作:小西英子 出版:福音館書店
子どもにも大人も大好きな麺類。
そんな麺類を、質感からスープの色合いまでリアルに描いた絵本です。
さあ、お店に入り注文していきましょう。
あらすじ
今日はうどんを食べるため、うどん屋さんに入ります。
ふっくらしたお揚げが乗った、きつねうどん。
サクサクの天かす、たぬきうどん。
まん丸卵の月見うどん。
えび天の乗った、グツグツ煮立つ鍋焼きうどんも美味しそう。
氷が浮かぶ、冷たいおろしうどんもいいかもしれない。
他にも、わかめうどん、肉うどん、カレーうどん。
色んなうどんが置いてある。
どれにする?
今日はスパゲッティを食べるため、イタリアンのお店に入ります。
ウィンナーの入った定番の、ナポリタン。
粉チーズのたっぷりかかったミートソース。
濃厚ソースに半熟卵のカルボナーラ。
タケノコや菜の花が入った和風スパゲッティもいいかもしれない。
明太子スパゲッティも忘れずに。
他にも、ボンゴレ、いかすみ、ペペロンチーノ。
色んなスパゲッティが置いてある。
どれにする?
今日はそばを食べるため、蕎麦屋さんに入ります。
どんなそばが並んでいるのかな?
『めんたべよう!』の素敵なところ
- 本物そっくり過ぎてよだれが出てくるメニューたち
- 好きなメニューがきっと見つかる豊富な品揃え
- お店に入ってメニューを注文している気分になれる作り
本物そっくり過ぎてよだれが出てくるメニューたち
この絵本のなんと言っても一番の魅力は、出てくるメニューのリアルさでしょう。
目の前に本物が出てきたのかと思えるくらいのリアルさです。
具や麺の質感はもちろんのこと、出汁の透き通った色合い、ラーメンの油感などまで完全再現。
もう、箸を持ってすすりたくなってきます。
さらには、鍋焼きうどんのグツグツ感や、ボンゴレスパゲッティの貝殻にたまった濃厚そうな汁、バターの溶けだしている感じなど、美味しそうに見えるポイントが見事に抑えられています。
まさに、出来たてが目の前に置かれているような臨場感。
この臨場感は、きっと絵だからこそ表現できたものだと思います。
そんなメニューたちを見て、お腹が空かないはずがありません。
ページをめくるたび、
「これ美味しいよねー!」
「お揚げ食べたーい!」
「私これにする!」
と、うっとりしながら言っている子どもたち。
その表情はよだれが溢れだしそうでした。
この本能で美味しさを感じられるほど、リアルで美味しそうな絵は、この絵本のなにより素敵なところです。
好きなメニューがきっと見つかる豊富な品揃え
また、そんな食欲をさらに刺激してくれるのが、豊富な品揃えでしょう。
そもそも、うどん屋、イタリアン、蕎麦屋、ラーメン屋と、4つのお店に行く時点で選択肢が豊富です。
さらには、そのお店一つ一つのメニューも盛りだくさん。
定番メニューは外さずに、少し通好みなメニューも出てくるのがすごい。
中々、ボンゴレやいかすみスパゲッティ、おろしうどん、かも南蛮などは、絵本に出てこないでしょう。
これだけの豊富なメニューのを見れば、絶対に好きなものが見つかります。
また、好きなものが見つかるだけじゃなく、知らなかったメニューを食べてもみたくなってきます。
「これどんな味なんだろう?」
「お肉が乗ってて美味しそう!」
など、この絵本が店前の見本の代わりのようになり、次に行った時、冒険してみたくなるのです。
メニューが豊富なことにより、よく知った味を思い出す楽しさと同時に、新しいメニューへの食欲を刺激してくれるところも、この絵本の素敵なところです。
お店に入ってメニューを注文している気分になれる作り
さて、本物そっくりなメニューが、種類豊富に出てくるこの絵本。
あらすじの中だと、食べ物図鑑のように見えるかもしれませんが、そんなことはありません。
お店に入り、色々なメニューの中から食べたいものを選び、注文するという、実際に食べに行っている気分になれるような作りとなっているのです。
それはまるで、ごっこ遊びのよう。
お店に入ると、
「うどん屋さん、この前行ったよ!」
「なににしようかな~♪」
と本当お店に入るような気分の子どもたち。
メニューを順番に見ていくと、
「これにする!」
「これも美味しそうだけど、さっきのもいいよね~」
と豊富なメニューに悩みます。
そして、「いろいろあるよ。どれにする?」の決まり文句で、自分の頼むメニューを決めるのです。
この一連の流れが、まさに参加型の絵本という感じでおもしろい。
子どもたちの言葉や感想、前のめりの姿勢が止まりません。
そんな、わいわいがやがや、本当にお店に来ているような賑やかさで楽しめるのも、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
本物そっくりでとても美味しそうなメニューの数々に、お腹が空いてよだれが出てくる。
読めばさっそく、お店に出かけ本当に注文したくなる絵本です。
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