でんしゃえほん(4歳~)

絵本

作:井上洋介 出版:ビリケン出版

この絵本に出てくる電車は、普通の電車じゃありません。

「こんな電車あったら楽しいだろうな」

という、アイディア電車が次々と現れます。

あらすじ

不思議な電車が、ページをめくるたび出てきます。

最初に出てきたのは、タイヤの代わりに足がついてるお散歩電車。

ゆっくりのんびり進んでいきます。

次は、一人乗りの贅沢電車。

1人1両で、広々ゆったり過ごせます。

今度は、デコボコ線路を走る電車。

電車が跳ねるたび、お客さんの体も跳ねます。

カブトムシの形のカブトムシ電車は、夏休みに走る電車です。

お客さんは、夏休みに出かける家族です。

まだまだ出てくる不思議な電車。

次に出てくる電車はどんな電車でしょう?

『でんしゃえほん』の素敵なところ

  • 自由過ぎる発想の電車たち
  • 刺激される想像力と発見力
  • リズミカルで心地の良い文章

自由過ぎる発想の電車たち

この絵本のなによりおもしろいところは、発想が自由過ぎる不思議な電車たちでしょう。

1つのタイヤに足が6本ついて、計24本の足で歩いている電車。

線路じゃなく電線の上を走る電車。

1人乗りの小さな車両が、5両連結して走っている電車。

など、どれも普段では想像もしないような電車ばかりです。

その内容も、「いいなー」と思うものから「怖そう」と思うものまで様々。

子どもたちも、

「これなら満員にならないからいいなー」

「落ちちゃうよ!」

「高いとこ怖いから乗りたくない!」

など、電車を見るたび、思い思いの反応をしていました。

刺激される想像力と発見力

こんなに不思議な電車を見ていると、興味も自然と高まるもの。

その電車や、乗っている人を見て、子どもたちの想像力や発見力が刺激されます。

「あそこから登れるんじゃない?」と、3階建ての電車に描き込まれた階段を発見したり、

夏休み電車を見て「これからおばあちゃんち行くのかな?」「お父さんお仕事かな?」「運転手さんがお父さんなんじゃない?」と、物語を想像したり、

「この人笑ってるから楽しいのかな?」と、お客さんの表情を見て気持ちや乗り心地を想像するなど・・・。

自分たちで、どんどん発見し、深堀っていくのです。

これはきっと不思議な電車のおもしろさと、描き込まれた絵があるからこそだと思います。

リズミカルで心地の良い文章

また、リズミカルで直感的な文章も、この絵本の魅力の一つです。

お散歩電車なら、

「ゆっくりのんびりおさんぽでんしゃ あわてずさわがずおさんぽでんしゃ でんしゃのおとはこつこつこつこつ」

贅沢電車なら、

「ひとりのりのぜいたくでんしゃ ごとんごととん ぜいたくでんしゃ」

というように、言っていても、聞いていても気持ちいいものになっています。

言葉もわかりやすく、「こつこつこつ」や「ブワンブワン」など擬音もたくさん使われていて、直感的に電車の動きが想像できるのも素敵なところ。

まるで、目の前を不思議な電車通過しているような気分になれるのです。

二言まとめ

想像もしていなかった不思議な電車が次々出てくる。

自由過ぎる電車を見ることで、自分の想像力も思い切り自由にしてくれる絵本です。

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