【絵本】かぼちゃスープのおふろ(3歳~)

絵本

作:柴田ケイコ 出版:小学館

温かくて美味しそうなスープのお風呂。

看板には「入ってもいいけど、飲まないように」と書いてあります。

でも、我慢できずに・・・。

あらすじ

ある寒い日。

クマと、アルパカと、ネコの仲良し3人組が遊んでいました。

その帰り道、お腹もペコペコなので、いつもとは違う近道を通って帰ることに。

すると、どこからかいい匂いが漂ってきます。

行ってみると、そこにはカボチャの皮の中にスープが入った、かぼちゃスープのお風呂がありました。

すぐそばに、看板があり、お風呂の説明が書いてあります。

「自由に入ってもいいけれど、スープは絶対に飲まなないように」とのこと。

3匹は、さっそく入ってみることにしました。

その温かくて気持ちのよいこと。

そんな時、3匹のお腹が鳴りました。

そして、我慢できなくなり、スープを「ごくり」。

すると、3匹の身体がカボチャスープと同じ、オレンジ色になってしまったではありませんか。

いくらタオルで拭いても取れません。

3匹は仕方なく、オレンジ色のまま、かぼちゃのスープのお風呂を後にしました。

3匹がトボトボ歩いていると、またいい匂いがしてきます。

今度は大きな器に入ったシチューのお風呂でした。

側の看板には、前回と同じく「絶対に食べないように」と書いてあります。

3匹はお風呂に入ると、食べようか悩みました。

でも、シチューを食べたら色が白に戻るかもしれないと、やっぱりシチューも食べることに。

けれど、白にはなったけれど、オレンジ色のしま模様が残ってしまいました。

3匹はガッカリ。

帰ってお風呂で洗うため、3匹は帰り道を急ぐことにしました。

こうして歩いていた3匹でしたが、目の前にカップに入ったホットミルクのお風呂が現れたのです。

やっぱり「飲まないように」という注意書き。

さすがの3匹も、今回は悩みました。

そして、絶対に飲まないと決めて、入ってみることに。

入ってみると、そこは今までにないくらいの気持ちよさ。

3匹は飲まなかったけれど、あまりの気持ちよさに居眠りしてしまいました。

今回ばかりは飲まなかった3匹。

きっと今度は大丈夫・・・なはず?

『かぼちゃスープのおふろ』の素敵なところ

  • 寒い日にぴったりなスープのお風呂
  • 「絶対にしてはいけない」というお約束
  • スープを飲まなかったのに・・・

寒い日にぴったりなスープのお風呂

この絵本のとても魅力的なところは、スープのお風呂のなんとも気持ちよくて美味しそうなところでしょう。

寒い時に飲みたくなる温かいスープ。

身も心も温まります。

そのスープに、体ごと浸かってみたら・・・。

そんな夢のようなシチュエーションを叶えてくれるのがこの絵本。

「いい匂いがしそう♪」

「トロトロして気持ちよさそうだよね~」

と、スープに入っていることを想像する子どもたち。

「食べたくなっちゃうよ~」

とやっぱりお腹が空いてしまうようでした。

それもそのはず、温かそうな湯気とともに、どのお風呂もものすごく美味しそうに描かれているのです。

カボチャスープのポッテリしたポタージュ感。

シチューの具沢山で、食べ応えのありそうな感じ。

ホットミルクのほっとするようなぬくもり感。

どれも見ているだけで、味やほっと感を思い出してしまいます。

さらに、3匹のとても気持ちよさそうな表情を見せられたら、入りたくならないはずがありません。

この、夢のような美味しくて温かいスープのお風呂を味わえるのが、この絵本のとても素敵で魅力的なところです。

「絶対にしてはいけない」というお約束

しかし、こんなに美味しそうなのに、まさかの注意書きがされています。

それが「絶対に飲まないこと」という注意書き。

この美味しそうなのに飲んではいけないというジレンマもまた、この絵本のとてもおもしろいところであり、この絵本の醍醐味です。

この注意書きを見たとたん、悪い予感がする子どもたち。

「絶対飲むぞ・・・」と。

話し合いつつ、飲む方向へと話が進む3匹を見て、ドキドキ感が増していきます。

そして、ついに「ごくり」。

子どもたちもここぞとばかりに、

「飲んじゃダメなのに~!」

「あー!飲んじゃった!」

と叫びます。

さらにオレンジ色になってしまった体を見て、「スープ飲むから~」と楽しそう。

この流れが本当におもしろい。

まさに鉄板ギャグを見ているかのような、お約束ならではの大爆笑が生まれるのです。

この、「絶対にしてはいけないこと」を「絶対にしてしまう」、予想がついているからこそのハラハラ感と、オチのおもしろさもこの絵本のとても盛り上がるところです。

スープを飲まなかったのに・・・

さて、そんな3匹ですが、3回目のホットミルクのお風呂まで来ると、流石に用心しだします。

安易に飲んでしまったカボチャスープ、シチューと違い、固く「飲まない」と決意します。

そしてきちんと有言実行。

一口も飲みません。

けれど、ここで思わぬ誤算。

気持ちよすぎてうたたねしてしまったのです。

その結果・・・。

という、2回目までの反省を活かした変化球もまた、この絵本のおもしろいところです。

2回目までの流れからしたら、大正解のこの行動。

でも、3回目はルールに変化がありました。

その結果、完璧に回避したはずなのにトホホな結果が待っています。

これには子どもたちも、

「えー!?」

「ちゃんと我慢したのに・・・」

と、驚きが隠せません。

この予想通りのお約束な1回目と2回目があったからこその、3回目に投げてくる変化球への驚きと新鮮なおもしろさも、この絵本のとても素敵で楽しいところです。

二言まとめ

美味しくて温かくてほっとするスープがお風呂になるという、夢のようなシチュエーションが楽しめる。

「絶対に飲まないでください」と言われたものを、飲んでしまってトホホな結果になるという、鉄板のお約束展開がおもしろすぎる絵本です。

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