たしますよ(4歳~)

絵本

作:内田麟太郎 絵:たごもりのりこ 出版:金の星社

よく知っている生き物の名前。

そんな名前に、一文字足すとあら不思議。

全然違うものに変身してしまいます・・・。

あらすじ

海で元気に泳ぐタイ。

そこに一文字たしますよ。

するとタイコになりました。

タコがタイの太鼓を鳴らします。

今度はイカに一文字足しますよ。

するとスイカになりました。

イカのスイカを鳥がついばみます。

お次はエビに一文字足しますよ。

するとエビスになりました。

エビのエビスがエビでタイを釣っています。

さてさて、シカにも一文字足しますよ。

すると・・・。

『たしますよ』の素敵なところ

  • 一文字足すだけで全然違うものになるおもしろさ
  • こっそり隠れた一文字
  • ページの中に次回予告

一文字足すだけで全然違うものになるおもしろさ

この絵本のなによりおもしろいのが、一文字足して別の言葉に変身させる言葉遊びです。

タイ、イカ、エビなど、誰もが知っている生き物の名前。

それが、一文字足すだけで、全く違うものになってしまいます。

最初は要領を得ない子も、そのおもしろさがわかってくると、ページをめくる前に真剣に考えます。

色んな一文字を足して考えます。

そして、ピタッとはまった一文字が思いついた時には、物凄く嬉しそうな顔。

わからなくても、答えを聞いて「あー!それかー!」とスッキリ顔。

知的好奇心をとても刺激されているようでした。

そして、このおもしろさがわかってくると、他の言葉も探してみたくなってきます。

絵本の中だけでなく、身近な言葉への興味をより広げてくれるのも、この絵本の素敵なところなのです。

こっそり隠れた一文字

そんな風に、足す一文字を真剣に考える子どもたちですが、実はその一文字がページの中に隠れています。

これもまたこの絵本のおもしろいところです。

簡単に見つかるものもあれば、どこに隠れているのかわからないものまで、その難易度は様々。

波の一部が「こ」っぽくなっていたり、イカの足をカニが挟んでいるのが「す」っぽくなっていたり。

考えながらページを見ていると、「あれ?」っとある時気付きます。

「あそこに文字がある・・・」

その文字を足してみるとあら不思議。

違う言葉になってしまいます。

気付くと他のページも気になりだし、戻ってみてみると全部のページに文字が隠されていることを発見。

言葉遊びと一緒に、文字探しが楽しめるのも、ひらがなが読めるようになった子には、とても楽しいところになっているのです。

ページの中に次回予告

また、隠されているのはひらがなだけではありません。

実は、次に出てくる生き物も、ページの中に描かれているのです。

堂々といるものから、こっそりといるものまで様々。

読み返してみると「あ!ここにいる!」と気付いたりします。

中には中々見つからないものもあり「いると思うんだけどな~」と頭を悩ませる場面も。

このように他のページから予想して探す楽しさ、見つける達成感が味わえるのも、この絵本の素敵なところです。

二言まとめ

よく知っている生き物に、一文字足すだけで全然違う名前になる、不思議さやおもしろさが味わえる。

言葉遊びだけではなく、隠れた文字探しや生き物探しも楽しい言葉遊び絵本です。

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