作:カワダクニコ 出版:エンブックス
パンや積み木、雪玉など、
色々なものがぴったんこ。
ピタッとくっつく感覚が気持ちいい絵本です。
あらすじ
食パンと、具の乗った食パンを・・・ぴったんこ。
たまごサンドができました。
黄色い積み木と、赤と青の積み木が・・・ぴったんこ。
積み木のお家ができました。
大きい雪玉と小さい雪玉が・・・ぴったんこ。
雪だるまができました。
ネコちゃんと赤ちゃんが・・・。
ぴったんこしたらどうなるのでしょう?
『ぴったんこ』の素敵なところ
- とても気持ちのいいぴったんこ
- 自然と身に着く「こっち」と「あっち」
- 色んなぴったんこを遊びをしたくなる
とても気持ちのいいぴったんこ
この絵本のなにより気持ちのいいところは、ぴったんこのピッタリ感でしょう。
端と端がぴったり重なったり、隙間に綺麗に入ったり・・・。
どのぴったんこも、理想的な重なり具合になっていて、ものすごく気持ちいいのです。
それに加えて「ぴったんこ」という言葉も心地よく。
目と耳の両方から、ピタッとはまった感覚を味あわせてくれます。
たまに出てくる「ぴったんこ」じゃないものも、いいバリエーションになっていて、繰り返しならではの楽しさを味わえます。
この純粋に、ものがピッタリとはまる気持ちよさを、思いきり感じさせてくれるのが、この絵本のなにより素敵で、何度も見たくなってしまうところです。
自然と身に着く「こっち」と「あっち」
また、そんな気持ちよさを味わう中で、自然と「こっち」と「あっち」という、言葉に親しめる作りになっているのも素敵なところ。
この絵本はぴったんこするまでは「こっち」と「あっち」しかでてきません。
「こっちとあっちが・・・」で、ページをめくると「ぴったんこ」する作りになっているのです。
なので、自然と「こっち」と「あっち」で指差しが起こります。
合わせてこれまた自然に「こっち」「あっち」という言葉も出てきます。
さらに繰り返しなので、自然と何度もこのやり取りが行われます。
こうして、経験の中で感覚的に学んでいく「こっち」と「あっち」という指示代名詞を、この絵本では自然にたくさん使うことができるのです。
なにより、「あっち」と「こっち」は、小さい子が指差しと一緒にとても使いやすい言葉の一つ。
それを、自然と身につけられることは、新しい言葉の獲得の扉も開いてくれるということ。
「ぴったんこ」の気持ちよさだけでなく、他の部分でも小さい子にぴったんこな作りになっているのも、この絵本のとても素敵なところです。
色んなぴったんこを遊びをしたくなる
さて、色々なぴったんこが出てくるこの絵本。
見たら、自分も色々なぴったんこをしたくなってきます。
手と手を合わせてぴったんこ。
積み木の面を合わせてぴったんこ。
ぎゅーっと抱きしめてぴったんこ。
様々なぴったんこ遊びが思いついてきます。
普段さり気なくやっている、ままごとのお茶碗の淵を合わせる遊びなどにも自然と「ぴったんこ」の声が。
「ぴったんこ」という言葉があることで、ぴったりくっついていることを表現できるようになったのかもしれません。
こんな風に、見終わった後に、自分でもぴったんこをしたくなったり、さり気ないぴったんこに気付いて楽しい気持ちにさせてくれるのも、この絵本のとても素敵で楽しいところです。
二言まとめ
二つのものがピタッとくっつく見た目と音が、ものすごく気持ちいい。
見れば、自分でも色んなものをくっつけて、「ぴったんこ!」と言いたくなる絵本です。
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