作:高部晴市 出版:イースト・プレス
なんにも考えずに笑える絵本が欲しい時。
そんな時はこの絵本。
子どもの大好きな笑いがここに集約しています。
あらすじ
なんでも屋のニャントさんは、日が沈むころに小さな村にやってきました。
でも、村は静かで誰も出てきません。
ニャントさんが村を歩いていくと、誰かに声をかけられました。
それは3人の村の子どもたちでした。
3人はニャントさんを小屋の中に引っ張っていきました。
子どもたちが言うには、みんな妖怪が来て食べられてしまったというのです。
そして、今夜残った3人を食べに村にやってくると。
ニャントさんは3人を助ける約束をしました。
その夜、家よりも大きな妖怪が現れました。
段々とニャントさんがいる小屋へ近づいてきます。
すると、ニャントさんはカバンの中からすりこぎとすりばちを取り出しました。
その中に、イモ、クリ、アズキを入れて潰していきます。
最後にビンに入った赤い粉を入れました。
なんとそれを子どもたちと自分の口に放り込み飲み込んだのです。
その後、お腹をぐるぐる30回さすります。
さすっている内、みんなの様子がなんだかおかしくなってきました。
なんだかみんな苦しそう。
ニャントさんの作ったものはなんだったのでしょう。
こんな調子で妖怪を倒すことは出来るのでしょうか。
『ニャントさん』の素敵なところ
- ニャントさんの大人な反応
- オチにつなげる大爆笑への溜め
- そして大爆笑のオチ
ニャントさんは猫の姿をしていますが、反応が割と社会人です。
子どもたちに妖怪が出ると言われれば、まずは疑います。
語尾にニャーがよくつきますが、なぜかかわいくありません。
顔も猫なのに全然かわいくありません。
でも、そこがニャントさんの魅力。
飄々とちょっとふざけつつ事件を解決していくのです。
そして、この絵本最大の魅力が子どもたちが大爆笑間違いなしのオチです。
妖怪が近づいてきたときにはドキドキで怖がる子もいます。
友だちと身を寄せ合う子もいます。
しかし、お腹をさすった後からはクスクス笑い出します。
絶妙に文章の中に入ってくる擬音に思わず吹き出す子もいます。
オチが読めて笑いをこらえきれない子もいます。
オチはすぐに読めるのに、そこへのもっていきかたが本当に上手です。
子どもたちの大爆笑へのカウントダウンが聞こえてきます。
そして、ついに最後のオチ。
どでかいのをかましてきます!
もう、子どもたちは大爆笑!!!
終わった後は口々に「もう一回みたい!」「おもしろかったー!」と大満足。
やっぱり、
子どもはこういうのが好きですね。
読んだら大爆笑間違いなしの、明るい気持ちにしたい時に読みたい絵本です。
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