作:五味太郎 出版:絵本館
プレゼントを配りに行ったサンタさん。
でも、靴下の中には、サンタさんへのプレゼントが。
サンタさんも女の子も、プレゼントを開けてにっこりです。
あらすじ
クリスマスのイブの夜。
女の子が靴下を吊るして眠ります。
すると、真夜中にサンタクロースがやってきて、靴下の中にプレゼントを・・・
入れようとしましたが、何か入っています。
それはなんと、サンタさんへのプレゼント。
女の子へのプレゼントは靴下へ入れ、自分へのプレゼントは大事に持って家に帰るサンタさん。
実はちょっとそんな気がしていたので吊るしておいた、自分の靴下へプレゼントを入れて眠ります。
開けちゃおうかと思いましたが、我慢して眠ります。
そして、朝。
サンタさんのプレゼントの中には靴下が。
女の子のプレゼントには革靴が。
2人はさっそくもらったものを身につけて・・・。
『クリスマスにはおくりもの』の素敵なところ
- サンタさんとの優しいプレゼント交換
- 子どもみたいなかわいいサンタさん
- サンタさんと女の子の意外な接点
サンタさんとの優しいプレゼント交換
この絵本の素敵なところは、サンタさんとのプレゼント交換でしょう。
いつも通りプレゼントを配りに来たサンタさん。
ですが、靴下にはすでに別のものが。
プレゼントを贈りに来たのに、反対にプレゼントをもらってしまいます。
この優しくて嬉しいサプライズがなんとも素敵。
もらったサンタさんはとても嬉しそうで、帰り道はスキップしているようにも見えます。
その姿に、子どもたちも「サンタさん嬉しそう♪」と自然と笑顔に。
そんなサンタさんの姿を見ていると、プレゼントをもらう楽しみだけじゃなく、プレゼントを贈る楽しみにも気付かされます。
「サンタさんになにかお返しできないか?」
そんなことを自然と考えさせられるのです。
子どもみたいなかわいいサンタさん
また、プレゼントをもらった後のサンタさんが、とてもかわいいのも素敵なところ。
笑顔が止まらず、子どものようにプレゼントを喜ぶのです。
特に、家に帰ってすぐには開けず、クリスマスのプレゼントだからと、自分の靴下に入れ、朝まで開けるのを我慢する姿は、目一杯クリスマスを楽しんでいるのが感じられます。
ベッドに入り「贈り物なんだろう。開けちゃおうかなとも思いましたが、朝が来るまで我慢します」
朝起きてプレゼントを開けた時「やった!やった!いいものもらった。こんないいものとは思わなかったぞ」
など、セリフや仕草からも、子どもらしい素直さがにじみでていて、プレゼントをもらった嬉しさや、箱を開けるワクワク感が伝わってくるのです。
この威厳あるサンタさんが、プレゼントをもらった瞬間子どものように変わる、かわいいギャップも、この絵本のとても素敵なところです。
サンタさんと女の子の意外な接点
さて、こうしてプレゼントを開けたサンタさんと女の子。
でも、物語はもう少し続きます。
二人とも、もらったものを身につけ、同じ場所に向かいます。
そこは、クリスマスにふさわしい場所。
そこで、おじいさんと女の子が知り合いだということに気付きます。
もちろん女の子はその正体に気付いていません。
この身近なおじいさんがサンタさんだという秘密がなんとも素敵。
「自分の身近にもサンタクロースがいるのでは?」
と思わせてくれるのです。
サンタさんとの距離が遠いような近いような、不思議な距離感がこの絵本ならではの、魅力だと思います。
二言まとめ
サンタさんへのプレゼントというサプライズに、子どものように喜ぶサンタさんの姿がかわいい。
サンタさんと女の子の、お互いを思いやる気持ちが、絵本全体から伝わってくる温かくて優しいクリスマス絵本です。
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