作:かがくいひろし 出版:ブロンズ新社
「だ・る・ま・さ・ん・が」のリズムで、転んだり、潰れたりするだるまさん。
そんなユーモラスな動きに、子どもの体も動いてしまう絵本です。
あらすじ
目を閉じて座っているだるまさん。
目をつぶったまま立ち上がり、左右に揺れながら、
「だ・る・ま・さ・ん・が・・・」
「どてっ」っと転んでしまいました。
片目を開けただるまさんが、また左右に揺れ始めます。
「だ・る・ま・さ・ん・が・・・」
「ぷしゅーっ」っと今度はつぶれてしまいます。
両目を開けただるまさん、またまた左右に揺れながら、
「だ・る・ま・さ・ん・が・・・」
「ぷっ」とおなら。
恥ずかしそうな表情のだるまさん、左右に揺れながら、
「だ・る・ま・さ・ん・が・・・」
今度はなにが起こるかな?
『だるまさんが』の素敵なところ
- 一緒に言いたくなる「だ・る・ま・さ・ん・が」のフレーズとリズム
- 転ぶだけじゃないだるまさん
- 毎回違うだるまさんの表情
一緒に言いたくなる「だ・る・ま・さ・ん・が」のフレーズとリズム
この絵本のまず楽しいところは、真似したくなるフレーズと動きでしょう。
「だ・る・ま・さ・ん・が」という、耳馴染みのいいフレーズに合わせ、
「右・左・右・左・右・左」と、だるまさんも体を揺らします。
すると、子どもたちの体も自然と左右に揺れ始めます。
揺れ始めると声も出ます。
一文字ごとに区切りがあるので、リズムもとても合わせやすく、自然とみんなで大合唱。
読み手と聞き手の一体感がとても楽しい絵本です。
転ぶだけじゃないだるまさん
さらに、「だ・る・ま・さ・ん・が」の後も、とってもおもしろい。
だるまさんは転ぶだけではありません。
風船のように潰れたり、おならをしたり、物凄く伸びたり・・・。
この体からは予想もできない動きから、笑えるものまでバリエーション豊かです。
子どもたちも大盛り上がり。
「どてっ」と一緒に転んでみたり、
「ぷしゅーっ」っと床に顔をつけて小さくなってみたり、
おならを見て「くさいくさい」と鼻をつまんでみたり・・・。
だるまさんの動きの全てが楽しくて、自然とリアクションをとってしまいます。
「だ・る・ま・さ・ん・が」というワクワク感からの、爆発力もこの絵本の素敵で楽しいところです。
毎回違うだるまさんの表情
そんな「だ・る・ま・さ・ん・が」の繰り返しがおもしろいこの絵本ですが、その中での変化もおもしろいところです。
それが「だ・る・ま・さ・ん・が」で揺れる時の、だるまさんの表情。
最初は目をつぶっているだるまさん。
でも、「どてっ」っと転ぶと、片目が開きます。
さらに「ぷしゅーっ」と潰れると両目が開き・・・という風に、繰り返しのたびにだるまさんの表情が変化していくのです。
子どもたちも、
両目をつぶっている時は「だるまさん寝てるよ」。
片目を開けると「あ、ちょっと起きた!」。
両目を開け「だるまさん起きたよ!」。
おならの後に踏ん張るような表情を見て「ウンチ出そうなのかな?」。
など、表情の変化から色々なことを想像して楽しみます。
繰り返しの中で、ころころと変わっていく表情の豊かさも、この絵本の魅力的なところです。
二言まとめ
「だ・る・ま・さ・ん・が」のリズムから、だるまさんの予想外過ぎる動きがおもしろい。
最初から最後まで、一緒に言いたくなる、真似したくなる絵本です。
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