きょうのそらはどんなそら(3歳~)

絵本

作:accototo(ふくだとしお+あきこ) 出版:大日本図書

一日を通して、様々な顔を持つ空。

そんな空模様をじっくり眺める絵本です。

さて、今日の空はどんな空?

あらすじ

ゆっくりと夜が明けて、朝日が顔を出す。

空が白んでくるのに合わせ、街も動き出す。

今日の空は快晴の青い空。

飛行機雲もくっきりとよく見える。

ひらひらと舞う蝶を見ていると、空に雲が浮かび始めた。

雲が空を流れていく。

・・・と、黒い雲が見え始めた時、一緒に音がし始めた。

雨の音だ。

急な土砂降りに、街中へ雨の音が広がる。

やがて雨が止むと・・・。

『きょうのそらはどんなそら』の素敵なところ

  • 一日のなかで色んな顔を見せる空
  • ネコとともに歩く街
  • 見た後、空を見上げたくなる

一日のなかで色んな顔を見せる空

この絵本のなによりおもしろいところは、一日の空をのんびりじっくり眺められることでしょう。

朝日が昇る前の暗い空から、夜明けの白い空、日中に明るい空に、夕焼けの空、そして夜空まで。

移り変わっていく空の表情を、すべてみることができるのです。

その中でも、快晴の空に飛行機雲が横切ったり、

少しずつ雲が浮かんできたり、

雨雲が現れて真っ黒な空になったり、

と、時間の変化以外のきまぐれな空の変化も楽しめます。

そんな空をずっと眺めていると、なにもせず、ただただのんびりと空を眺めているようなゆったりとした幸福感を味わえるのです。

ゆったりと一日が始まり、ゆったりと終わっていく・・・。

このゆったりとした時間の流れの中で、じっくりと気まぐれな空模様を見ることができるのが、この絵本のとても素敵で癒されるところです。

ネコとともに歩く街

こうして、空を見ていく絵本なのですが、この空を見ているのは一匹のネコ。

ネコが街を歩きながら、空を眺める作りになっているのです。

これも、この絵本の素敵なところの一つです。

なぜなら、ネコを通すことで、空が街と繋がるから。

夜明けとともに、街が静かに動き出す雰囲気、

登校の時間の賑やかさと爽やかな快晴、

ネコや虫しかいない昼間ののんびり感と雲の流れるゆったりとした空、

そして、すべり台の下での雨宿り・・・。

空模様を見るだけでなく、ネコを通して街や人々の生活と繋がります。

生活と繋がることで、この絵本の世界の空が身近に感じられ、自分の街の空とも繋がるのです。

だから、この空が本当の空のように見えるのでしょう。

「あ、雲が浮かんでるよ」

「もう夕方か~」

「飛行機雲、お散歩でも見たね!」

など、子どもたちの反応は、目の前に空が広がっているみたい。

きっと、ネコがいなく、空だけを見る絵本だったら、子どもたちの反応はまた違うものになっていたことでしょう。

この、ネコが空と街と人々を繋げてくれるところも、この絵本のとても素敵なところです。

見た後、空を見上げたくなる

さて、こうして様々な空模様を見ていったこの絵本。

見終わった後に、自分の世界の空へと興味が繋がっていくもの、とても素敵なところです。

きっと、読む時間によっても違うでしょう。

朝読めば、その後のお出かけで、今日の空はどんな空か確かめることへ。

散歩の後に読めば、「今日の空はこんな空だったよ」という話へ。

夜読めば「明日の空はどんな空かな?」という期待感へ。

こんな風に、色々な空の話へ繋がっていくのです。

そんな話を通して、これまで意識していなかった空の不思議に気付いたり、毎日空模様を確認するようになったりすこともあるかもしれません。

いつも当たり前にそこにあり、何気なく眺めている空へ、目線と興味を向けてくれる。

それも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

夜明けから夜空まで、一日の空模様をのんびりとゆったりと眺めることができる。

見れば「今日の空はどんな空だろう?」と、窓から空を眺めたくなる絵本です。

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