作・絵:みやにしたつや 出版:ポプラ社
はらぺこヘビくんが、美味しそうな食べ物を見つけました。
リンゴ、バナナ、おにぎりなどなど。
でも、ヘビくんの食べ方は・・・全部丸呑み!?
あらすじ
はらぺこヘビくんがお散歩しています。
すると、まんまるなリンゴを見つけました。
はらぺこヘビくんは・・・
「ごっくん!」と丸呑みし、お腹の形がまんまるになりました。
次の日も、はらぺこヘビくんはお散歩をしていました。
すると、一本のバナナを見つけます。
はらぺこヘビくんは・・・
「ごっくん!」と丸呑みし、お腹の形は三日月形になりました。
次の日も、はらぺこヘビくんはお散歩をしています。
すると、おにぎりを見つけました。
はらぺこヘビくんは・・・
「ごっくん!」と丸呑みし、お腹が三角になりました。
次の日も、はらぺこヘビくんが散歩をしていると・・・。
『はらぺこヘビくん』の素敵なところ
- なんでも丸呑みしてしまうヘビくん
- 安心感のある繰り返し
- 「絶対無理!」な最後の場面
なんでも丸呑みしてしまうヘビくん
この絵本のなによりおもしろいところは、ヘビくんが色々な食べ物を丸呑みしていくところでしょう。
リンゴやバナナだけじゃなく、丸呑みしたら痛そうなパイナップルなど、なんでも丸呑みしてしまいます。
子どもたちも、
「口に入るの!?」
「絶対痛いよ!」
「そのまま!?」
など、驚きながら大笑いしていました。
さらにおもしろいのが、丸呑みした後のヘビくんの体。
食べたものと同じ形に、お腹が膨らんでいるのです。
丸くなったり、三角になったり、果てはへたつきのパイナップルの形になったり。
この単純なおもしろさと驚きが、この絵本のとてもおもしろく、子どもたちを夢中にするところです。
安心感のある繰り返し
また、このおもしろさの根っこは、安心できる繰り返しにあります。
「はらぺこヘビくん、どうしたと思う?」からページをめくり「ごっくん!あーおいしかった。」と丸呑みをする繰り返し。
これによって、「あんなの食べられるのかな?」「あー!食べちゃうよ!」というワクワク感と、
「ほんとに食べちゃった!」「お腹痛くないのかな?」と期待通り食べてくれるおもしろさが味わえるのです。
そして、「次はなんの食べ物が出てくるんだろう?」「どんな形になるんだろう?」という楽しみに繋がります。
短くわかりやすい繰り返しの中で、小さな子でも最後までワクワク感を持って楽しむことができ、小さい子から大きい子まで、幅広く楽しめます。
この安心できる繰り返しの中での、シンプルな期待感と驚きも、この絵本のとても楽しいところです。
「絶対無理!」な最後の場面
さて、そんな食べることが前提として進んでいく物語ですが、最後にとんでもないものが待っています。
これにはさすがに、
「これは食べられないでしょ!」
「お腹破れちゃうよ!」
「口こんなに大きくないよ!」
と、初めて無理だと言う声が飛び交います。
確かに物理的にも無理そうです。
けれど、これまでで一番大きな口を開けるはらぺこヘビくん。
見ている子どもたちも、笑うのも忘れ釘付けです。
そして・・・。
この最後の場面は、物語的にも、視覚的にも中々衝撃的なものでした。
子どもたちも、驚きを隠せません。
このヘビくんの、底力を見せつけられる、衝撃的過ぎる最後の場面も、この絵本のとてもおもしろいところです。
二言まとめ
なんでも丸呑みにするヘビくんの、食べた後のお腹の形がおもしろい。
衝撃的過ぎる最後に、本当になんでも食べられることを思い知らされる絵本です。
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