作:いわむらかずお 出版:ひさかたチャイルド
トラックのおもちゃと浜辺へ行く男の子。
すると、打ち寄せる波の中から色々な生き物が。
次はどんな生き物が出てくるのか、ワクワクドキドキする絵本です。
あらすじ
男の子とっくんが、トラックのおもちゃを引っ張りながら、浜辺へ遊びに来ました。
すると、波がざぶーんと寄せてきて・・・。
波の中から、カニが出てきて踊りながら言いました。
「トラックに乗せて!」
とっくんは、カニをトラックに乗せてあげました。
カニを乗せて歩いていくと、波がざ、ざぶーんと寄せてきて・・・。
波の中からヒトデが出てきて踊りながら言いました。
「トラックに乗せて!」
とっくんはヒトデもトラックに乗せました。
カニとヒトデを乗せて歩いていくと、波がざ、ざ、ざぶーんと寄せてきて・・・。
波の中からトビウオが飛び出して来きて言いました。
「トラックに乗せて!」
とっくんはトビウオもトラックに乗せました。
カニとヒトデとトビウオをトラックに乗せて歩いていくと、波がざ、ざ、ざ、ざ、ざぶーんと寄せてきて・・・。
どんどん大きくなっていく波。
今度はなにが出てくるのでしょうか?
『とっくんトラックうみへぶぶー』の素敵なところ
- 次々出てくる海の生き物とその可愛い踊り
- 繰り返しのたびどんどん大きくなっていく波
- 最後に出てくるまさかの生き物
次々出てくる海の生き物とその可愛い踊り
この絵本の楽しいところは、波と一緒に次々と海の生き物が出てくるところ。
繰り返しの文章で、波が来るたびに「次は何が出てくるんだろう!?」とワクワクします。
さらに出てきた生き物の動きもおもしろい。
なぜかみんな踊っているのです。
生き物たちの絵が、ものすごくリアル志向なので、この踊りのかわいさと不思議さが際立ちます。
必死に手足(?)を伸ばしたり、体を揺らしたりと、一生懸命さが伝わってくる踊り。
トラックに乗っても、みんな楽しそうに踊っています。
なんなら、他の生き物と一緒なので、もっと楽しそうです。
繰り返しのたびどんどん大きくなっていく波
この繰り返しを、さらに盛り上げてくれているのが、だんだんと大きくなっていく波。
繰り返しのたびに、「ざぶーん」→「ざ、ざぶーん」→「ざ、ざ、ざぶーん」と「ざ」が増えていきます。
それにともない、波の絵もボリューム感が増していきます。
途中からは、とっくんの背を越え、嵐かと思うくらいの波が寄せてくるからびっくり。
子どもたちも、
「ちょっと波大きすぎない!?」
「大波だ―!!」
と、きゃーきゃー言いながら盛り上がります。
最後に出てくるまさかの生き物
そして、この盛り上がりは、最後の生き物で最高潮に!
これまで、少しずつ大きくなっていた生き物でしたが、最後の生き物だけ規模が違いました。
それまでの巨大化曲線はなんだったのかと思うような生き物が登場するのです。
これには、
「えー!?でかすぎー!」
「絶対トラックに乗らないよー!」
と、大きすぎる波からの、大きすぎる生き物に子どもたちの盛り上がりも最高潮。
この波や生き物は少しずつ大きくなっていくのに、最後の生き物だけ規格外に大きいサプライズも、この絵本の大きな魅力です。
二言まとめ
繰り返すたび、仲間が増えたり、波が大きくなっていく変化がおもしろい。
次に何が出てくるのか、波が寄せるたびワクワクドキドキする絵本です。
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