作:ツク之助 出版:こどもプレス
切れても生えてくるトカゲのしっぽ。
でも、初めてしっぽが切れたトカゲくんは、そんなこと言っていられません。
泣きながらしっぽを探す旅に出ます。
あらすじ
ある日、トカゲくんのしっぽが、切れてなくなってしまいました。
トカゲくんは泣きながらしっぽを探しに行きました。
最初に会ったのはネズミさん。
「ぼくのしっぽとったでしょ!」
と聞くと、しっぽを見せてくれました。
ネズミさんのしっぽは形は似ているけれど、ピンク色。
トカゲくんのしっぽは茶色です。
次に会ったのはウサギさん。
「ぼくのしっぽとったでしょ!」
と聞くと、しっぽを見せてくれました。
ウサギさんのしっぽは短くてふわふわ。
トカゲくんのしっぽはもっと長いのです。
さらに行くと、ヘビさんに会いました。
「ぼくのしっぽとったでしょ!」
と聞くと、しっぽを見せてくれましたが、どこからがしっぽかわかりません。
トカゲのしっぽはもっと短いから違います。
今度はイヌさんに会いました。
「ぼくのしっぽとったでしょ!」
と聞くと・・・。
トカゲくんのしっぽは見つかるのでしょうか?
トカゲくんのしっぽを取った犯人とは・・・?
『とかげくんのしっぽ』の素敵なところ
- 生き物たちの特徴的なしっぽの違いをじっくり見る
- ページが進むごとに変化していくトカゲくん
- 意外なところにいるしっぽをとった真犯人
生き物たちの特徴的なしっぽの違いをじっくり見る
この絵本では、トカゲくんがしっぽを探しに、色々な生き物へ会いに行きます。
そこで見せてもらうのが、それぞれの生き物のしっぽ。
自分とのしっぽの違いをじっくり見ていきます。
すると、それぞれのしっぽの特徴がよくわかります。
長さ、形、質感など、普段はなんとなく見ているしっぽが、こんなにも特徴的なんだと気付かされるのです。
また、
ウサギのしっぽは短くふわふわ。
イヌのしっぽはぶんぶん動く。
というように、それを見たトカゲくんの感想から、表現の仕方がわかるのも素敵なところ。
それぞれの違いをわかりやすい言葉で伝えてくれます。
この絵本を見たら、実際に生き物を見た時に、しっぽが気になることでしょう。
ページが進むごとに変化していくトカゲくん
さて、しっぽを探す中で、いろいろな生き物に会っていくトカゲくん。
ページが進み、時間が経っていくことで、自分でも気づかないある変化が起こります。
トカゲくんの体の一部が少しずつ変化していっているのです。
気付いているのは子どもたちだけ。
「あれ!なんか伸びてない!?」
と言いつつ、前のページと見比べ確かめる子どもたち。
「トカゲくん気付いてないじゃん!」
と気付かずに「ぼくのしっぽとったでしょ!」と言い続けるトカゲくんにヤキモキします。
そんな繰り返しの中の変化も、この絵本の楽しいところ。
変化を楽しみつつ、しっぽが切れたトカゲのその後も知ることができるのです。
意外なところにいるしっぽをとった真犯人
そんなこんなで、無事に解決するトカゲくんのしっぽ探しですが、最後まで見ても巻頭でしっぽを取った犯人は見つかりません。
けれど、「おしまい」と絵本を閉じた時に、犯人がわかります。
まさか、こんなところに犯人がいたとは・・・。
トカゲくんが知ることはありませんが、見ている子たちは真犯人がわかりすっきり!
そんな最後のサプライズも、この絵本の素敵なところです。
読む時は、ぜひ本の裏側は見せないように、読み始めてあげて欲しいところです。
二言まとめ
トカゲのしっぽの不思議さをと一緒に、色々な生き物のしっぽのおもしろさも味わえる。
見たら、本物のトカゲを探しに行きたくなってくる絵本です。
コメント
≪…トカゲ…≫から来るファンタジーで、数の言葉ヒフミヨ(1234)を3冊の絵本で・・・
「みどりのトカゲとあかいながしかく」
グラフ(直交座標)の正比例(y=x)と反比例(y=1/x)は、Ψを傾けた(45° π/4)の姿である。 この姿は、ヒョコリ日常に顔を出す。
折り紙を折る繰り返しの無限の操作が、数の言葉(自然数(n))とπ(円周率)を繋げているとか・・・
ながしかく(n×(1/n))たちとトカゲ(自然数(n))の戦いのお話とファンタジーしたい・・・
「こんとん」
ながしかくの中のへこんださんかくとちいさいふくらんださんかくともろはのつるぎがたをこの絵本の国に置き換えてファンタジーすると場面が黒化(国家)する国がある。
「哲学してみる」
有限と無限の対義語が、数の言葉の世界では、どうなるのかなぁ~
絵本紹介ありがとうございます!
どれも知らなかった絵本で、どれも数学とは関係なくおもしろそう。
きっと、コメントを読まずにこれらの絵本と出会っていたら、数学的要素を感じることはなかったと思います。
これらの絵本を読んだ後に、コメントを改めて見返すのが楽しみです!
数学的な視点があると、目に映っているのものの新しい面や、考え方が見えてくるんだなあと、改めて感じました。