作:砂糖ゆき 出版:エンブックス
お馴染みの食べ物を2つに割ったら・・・?
食べ物の断面図がおもしろく、
割れる音が気持ちいい食べ物絵本です。
あらすじ
卵をコンコン叩いて・・・
ぱっかーん!
とろっとした生卵が出てきました。
玉ねぎをザクっと切って・・・
ぱっかーん!
まっぷたつに切れました。
トマトをしゃくっと切ると・・・
ぱっかーん!
トマトの中には種も見えます。
レタスをぱりっと手で割ると・・・。
『ぱっかーん!』の素敵なところ
- 一緒に言いたくなる「ぱっかーん!」
- 食べ物のおもしろい断面図
- 最後に完成したものは・・・
一緒に言いたくなる「ぱっかーん!」
この絵本のなにより楽しいところは、「ぱっかーん!」と割れる食べ物たちでしょう。
この音と一緒にまっぷたつになる様が、とにかく気持ちいい。
次の「ぱっかーん!」のために、ページをめくるのが待ち遠しくなってしまいます。
読んでいると子どもも流れがわかってくるので、「ぱっかーん!」の前にはいたずらっぽい表情を浮かべます。
そして「ぱっかーん!」で大盛り上がり。
手を開いて表現したり、
音が楽しいのか大笑いしたり、
と反応は様々。
ですがみんな楽しそう。
何度も読んでいると、次第に「ぱっかーん!」に声を合わせるようになり、心が一つになった楽しい時間が広がります。
この、楽しくて気持ちよくて一緒に言いたくなる「ぱっかーん!」が、この絵本のとても素敵なところです。
食べ物のおもしろい断面図
こうして「ぱっかーん!」とまっぷたつになる食べ物たち。
その切れる様もおもしろいのですが、断面図はもっとおもしろい。
食べている時には気付かない、不思議な模様が刻まれています。
特に左右対称になっているを見る機会は、小さい子にはあまりないかもしれません。
そういう意味では、お店で売っている状態から、料理になるまでの中間地点と言えるかも。
初めて見る子には、きっと不思議で素敵なものに見えていることでしょう。
そんな食べ物の不思議に気付くきっかけになるのも、この絵本の素敵なところ。
絵本に出てくる食べ物を、実際に料理する時切って見せてあげるのも、おもしろいかもしれません。
きっと食べ物の不思議と魅力に興味津々になることでしょう。
最後に完成したものは・・・
さて、こうして色々な食べ物を切ったり割ったりしてきますが、これには目的がありました。
それがわかるのが最後のページ。
ちゃんと調理されて目の前に並びます。
子どもたちもこれを見て、
「ご飯になってる!」
「さっき切ったやつだ!」
と大喜び・・・ですが、実はよーく見るとけっこう難しい。
ぱっと見では、一致しないメニューがあるのです。
例えば、スープ。
見た目はコーンスープですが、この絵本にトウモロコシは出てきません。
というように、意外と考えて推理しないとわからなかったりするのです。
これを考えて「あーでもない、こーでもない」というのも、この絵本のおもしろいところ。
自然と前のページに戻り、最後のページと見比べて、じっくりと見てしまうのです。
そして、最終的にはお腹が空いてくることでしょう。
二言まとめ
「ぱっかーん!」という掛け声とともに、食べ物がまっぷたつになるのがたまらなく気持ちいい。
普段はあまり見ることのない、食べ物の断面図のおもしろさや美しさを発見できる絵本です。
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