ピヨピヨメリークリスマス(2歳~)

絵本

作:工藤ノリコ 出版:校正出版社

今日はクリスマスイブ。

ニワトリの一家が、クリスマスの準備をします。

ごちそうにプレゼント。

クリスマスの「楽しい」がすべて詰まったお話です。

あらすじ

クリスマスイブの日。

ヒヨコの5人兄弟が、クリスマスの飾りつけをしています。

そんな中、お母さんと買い物に行くことになりました。

今日買い物に来たのは市場。

市場はクリスマスの商品とお客さんでいっぱいです。

でも、子どもたちには心配なことが。

それは、サンタさんが来てくれるかということ。

お母さんが、いい子のところには来るというので、ヒヨコたちは空に向かって「いい子にしているから来てください」とお祈りします。

その間に、お母さんは一足先に帰ります。

ヒヨコたちがお祈りしていると、それを見つけたのが仕事帰りのお父さん。

ヒヨコたちは、お父さんと家に帰ってきました。

家に帰ると、お母さんがクリスマスのごちそうを準備しています。

ヒヨコたちは、お父さんとお風呂に入ることになりました。

そして、お風呂から上がり、部屋の飾りつけが終わったころ、お母さんのクリスマスケーキが完成。

いよいよクリスマスパーティーの始まりです。

テーブルの上にはたくさんのごちそう。

ヒヨコたちは大喜びです。

こうして夜も更けて、子どもたちは寝る時間に。

朝を迎えて子どもたちが起きると・・・。

『ピヨピヨメリークリスマス』の素敵なところ

  • 家族で過ごすクリスマスの「楽しい」が全部詰っている
  • 子どもにとってなにより楽しみかつ、不安な「サンタさん来てくれるかな」
  • 子どもにとって嬉しすぎるサプライズ

家族で過ごすクリスマスの「楽しい」が全部詰っている

この絵本のとても素敵なところは、家族で過ごすクリスマスの「楽しい」が詰っていることでしょう。

友だちを呼んで、ド派手なパーティーをするわけではありません。

ビックリするほど大きなケーキや、レストランのようなごちそうが並ぶわけでもありません。

そんな驚きなどはないけれど、家族での愛がこもったクリスマスが描かれます。

それがとても温かくて素敵なのです。

折り紙を切って、輪飾りや、星飾りを作り、夕飯のための買い物に出かけます。

家に帰れば、お母さんがケーキとごちそうを作ってくれ、その間に、お父さんとお風呂に入る。

飾りつけ担当のお父さんと子どもたちに、ごちそう担当のお母さんという役割分担で、一緒にクリスマスを作っていきます。

その姿は仲のいい家族ならではの一体感と温かい空気を感じます。

特に素敵だなと思うのが、お父さんの作るクリームソーダ。

メロンソーダに、お父さんが買って来た市販のアイスをスクープして作るのです。

そこには、高級感はありません。

派手さもありません。

けれど、手作りのぬくもりや、子どもたちも一緒に作り上げる楽しさが溢れています。

クリスマスに家族でする「楽しいこと」が、この絵本には全部詰っているのです。

これが、この絵本のなによりも素敵なところです。

子どもにとってなにより楽しみかつ、不安な「サンタさん来てくれるかな」

そんな楽しいクリスマスですが、その中でも子どもが一番楽しみで気になることは、実は飾りつけでもごちそうでもありません。

それはサンタさんが来てくれるかということです。

もちろん、飾りつけもごちそうも、しっかりと楽しんでいます。

でも、常に心の中で思うことは「サンタさん来てくれるかな?」。

それが、この絵本ではとてもリアルに表現されているのです。

飾りつけをしながら、買い物の帰り道、お風呂に入りながら、夜眠る前など所々で、「サンタさん、ちゃんと来てくれるかな?」と心配します。

そのたび「いい子にしてれば来てくれる」と言われるヒヨコたち。

このやり取りは、まさに家で子どもと親がするやりとりそのもの。

こんな風に、子どもたちが一番気にしていることを、ヒヨコたちが代弁してくれるのです。

そして、代弁してくれたヒヨコたちが、きちんとプレゼントをもらえたことに、きっと子どもたちも安心し、期待を膨らませるのだと思います。

子どもにとって嬉しすぎるサプライズ

さて、こうして翌朝になり、プレゼントが届いたヒヨコたち。

一人に一個ずつプレゼントの箱が置いてありました。

中に入っていたのは、子どもたちが大好きなもので大喜び。

ですが、そこで終わらないのが、この絵本の素敵なところ。

よく見ると、他にも大きな箱が置いてあるのです。

そこにはヒヨコたちもビックリのサプライズが用意されていました。

でも、まだ終わりません。

ダメ押しのサプライズも残っていたのです。

これには子どもたちも、

「なんだろう?」

「お父さんとお母さんへのプレゼントじゃない?」

「いいなー!プレゼントもらい過ぎ!」

と、中身が気になったり、うらやむ声が。

まさかの一つじゃ終わらないプレゼントに、ヒヨコたちと同じくらいテンションが上がっていました。

きっと、ヒヨコたちに自分を重ね、「こんなサプライズが自分にもあるかも」と思っているのでしょう。

このクリスマスを、もっともっと楽しみに、待ち遠しくしてくれるところも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

家族みんなでクリスマスを手作りする、楽しさやぬくもりが目一杯に詰まった。

読めば、クリスマスもサンタさんも、ますます待ち遠しくなってしまうクリスマス絵本です。

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