作:山岡ひかる 出版:アリス館
転びそうな時・・・。
足に力を入れて踏ん張れば転びません!
さあ、一緒に「どすこーい」と踏ん張りましょう。
あらすじ
石につまづき、転びそうな男の子。
でも・・・。
「どすこーい」と踏ん張ったから、大丈夫。
氷でつるつる滑るペンギンの赤ちゃんたち。
でも・・・。
「どすこーい」と踏ん張ったから、足がぺったりちゃんと着いて、大丈夫。
お花がしおれて、ふらふらへなへな。
でも・・・。
雨が降ってきたら「どすこーい」と元気になった。
クマの子どもが向かい合わせで、坂道から転がり落ちてきた。
でも・・・。
『どすこーい』の素敵なところ
- 踏ん張りと「どすこーい」のピッタリ感
- ふらふら感とびしっと感のギャップ
- バリエーション豊富な「どすこーい」
踏ん張りと「どすこーい」のピッタリ感
この絵本のおもしろいところは、踏ん張る時の力強さと「どすこーい」という掛け声のピッタリ感です。
普段は言わない「どすこーい」ですが、転ばないよう踏みとどまる動きに合わせて言うと、驚く程マッチします。
このピッタリ感がたまらなく気持ちいい。
何度も読みたくなるし、自分でもやってみたくなります。
子どもたちも、自分だけの「どすこーい」ポーズを考えたりと、体が勝手に動いていました。
ふらふら感とびしっと感のギャップ
このおもしろさと気持ちよさを、さらにパワーアップさせてくれるのが、ページをめくる前と後のギャップです。
ページをめくる前は、今にも倒れそうにふらふら~。
ですが、ページをめくると背筋が伸びてシャキッ!
表情も力強く頼もしげです。
「どすこーい」での大きな変化が、これでもかと目に見えるように描かれているのです。
きっとこのわかりやすさが、倒れそうなドキドキ感と、「どすこーい」の気持ちよさに繋がっているのでしょう。
バリエーション豊富な「どすこーい」
また、「どすこーい」のバリエーションが豊富なのも、楽しくて飽きさせないところです。
自分の力で踏ん張ったり、雨が降って来て元気になったり、2人で力を合わせたり・・・。
「どすこーい」の仕方が、それぞれ違ったり、その生き物に合わせたものになっているのです。
子どもたちも、
「水がないとしおれちゃうもんね」
「そうなるの!?」
など、納得したり驚いたりと、バリエーションを楽しんでいるようでした。
「どすこーい」の後の文章も、それぞれに合わせたものになっていて、
ペンギンは「ぺたぺた ぺったん」
お花は「ぴぴ ぴぴぴーん」
など、その生き物ならではのシャキッと感が、ダイレクトに伝わってくるのも素敵なところです。
二言まとめ
「どすこーい」の掛け声で、シャキッとする姿が力強くて気持ちいい。
読めば自分も「どすこーい!」とやりたくなる絵本です。
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