛け声で、色んな人の写真を撮ります。
撮られる人の個性溢れるポーズの数々を見るのがとても楽しい。
読めば、写真ごっこが広がる絵本です。
あらすじ
恥ずかしそうに、うつむいている男の子。
「はいちーず」で、ピースつきのいい笑顔が撮れました。
鼻をほじっているゴリラさん。
「はいちーず」で、力こぶを見せるたくましい写真が撮れました。
寝そべっているバンビちゃん。
「はいちーず」で、立ち上がり、すらっとした長い足が素敵な写真を撮れました。
草を食べている2匹のうさぎちゃん。
「はいちーず」で・・・。
『はいちーず』の素敵なところ
- 「はいちーず」で写真を撮る流れが楽しい
- 被写体の個性が全面に出ているポーズ
- 自分も「はいちーず」がしたくなる
「はいちーず」で写真を撮る流れが楽しい
この絵本の楽しいところは、「はいちーず」の掛け声で、本当に写真を撮っている気分になれるところでしょう。
素の表情の被写体たちが、「はいちーず」とページをめくったとたん、決め顔に決めポーズ。
このギャップがおもしろく、本当に写真を撮っているみたいなのです。
見ている子も、「はいちーず」と一緒に掛け声を合わせたり、指でカメラを作ったりと、カメラマン気分を味わっている様子。
ページめくりと、写真撮影の連動がこの絵本のおもしろいところです。
被写体の個性が全面に出ているポーズ
また、被写体たちのポーズが個性あふれるものになっているのも、この絵本の素敵なところ。
ゴリラは力強く、バンビは立ち上がって一番しなやかに見えるポーズで・・・。
というように、それぞれの個性が際立っています。
特におもしろいのがウサギとブタ。
明らかに写真映えを狙っていたり、普段気になっていることが伝わってきたり。
さらには、写真あるあるも組み込まれて・・・と、バリエーション豊かで、繰り返しでも飽きさせません。
それが、その動物たちのイメージと合っているのがまたおもしろく、妙な納得感があるのもおもしろいところです。
自分も「はいちーず」がしたくなる
さて、この絵本は読んで終わりではないのも、とても素敵なところです。
絵本の中で「はいちーず」をしていたら、自分もやりたくなるのが子どもです。
撮りたがったり、撮って欲しがったりと、写真ごっこに繋がっていきます。
自分のポーズで撮る子や、絵本の中の登場人物と同じポーズをする子、ブロックや折り紙でカメラを作って本格的に始める子など様々です。
こんな風に、絵本だけで終わらず、遊びに繋がっていくのも、この絵本の大きな魅力でしょう。
シンプルだからこそ、真似したくなるのです。
二言まとめ
「はいちーず」の掛け声で、個性豊かなポーズを撮っていくのがおもしろい。
読んだら自分も、写真ごっこをしたくなる遊び心が詰まった絵本です。
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