クリスマスにはおくりもの(3歳~)

絵本

作:五味太郎 出版:絵本館

プレゼントを配りに行ったサンタさん。

でも、靴下の中には、サンタさんへのプレゼントが。

サンタさんも女の子も、プレゼントを開けてにっこりです。

あらすじ

クリスマスのイブの夜。

女の子が靴下を吊るして眠ります。

すると、真夜中にサンタクロースがやってきて、靴下の中にプレゼントを・・・

入れようとしましたが、何か入っています。

それはなんと、サンタさんへのプレゼント。

女の子へのプレゼントは靴下へ入れ、自分へのプレゼントは大事に持って家に帰るサンタさん。

実はちょっとそんな気がしていたので吊るしておいた、自分の靴下へプレゼントを入れて眠ります。

開けちゃおうかと思いましたが、我慢して眠ります。

そして、朝。

サンタさんのプレゼントの中には靴下が。

女の子のプレゼントには革靴が。

2人はさっそくもらったものを身につけて・・・。

『クリスマスにはおくりもの』の素敵なところ

  • サンタさんとの優しいプレゼント交換
  • 子どもみたいなかわいいサンタさん
  • サンタさんと女の子の意外な接点

サンタさんとの優しいプレゼント交換

この絵本の素敵なところは、サンタさんとのプレゼント交換でしょう。

いつも通りプレゼントを配りに来たサンタさん。

ですが、靴下にはすでに別のものが。

プレゼントを贈りに来たのに、反対にプレゼントをもらってしまいます。

この優しくて嬉しいサプライズがなんとも素敵。

もらったサンタさんはとても嬉しそうで、帰り道はスキップしているようにも見えます。

その姿に、子どもたちも「サンタさん嬉しそう♪」と自然と笑顔に。

そんなサンタさんの姿を見ていると、プレゼントをもらう楽しみだけじゃなく、プレゼントを贈る楽しみにも気付かされます。

「サンタさんになにかお返しできないか?」

そんなことを自然と考えさせられるのです。

子どもみたいなかわいいサンタさん

また、プレゼントをもらった後のサンタさんが、とてもかわいいのも素敵なところ。

笑顔が止まらず、子どものようにプレゼントを喜ぶのです。

特に、家に帰ってすぐには開けず、クリスマスのプレゼントだからと、自分の靴下に入れ、朝まで開けるのを我慢する姿は、目一杯クリスマスを楽しんでいるのが感じられます。

ベッドに入り「贈り物なんだろう。開けちゃおうかなとも思いましたが、朝が来るまで我慢します」

朝起きてプレゼントを開けた時「やった!やった!いいものもらった。こんないいものとは思わなかったぞ」

など、セリフや仕草からも、子どもらしい素直さがにじみでていて、プレゼントをもらった嬉しさや、箱を開けるワクワク感が伝わってくるのです。

この威厳あるサンタさんが、プレゼントをもらった瞬間子どものように変わる、かわいいギャップも、この絵本のとても素敵なところです。

サンタさんと女の子の意外な接点

さて、こうしてプレゼントを開けたサンタさんと女の子。

でも、物語はもう少し続きます。

二人とも、もらったものを身につけ、同じ場所に向かいます。

そこは、クリスマスにふさわしい場所。

そこで、おじいさんと女の子が知り合いだということに気付きます。

もちろん女の子はその正体に気付いていません。

この身近なおじいさんがサンタさんだという秘密がなんとも素敵。

「自分の身近にもサンタクロースがいるのでは?」

と思わせてくれるのです。

サンタさんとの距離が遠いような近いような、不思議な距離感がこの絵本ならではの、魅力だと思います。

二言まとめ

サンタさんへのプレゼントというサプライズに、子どものように喜ぶサンタさんの姿がかわいい。

サンタさんと女の子の、お互いを思いやる気持ちが、絵本全体から伝わってくる温かくて優しいクリスマス絵本です。

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