作:谷川晃一 出版:童心社
1はウラパン、2はオコサ。
これを使って、色んなものを分けてみます。
ん?もしや・・・これって割り算?
あらすじ
1と2だけで数遊びをしてみます。
1はウラパン、2はオコサと数えてみましょう。
1匹のサルならウラパン。
2本のバナナならオコサです。
1頭のライオンはウラパン。
2人の子どもはオコサ。
鳥も2羽ならオコサになります。
数が増えてシマウマが3頭の時はどうしよう?
そんな時は、オコサを先に数えます。
3頭のシマウマならオコサ・ウラパンという風に。
4頭のゾウなら、オコサ・オコサ。
5頭のヤギは、オコサ・オコサ・ウラパンです。
さあ、こんな風に、どんどんオコサとウラパンでわけてみよう!
『ウラパン・オコサ』の素敵なところ
- 1と2を言葉に変えた数遊び
- 言っているだけで楽しいウラパン・オコサ
- 身の回りのものもウラパン・オコサで分けたくなる
1と2を言葉に変えた数遊び
この絵本のとてもおもしろいところは、数字という抽象的で扱いにくいものを、具体的で扱いやすい言葉に変えたところです。
1をウラパン、2をオコサに変えたことで、子どもたちは簡単に2のグループを作ることができてしまいます。
すると始まるのは、数をグループ分けする遊びです。
5の中に、2がいくつあって、いくつ余るか?
といったような、まるで割り算のような問題も、ウラパン・オコサで、簡単に解決していく子どもたち。
指を2にして、「オコサ、オコサ・・・」と2つずつ塊として数えていきます。
これが本当にすごいところ。
数字でやると、イメージが湧きづらく、「2のグループがいくつあるでしょう?」と聞いても、年長クラスでもわからない子がたくさんいます。
ですが、数字を言葉に変えることで、「オコサとウラパンはいくつ?」と聞くと、年中クラスでも簡単にわけられてしまうのです。
この数字を言葉にしたことで、自由自在に数字を操りわけられる、数字のおもしろさを思う存分味わえるのがこの絵本のとてもおもしろいところです。
言っているだけで楽しいウラパン・オコサ
また、言葉の語感が気持ちよく、口にしていて楽しいのも、この絵本の素敵なところ。
数えるものの数が増えていくほど、一緒に増えていくオコサ。
子どもたちは数えながら、
「オコサ、オコサ、オコサ、オコサ・・・」
と、どんどん続けていきます。
そして最後に、
「ウラパン!」
これがとても気持ちいい。
どんどん伸びていきオコサに、ウラパンでの数え終わった達成感。
グループ分けする楽しさだけではなく、言葉としてのおもしろさも詰まっているのです。
中には言葉が楽しくて、なにも数えず「オコサ・オコサ・・・」と呪文のように唱える子も。
この言っているだけで楽しくなってくる、ウラパン・オコサの言葉遊びも、この絵本のとても楽しい素敵なところです。
身の回りのものもウラパン・オコサで分けたくなる
さて、こうして絵本の中で色々なものを数えてきた子どもたち。
当然のように、絵本が終わったら身近なものを数え始めます。
まずは1つしかないウラパンのものと、2つあるオコサのもの。
そこから2人組を作って、ウラパンをオコサに変化させたり、
掲示物を「オコサ・オコサ・・・」と分けてみたり、
色んなものに使います。
このなんにでも使えるところと、使いたくなってしまうところも、この絵本のとても素敵なところです。
さらに2つに分けられると、偶数と奇数の概念に繋がったり、割り算の感覚を自然に身につけるのにも、役立ったりします。
「分ける」という数を扱う上で大切だけど、教えるのは難しいこの概念を、子どもたちが自分から楽しく使って、使い慣れていく。
これは、この絵本だからこそできた、唯一無二なところだと思います。
二言まとめ
数字を言葉に置き換えることで、楽しくわかりやすく数のグループ分けが楽しめる。
見れば、身の回りのものをなんでもグループ分けしたくなる、数遊び絵本です。
コメント