作:内田麟太郎 絵:たごもりのりこ 出版:金の星社
よく知っている生き物の名前。
そんな名前に、一文字足すとあら不思議。
全然違うものに変身してしまいます・・・。
あらすじ
海で元気に泳ぐタイ。
そこに一文字たしますよ。
するとタイコになりました。
タコがタイの太鼓を鳴らします。
今度はイカに一文字足しますよ。
するとスイカになりました。
イカのスイカを鳥がついばみます。
お次はエビに一文字足しますよ。
するとエビスになりました。
エビのエビスがエビでタイを釣っています。
さてさて、シカにも一文字足しますよ。
すると・・・。
『たしますよ』の素敵なところ
- 一文字足すだけで全然違うものになるおもしろさ
- こっそり隠れた一文字
- ページの中に次回予告
一文字足すだけで全然違うものになるおもしろさ
この絵本のなによりおもしろいのが、一文字足して別の言葉に変身させる言葉遊びです。
タイ、イカ、エビなど、誰もが知っている生き物の名前。
それが、一文字足すだけで、全く違うものになってしまいます。
最初は要領を得ない子も、そのおもしろさがわかってくると、ページをめくる前に真剣に考えます。
色んな一文字を足して考えます。
そして、ピタッとはまった一文字が思いついた時には、物凄く嬉しそうな顔。
わからなくても、答えを聞いて「あー!それかー!」とスッキリ顔。
知的好奇心をとても刺激されているようでした。
そして、このおもしろさがわかってくると、他の言葉も探してみたくなってきます。
絵本の中だけでなく、身近な言葉への興味をより広げてくれるのも、この絵本の素敵なところなのです。
こっそり隠れた一文字
そんな風に、足す一文字を真剣に考える子どもたちですが、実はその一文字がページの中に隠れています。
これもまたこの絵本のおもしろいところです。
簡単に見つかるものもあれば、どこに隠れているのかわからないものまで、その難易度は様々。
波の一部が「こ」っぽくなっていたり、イカの足をカニが挟んでいるのが「す」っぽくなっていたり。
考えながらページを見ていると、「あれ?」っとある時気付きます。
「あそこに文字がある・・・」
その文字を足してみるとあら不思議。
違う言葉になってしまいます。
気付くと他のページも気になりだし、戻ってみてみると全部のページに文字が隠されていることを発見。
言葉遊びと一緒に、文字探しが楽しめるのも、ひらがなが読めるようになった子には、とても楽しいところになっているのです。
ページの中に次回予告
また、隠されているのはひらがなだけではありません。
実は、次に出てくる生き物も、ページの中に描かれているのです。
堂々といるものから、こっそりといるものまで様々。
読み返してみると「あ!ここにいる!」と気付いたりします。
中には中々見つからないものもあり「いると思うんだけどな~」と頭を悩ませる場面も。
このように他のページから予想して探す楽しさ、見つける達成感が味わえるのも、この絵本の素敵なところです。
二言まとめ
よく知っている生き物に、一文字足すだけで全然違う名前になる、不思議さやおもしろさが味わえる。
言葉遊びだけではなく、隠れた文字探しや生き物探しも楽しい言葉遊び絵本です。
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