作:新井洋行 出版:小学館
ネコのとらちゃんが、動物たちの鳴き声をまねっこします。
でも、ネコだから、どうしてもネコっぽく・・・。
けれど、そこがなんともかわいい絵本です。
あらすじ
ネコのとらちゃんが、動物たちのまねっこをしてみます。
最初はイヌ。
「ワンワン」 「ニャンニャン」
次はカエル。
「ケロケロケロ」 「ニャンニャンニャン」
今度はウシ。
「モー」 「ニャー」
お次はゾウ。
「パオーン!」 「ニャオーン!」
まだまだまねっこは続きます・・・。
『ニャンニャンとらちゃん』の素敵なところ
- どうしてもネコになっちゃうかわいさ
- とらちゃんのジェスチャーがかわいすぎる
- 最後の動物との不穏な空気・・・
どうしてもネコになっちゃうかわいさ
この絵本のおもしろいところは、どうしてもまねっこがネコになってしまうところでしょう。
どんな動物が出てきても、「ニャ」が消せず、ネコっぽくなってしまいます。
というより、ほとんどのまねっこは「ニャンニャン」「ニャー」など、普通の鳴き声と変わりません。
でも、本人はいたって真剣。
本気でやってもネコになってしまう・・・。
これがものすごくかわいいのです。
子どもたちも、
「ネコのまんまじゃん」
「とらちゃんかわいい!」
「ニャンニャン!」
と、ツッコんだり、真似をしながらも、微笑ましくとらちゃんを見ていました。
とらちゃんの真似をしている子が、ほぼネコなのもとてもかわいいところです。
とらちゃんのジェスチャーがかわいすぎる
また、とらちゃんがかわいいのは、鳴き声だけではありません。
まねっこする時に、ジェスチャーをするのです。
その姿がかわいいのも素敵なところ。
ウシの時は、手で耳を立てて角のようにしたり、
ゾウの時は、手を伸ばし鼻のようにしたり、
というように、動物のまねっこジェスチャーをしているのです。
これが手の短さも相まって、かわいいことこのうえありません。
子どもたちも、ついつい動きを真似し始め、こっちもかわいいことこのうえありません。
この絵本には、絵本の中でも現実の世界でも、かわいさが詰っているのです。
最後の動物との不穏な空気・・・
さて、そんなかわいい続きできたこの絵本ですが、最後に若干不穏な空気が流れます。
それは最後の動物が出てきた時。
これまで動物が出てくると、即座に楽しそうにまねっこしていたとらちゃんが、その動物をまじまじと見始めます。
見ている人は、その動物との関係性と相まって、一瞬「まさか・・・」とドキッとさせられます。
もちろん、かわいく終わるのですが、この間があることで、
「あー、よかった」
とすっきりメリハリを持って、絵本が終わるのです。
このネコならではの緊張感と、終わり方もこの絵本のとってもおもしろいところです。
二言まとめ
とらちゃんのやる気とは裏腹に、ネコクオリティーになってしまうまねっこが、とってもかわいい。
とらちゃんも、とらちゃんの真似をする子どもたちも、みんなかわいくなってしまう絵本です。
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