作:たあ先生 文:あいはらひろゆき 絵:ちゅうがんじたかむ 出版:KADOKAWA
くっついてくしゃみをさせる、くしゃ虫君。
色々な動物のところへ飛んでいきます。
動物たちはくしゃみの勢いがすごすぎて・・・。
あらすじ
いたずら好きのくしゃむしくんは、くっついた相手にくしゃみをさせます。
まずはウサギのところに飛んでいき、鼻にとまると・・・
ひっひっひくしょーん
と大きなくしゃみ。
その勢いで、耳がびよーんと伸び、飛んでいってしまいました。
次に、ワニの鼻にとまったくしゃむしくん。
するとワニも・・・
ひっひっひくしょーん
と大きなくしゃみ。
その勢いで、自慢の歯が飛んでいってしまいました。
次に飛んでいったのはカバの鼻。
くしゃむしくんが鼻にとまると・・・
ひっひっひくしょーん
カバは一体どうなってしまうでしょう?
『ひっひっひくしょーん』の素敵なところ
- 一緒に言いたくなる「ひっひっひくしょーん」
- 思い切りのよすぎるリアクション
- 遊びに繋がるくしゃむしくん
一緒に言いたくなる「ひっひっひくしょーん」
この絵本のまず楽しいところは、思いっきり出る「ひっひっひくしょーん」というくしゃみでしょう。
ちょっとずつ大きくなる「ひっひっひっ」の文字や、動物たちの鼻がむずむずしている表情から、今にもくしゃみが出そうなのが伝わります。
そこからのページをめくって「ひっくしょーん」。
もう、一緒に真似せずにはいられません。
いまかいまかと、ページめくりを待つ子どもたちの顔。
どれだけ大きく「ひっくしょーん」を言えるか競うかのような声。
みんな全力でくしゃみを楽しんでいます。
普段のくしゃみをした時に「口を押えて」など、色々言われがちな鬱憤を、ここぞとばかり発散します。
なにより、単純に音と勢いが気持ちいい。
小さい子から、大きい子まで、真似して一緒に「ひっくしょーん」と言いたくなる楽しさが、この絵本のとても楽しいところです。
思い切りのよすぎるリアクション
また、「ひっくしょーん」の後の、リアクションがおもしろすぎるのも、この絵本に欠かせないところです。
ウサギだったら耳が伸び、ワニなら歯が飛んでいく・・・など、くしゃみの勢いでとんでもないことが起こります。
これがくしゃみの勢いと、絵の勢いが相まって、ものすごく爽快でおもしろい。
耳は想像の5倍くらいのびるし、歯は想像の3倍くらい飛んでいきます。
その動物らしさを残しつつ、見ている人の予想を斜め上に超えてくるのです。
これは子どもたちも、
「耳伸びるのー!?」
「歯が飛んでった!!!」
「くしゃみ強すぎない!?」
と大爆笑。
「ひっくしょーん」が出るたびに、お腹を抱えて笑うのでした。
この、予想を斜め上に超えた、くしゃみに負けない勢いがあり過ぎるリアクションも、この絵本のとても楽しいところです。
遊びに繋がるくしゃむしくん
さて、こんな風に、読んでいると確実に盛り上がる楽しい絵本ですが、それだけではありません。
読み終わった後も、遊びに繋がってしまうのがまたおもしろいところ。
読んだ後にくしゃみをすると、「くしゃむしくんついてるんじゃない?」という言葉が出たりします。
するとそこから、
「あ!背中についてる!」
頭のてっぺんについてるよ!」
と、イメージ遊びに繋がったり、繋がらなかったり。
小さい子だと、大人がくしゃむしくんのまねをして、指で「ちくっ」とやるなど、触れ合い遊びに繋がったりします。
そんな風に、これまでただのくしゃみだったのが、この絵本を読むとくしゃむしくんの仕業に思えてくるのです。
普段の生活へ、自然にイメージの世界をプラスしてくれる。
しかもそれが、イメージ遊びに繋がりやすいのも、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
思いっきりくしゃみが出来る爽快感と、思い切りのよすぎる動物たちのリアクションがたまらな楽しい。
なんだかいつものくしゃみも、くしゃむしくんがやっているんじゃないかと思えてくる絵本です。
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