作・絵:バイロン・バートン 訳:いとうひろし 出版:徳間書店
子どもに人気の乗り物たち。
そこにお客さんが乗ったり降りたりしていきます。
それを見て、自然と一緒に数えたくなる絵本です。
あらすじ
バスの運転手ジョーが、自分のバスに乗り仕事に出発します。
町を走っていると、イヌが1匹乗ってきました。
次はネコが2匹乗ってきました。
それからネコが3匹乗ってきました。
最後はイヌが4匹乗ってきて、バスは満員になりました。
港に着くと、イヌが1匹、ネコが2匹バスから降りて、船に乗りました。
駅に着くと、イヌが2匹、ネコが1匹バスから降りて、電車に乗りました。
空港に着くと、イヌが1匹、ネコが2匹バスから降りて、飛行機に乗りました。
みんな遠くへ行く中で、バスの中にはイヌが1ぴき・・・。
このイヌはどこへ行くのでしょう?
『ぼくのバス』の素敵なところ
- バスだけじゃなく、色々な乗り物が登場する楽しさ
- 乗り降りする動物たちを自然と数えたくなる
- 最後のイヌの心温まる行く末
バスだけじゃなく、色々な乗り物が登場する楽しさ
この絵本の嬉しいところは、バスだけじゃなく他の乗り物も登場するところです。
特に小さい子には、とても嬉しいポイントで、自分の知っている乗り物が出るたび大喜び。
「電車!」
「船!ざぶんざぶん!」
と、指差ししながら必死に伝えてきます。
大好きなバスだけでなく、主要な乗り物がみんな出てきて、さらにそれぞれお客さんを乗せて活躍する。
それだけで、乗り物好きにはたまらない絵本になっています。
乗り降りする動物たちを自然と数えたくなる
でも、この絵本のおもしろいところは乗り物だけではありません。
乗り降りするネコとイヌを数えるのも楽しいのです。
進むたびに、少しずつ乗ってくるイヌとネコ。
「イヌが1匹」や「ネコが2匹」と言われたら、数えたくなるのが人情です。
ページをめくる手を抑え、「1、2・・・」と、指差ししながら数えます。
「にゃーにゃ―、2!」と確認出来たら次のページへ。
他にもバスに乗っている動物の数、降りた動物の数、電車など他の乗り物に乗っている動物の数・・・。
こんな風に、見ていると自然と数えたくなる仕掛けが、絵本全体に散りばめられています。
そして、数えるたび「電車は3匹乗ってる!」などと伝えたくなるのです。
この自然と数への興味が膨らむ作りが、この絵本のとても素敵なところです。
最後のイヌの心温まる行く末
さて、どの乗り物にも乗らず、バスに残った1匹のイヌ。
このイヌの行く末と伏線回収も、この絵本の素敵なところです。
結局降りることなく、ジョーの仕事は終わりの時間を迎えます。
「えー!まだ、イヌが残ってるのに・・・」
と、心配の声が上がる中、物語の一番最初に出てきた乗り物が活躍します。
最初は、なんのための乗り物なんだろうと、思っていたのですが、最後にまさか伏線回収がされるとは。
その心温まる行く末を見て、みんなほっと一安心。
そして、この最後の場面を見ると、物語の中でほとんどしゃべらないジョーの優しい人柄が見えるようで、もっとジョーとこの絵本が好きになってしまうのです。
最後の場面の物語性も、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
大好きな乗り物を見ながら、数える楽しさを味わえる。
でも、それだけでは終わらない、心温まる物語もとても素敵な絵本です。
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