いろいろはっぱ(3歳~)

絵本

写真・文:小寺卓矢 出版:アリス館

外に行くと、色んな葉っぱが目に入る

色、形、質感・・・みんな違う。

そんな葉っぱを見るのが、もっと楽しく、興味深くなる絵本です。

あらすじ

葉っぱにはいろんな形がある。

カツラは丸。

ヨブスマソウは三角。

ポプラは四角。

シナノキは逆さにするとハート。

長さや太さも色々。

イヌコリヤナギ→ネコヤナギ→シダレヤナギ→エゾヤナギ→オノエヤナギと長くなり、

オノエヤナギ→バッコヤナギ→ドロヤナギ→ハコヤナギと太くなる。

ハリギリのように大きな葉っぱもあれば、ツルネコノメソウのようにとても小さな葉っぱもある。

葉っぱの顔も、ミヤマハンノキの丸顔、キタコブシの頭でっかちなどみんな違うし、

髪型だって、カシワのモジャモジャ頭や、イチョウのきっちりなかわけなど、みんな違う。

お肌も、つるつるのものからシワシワのものまで。

お化粧だって、ピンクやおしろい、パッチリメイク。

他にも特徴は様々。

どんどん葉っぱを見ていこう!

『いろいろはっぱ』の素敵なところ

  • 写真で見る多種多様なおもしろい葉っぱ
  • 葉っぱの違いを言語化してくれる
  • ふんわりとした命の循環

写真で見る多種多様なおもしろい葉っぱ

この絵本の楽しいところは、写真で色々な葉っぱが見られることです。

形、質感、大きさ、色など、並べてみると、その違いに気づかされます。

形などのカテゴリーごとにわけて紹介されているのもおもしろく、一つの違いに注目して見ることで、それぞれの葉っぱの違いが際立ちます。

それぞれのカテゴリーに合わせ、並べてみたり、比べてみたり、たくさん集めてみたりなど、より興味を引く作りになっているので、子どもたちも、

「どんどん長くなってく!」

「こっちはすっごい大きくて、こっちはこ~んなにちっちゃいよ!」

など、その違いに興味をを持ち、楽しみやすくなっている様でした。

外で眺めるだけだと、2~3種類を比べるくらいになってしまいがち。

それを、この絵本だともっとたくさんの葉っぱ同士で見比べられるので、葉っぱの多様性をより感じられるのです。

葉っぱの違いを言語化してくれる

また、カテゴリ―わけが、子どもの葉っぱに対する言語化に繋がっているのも素敵なところ。

この絵本には写真とともに、長い、太い、ギザギザ、マンマル、しわしわ、ほそほそ・・・などなど、その葉っぱの性質を言い表した言葉がたくさん出てきます。

これにより、子どもが葉っぱを見た時に、どんな風に表現すればいいかが自然と身に着くのです。

さらに、言語化できると、より葉っぱの性質や違いの目が向くようになります。

それが新たな発見に繋がり、もっと葉っぱや自然がおもしろくなっていくのです。

子どもにわかりやすい言葉で、性質を言語化してくれているからこそ、そういう葉っぱを見つけた時に、自分でも言いたくなり、人にも伝えたくなります。

そんな、表現し、伝える方法まで描かれているのも、とても素敵なところです。

ふんわりとした命の循環

さて、たくさんの葉っぱを紹介してくれるこの絵本。

その最後では、葉っぱの命の循環についても触れられます。

ただ、そんなに重いものではなく、「地面に落ちて、新しい芽が出てくるんだ」くらいの、カジュアルな感じです。

そのカジュアル感が、この絵本にちょうどいいなと思うのです。

葉っぱや自然に興味を持ち始めた子が、なんとなく命の循環を感じる。

それは特段、立ち止まって考えたりすることではなく、さらっと読み流していくものでしょう。

ただ、心の片隅にはきっと残り、やがて命の循環について考える時に、とても大切な心の栄養になっているものだと思います。

だからこそ、この絵本の中で、ふんわりと、さらりと命の循環について描かれていることは、とても価値があることだと思うのです。

葉っぱのおもしろさを紹介する中で、葉っぱの自然の中での働きに触れられているのも、この絵本の素敵なところです。

二言まとめ

葉っぱの多種多様なおもしろさを、写真で見比べ楽しむことができる。

読めば葉っぱを探しに行き、その性質を調べて誰かに伝えたくなる絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました