作:彦坂有紀・もりといずみ 出版:講談社
大好きな乗り物と、大好きなクッキーが合体!
まさに2度おいしい絵本です。
かわいい乗り物たちを召し上がれ。
あらすじ
最初に「プップ~」と走って来たのは、車のクッキー。
次に「プシュー」と走って来たのは、バスのクッキー。
「ピーポーピーポー」と急いでいるのは、救急車のクッキーで、
「ガガガガガガガガ」と大きな音をさせるのは、ショベルカーのクッキーです。
そこへ「ガタンゴトン」と走ってくる、電車のクッキー。
さらにスピードを出し「ビューン」と来るのは、新幹線のクッキーでした。
そんな新幹線の後に来るのは「パカラパカラ」・・・。
少し毛色の違う乗り物です。
まだまだ出てくる乗り物クッキー次はなにかな?
『のりものクッキー』の素敵なところ
- 次々出てくる乗り物に大興奮
- 見るのと食べるのに大忙し
- クッキーらしい絵本の終わり
次々出てくる乗り物に大興奮
この絵本のまず楽しいところは、次々に大好きな乗り物が出てくるところでしょう。
1ページに1つずつ、特徴的な音とともに、乗り物クッキーが登場します。
これには乗り物好きを中心に大興奮。
「くるま!」
「ピーポーピーポーだよ!」
「ショベルカー!!」
などなど、車の名前を叫んだり、音を真似したり、指さしたりと大忙し。
特に、新幹線や救急車などは、まるでヒーローを迎えるような盛り上がり方をしていました。
クッキーだろうとなんだろうと、まずは大好きな乗り物が次々出てくるだけで楽しめる。
これが、この絵本含め、乗り物絵本の素敵なところです。
見るのと食べるのに大忙し
もちろん、それだけでは他の乗り物絵本と変わりません。
この絵本ならではのおもしろいところがもちろんあります。
それが、クッキーでできているということ。
これがなんとも美味しそうで、ページを見ているだけでサクサク感が伝わってきます。
思わずかじりつきたくなってしまう。
これが乗り物と組合わせると、おもしろいことが起こります。
乗り物を見たい気持ちと、クッキーを食べたい気持ちが同時に襲ってくるのです。
「新幹線!」と言いつつ「パクッ」。
「ピーポーピーポー」と言いながら、隣の子に負けじと急いで「パクッ」。
見るのと食べるのを同時進行しなくてはいけないので忙しい。
結果、両方頑張る子と、ひたすら食べる子にわかれていました。
この個性が出る幸せな忙しさは、乗り物がクッキーになっているからこそだと思います。
クッキーらしい絵本の終わり
さて、そんな幸せで忙しい絵本の終わりは、なんともクッキーらしいものでした。
クッキーなので、もちろん見て終わりではありません。
食べるところまでセットです。
そして、クッキーがかじられる様子がなんともリアル。
脳内で「サクッ」という気持ちのいい音が再生されるくらいです。
これまでは食べる真似でしたが、絵本の中で本当にかじられ砕けるクッキー。
それを見ていると、より食べた気分にさせられます。
子どもたちも、ここぞとばかりに両手で口に頬張ります。
「サクサク!」
「あまーい!」
と、どうやら音だけでなく、味も自動再生されているようでした。
美味しそうなクッキーを見るだけでなく、きちんと食べさせてくれるのも、この絵本のとても楽しくて素敵で美味しいところです。
二言まとめ
かっこいい乗り物と、美味しいクッキーが合体するという幸せ過ぎる、
見ても、食べても美味しいという、まさに2度楽しく、2度美味しい絵本です。
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