作:藤本真 出版:自由国民社
夢中になってしまう間違い探し。
たくさんのものが散りばめられた写真から、7つの間違いを探します。
よ~く見比べてみてください。
『どこどこ?セブン』ってどんな絵本?
ミッケのような、ものがたくさん散りばめられた写真が見開きの左右に一つずつ載っています。
その中から間違いを探す間違い探し絵本です。
どのページにも、間違いが7つ隠されているから『どこどこ?セブン』。
一冊ごとにテーマがあり、「色」「クリスマス」など、テーマに沿った間違い探しの写真を見るだけでもおもしろい。
難易度も書かれているので、自分に合ったものを選べます。
ちなみに、星3つで、7つ全部見つけようとすると、大人が真剣に悩めます。
年長クラスなら、星3~4で5つ以上は見つけられていましたよ。
『どこどこ?セブン』の素敵なところ
- たくさんの物で構成された楽しいページ
- ヒントはあるけど答えはない
- ページに合わせた文章も興味深くておもしろい
たくさんの物で構成された楽しいページ
この絵本のおもしろいところは、たくさんの物で作られた目を奪われるページです。
色とりどりの絵の具や、緑黄色野菜を集めた物自体に共通点があるものもあれば、
青という色だけの共通点で、靴やおもちゃ、ボタンまでごちゃまぜで、一つの大きな絵を作っているものもあったりします。
これが見ているだけでおもしろい。
気付けば、間違い探しではなく、
「あ、車がある!」
「このブローチかわいい!」
「洗濯バサミが尻尾になってるんだ!」
など、写真の中の発見に夢中になる子も大量発生。
間違い探しというゲームだけでなく、そのページ自体に魅力があるのです。
でも、間違い探しのおもしろさも負けてはいません。
けっこう本気で難しい。
全体を見て、一個一個を見て・・・と、やっても最後の一個が見つからない。
子どもと大人が力を合わせても、そんな状況がよく起こります。
ヒントはあるけど答えはない
けれど、この絵本に答えはありません。
自分の力で見つけるしかないのです。
ただ、ヒントはあるのでどうしてもわからない時は見てみましょう。
また、答えがないことには作者のこんな願いが詰まっています。
それは、
「見つからないからって焦らないで、ゆっくりじっくり探してね。きっとある時簡単に見つかるから。「ここが違う!」って。」
という巻末の文章に現れています。
急いで答えを探すのではなく、何日も、何週間も、何か月もかけて、自分の力で見つけて欲しいという願い。
それを答えを探して、すぐに消費してしまうのはもったいない。
何度も見て、探して、ついに見つけた「喜びを味わえるのも、この絵本の素敵なところです。
ページに合わせた文章も興味深くておもしろい
さらに、この絵本にはおもしろいところがあります。
それが、ページに載っている文章です。
この絵本にはそのページに合わせた、語りかけるような文章が描かれています。
例えば、
テーマが青のページなら、
「青色・・・君はなにを思い浮かべる?空の色?海の色?青い洋服かな?温かい南国の海には青い魚もいるよね。君が持ってる青いものなにがある?」
テーマが赤のページなら、
「赤色って見ているだけでドキドキしてこない?サンタクロースの服も赤くてワクワクするね。闘牛のウシって赤い色に興奮するらしいね?赤色にはどんな秘密があるんだろうね?」
というように、そのテーマから身近なものを連想したり、新しい知識を得られたり、想像力を広げてくれる文章が書かれているのです。
この文章があることで、思考がページを飛び出して、自分の身近なところや想像の世界へと飛び出します。
ページ全体を見て、間違い探しをし、
細かいところを見て、もの探しを楽しみ、
さらにはページを抜け出して、自分の身近にあるテーマに合ったものを探す。
そんな、色んな楽しみ方ができるようになっているのです。
二言まとめ
たくさんの物で作られた写真の中での、歯応えある本格派間違い探しがおもしろい。
見つからなくても、緻密に作り上げられた絵を見ているだけでとても楽しい絵本です。
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