でんしゃにのったよ(3歳~)

絵本

作:岡本雄司 出版:福音館書店

電車の好きな子にとって、電車の旅は憧れです。

いくつも電車を乗り換えて、お弁当を食べ、景色を見る。

そんな憧れの旅が体験できる絵本です。

あらすじ

男の子は、お母さんと一緒に電車の駅に来ていた。

これから電車に乗って、従弟の家に遊びに行くから。

さっそく電車に乗り込むと、電車は田舎町を走って行く。

電車は赤い二両編成。

一番前の席に乗り、景色を眺める。

乗換駅に着き、今度はオレンジ色の電車に乗り換えた。

今度の電車は4両編成。

鉄橋を渡り、貨物列車とすれ違い、景色はビルのある都会の町並みへと移り変わっていく。

次の乗換駅で降り、お弁当を買って電車のホームへ。

次に乗るのは新幹線。

ホームに到着した新幹線は大迫力でかっこいい。

新幹線が走り出し、車内でお弁当を食べたり、景色を見たり、飲み物を買ったり・・・。

さて、新幹線の終点は?

『でんしゃにのったよ』の素敵なところ

  • 本物そっくりな電車の旅
  • ローカル線から新幹線まで色んな電車を見て乗れる
  • 終点にも楽しみが盛りだくさん

本物そっくりな電車の旅

この絵本のなにより楽しいところは、本物そっくりの電車に乗り、本物そっくりの旅を楽しめるところでしょう。

電車は連結器や、車輪、錆び感など細部まで描かれ、実際にその土地で走っている電車そのもの。

まるで図鑑から飛び出してきたみたいです。

さらに、乗っている乗客も、田舎のローカル線はまばらで、都会に近づくにつれ増えていったり、

車内で本を読む人、眠る人、大きな荷物を持った人など、それぞれの人が生きている感じがします。

見ていると、田舎に帰省する時や、帰ってくる時の感覚になるのです。

これらが、電車だけじゃなく、旅も本物そっくりに感じさせてくれているのでしょう。

また、電車に乗っている時だけじゃなく、電車と電車の間もしっかり描かれているのも大切なところだと思います。

乗り換えの時に、隣のホームの電車に乗り込む場面や、

新幹線に乗り換える時、階段を降り、改札を通り、弁当を買い、改札を通り、階段を登り、ホームに行くという、場面を全てのせていたり・・・。

そんな旅の中に絶対あるけれど、省かれがちな部分も丁寧に描かれているのです。

きっと、これらが組み合わさって、本当に旅をしている気分になるのでしょう。

この、絵本すべてに本物感があり、それを見ている人が味わえて、本当に電車に乗り旅をしている感覚になれるのが、この絵本のとても素敵なところです。

ローカル線から新幹線まで色んな電車を見て乗れる

さて、この楽しい電車の旅の中では、たくさんの電車に乗ることができます。

ローカル線から、新幹線まで2回乗り換え、電車の旅を楽しめます。

けれど、それだけではありません。

自分が乗る電車の他にも、本物そっくりのかっこいい電車がたくさん登場するのです。

すれ違う貨物列車や、駅に停車している電車や新幹線など、見れば見るほど色々な電車が見つかります。

さらには、景色を眺めると、宅配車や、ミキサー車、スポーツカーなど、電車以外の乗り物を見つけることもできるのです。

乗り物好きにはたまらないことでしょう。

自分の乗る電車だけじゃなく、色々な本物そっくりの電車や乗り物をみることができるのも、この絵本の素敵なところです。

終点にも楽しみが盛りだくさん

こうして、電車の旅も終点へと到着します。

しかし、この終点での最後の場面に、乗り物好きが大興奮するお楽しみが待っていました。

到着したのはあの有名なターミナル駅です。

そこには、ところ狭しと電車や新幹線が並んでいます。

その姿はまさに圧巻。

「新幹線!」

「のぞみだ!」

「かがやきもある!」

と、思わず子どもたちが叫び出すほど。

たくさん並ぶ新幹線を見て、条件反射のように喜んでしまいます。

他にも在来線が走っていたりと、身近な電車も盛りだくさん。

物語の終わりの終点にして、まさかこんなにたくさんの電車を見られるとは。

最後の最後で、電車好きに嬉しいサプライズがあり、電車探しに夢中で、中々最後のページをめくれないのも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

本物そっくりな電車の描写と、本物そっくりな旅の情景に、本当に電車旅をしている気分に浸れる。

電車の旅ならではの、色んなロケーションや、楽しみが詰った電車絵本です。

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