【絵本】ヤモリ3きょうだい(4歳~)

絵本

作:やぎたみこ 出版:講談社

家の守り神と言われるヤモリ。

そんなヤモリと兄弟が出会いました。

2人と1匹は、ママの誕生日のため家の掃除を始めることに。

あらすじ

今日は、ママの誕生日。

夜には家族でパーティーです。

でも、2人の兄弟の部屋は、散らかり放題。

パパは、2人に片付けておくよう言い、ママと買い物に出かけました。

2人は渋々片付け始めましたが、片付けが大嫌いで中々進みません。

そんな中、おもちゃで遊び始めた弟へ、お兄ちゃんが怒ってボールを投げつけました。

すると、ボールが当たったおもちゃの山から「ひぇー!」という小さい声が。

おもちゃの山をよく見ると、そこには1匹の小さなヤモリが顔を出していました。

ヤモリは自分を竜神の使いで、この家を守っているのだと教えてくれました。

兄弟が詳しく聞こうとすると、秘密だけどアイスをくれたら教えてあげるとのこと。

アイスをあげる約束をして、兄弟はヤモリの役目を教えてもらいました。

どうやらヤモリは、虫を退治したり、かけ忘れた鍵を閉めたり、入れ忘れた目覚まし時計のスイッチをいれているみたいです。

どの家にもヤモリがいる訳はなく、この家は運がいいのだそう。

話を聞き終わると、ヤモリは「手伝うから片づけをしよう」と兄弟に言いました。

ヤモリは、片付けのコツを兄弟に教え、その結果どんどん部屋はきれいになっていきます。

あっという間に片付けが終わり、兄弟は大喜び。

さっそく、おやつのアイスを食べようとしましたが、ヤモリに「次は掃除」と止められてしまいます。

不満げな兄弟の顔を見ると、ヤモリは自分の皮を脱ぎ始めました。

皮を脱ぐごとに大きくなるヤモリ。

ついには、兄弟と同じくらいの巨大ヤモリになってしまいました。

ヤモリは、自分の脱いだ皮を兄弟に渡し、着てみるよう言いました。

2人が着てみると、スーツは2人の体にぴったり。

ヤモリに変身した2人はさっそく掃除を始めます。

不思議なことに、そのスーツを着ていると、天井や壁も歩けるように。

上から下へ掃除をしていくと、部屋はみるみるきれいになっていきました。

掃除が楽しくなった3人は家中きれいにすることに。

と、その前に屋根の上でアイスを食べて休憩です。

3人が、屋根の上でアイスを食べていると、空の上を雲に乗った竜神様が通りかかりました。

雲の上にはお付きのヤモリも乗っています。

3人が手を振ると、竜神様はこちらに来て、お付きのヤモリたちと掃除を手伝ってくれました。

さらに、竜神様は家にきらきらとした息を吹きかけ、1年間家が汚れないようにもしてくれました。

おかげで、あっという間に家はピカピカ。

3人が部屋に戻ると、お兄ちゃんがいいことを思いつきました。

3人はさっそく準備を始めます・・・。

一体何を思いついたのでしょう?

『ヤモリ3きょうだい』の素敵なところ

  • 自由自在に動き回れる楽しそうなヤモリスーツ
  • ヤモリが教えてくれる掃除の極意
  • 3兄弟の素敵なサプライズ

自由自在に動き回れる楽しそうなヤモリスーツ

この絵本のなによりおもしろいところは、ヤモリスーツを着て自在に動き回れることでしょう。

ヤモリにとっては、壁も、窓も、天井も関係なく歩き回れてしまいます。

その姿はまるで忍者。

これに憧れない訳がありません。

天井や窓を歩く兄弟を見て、

「すごーい!」

「めっちゃ楽しそう!」

「ジャンプしたらどうなるんだろう!?」

などなど、子ども達の声に羨ましさが詰っています。

天井に逆さまに立ちながら、ほうきでの掃き掃除。

窓にくっつきながら窓ガラス拭き。

そんな掃除の仕方を見せられたら、いつもはめんどくさい掃除も、率先してやりたくなってしまうことでしょう。

さらには、壁をつたって屋根に上りアイスを食べる・・・。

なんて楽しそうなのでしょう!

この、普段はできないような動きをヤモリスーツで出来てしまうところが、この絵本の素敵でおもしろいところ。

3次元の動きが、見ているだけで心をワクワクさせてくれるのです。

ヤモリが教えてくれる掃除の極意

こうして、掃除をしていく3人。

ここでヤモリが本領を発揮します。

このヤモリは、掃除がものすごくできるヤモリだったのです。

その片付けや掃除の仕方が、現実世界でもとても役立つものになっているのもまた、この絵本のとても素敵でためになるところなのです。

なんとなく片付けている兄弟に、ヤモリは的確に片付けの仕方を教えていきます。

まずは、ごみをゴミ箱に入れる。

次に、服を洗濯かごに入れ、棚にしまうものは棚にしまう。

場所が決まっているものを片付けたら、場所が決まってないものをしまう場所を作ります。

さらには、細かいものをまとめて入れておく場所の提案まで。

「大きいものから片付ける」「片付ける場所を作る」という、片付けの鉄則をヤモリから教えてもらうことができるのです。

また、掃除のときは高いところから低いところへという、これまた掃除の大原則を教えてくれます。

この原則は、普段の片付けでも役立つこと間違いなし。

しかも、一回きりではなく、ずっと片付けしやすい部屋ができてしまうことでしょう。

この、現実世界で役に立つ、片付けと掃除の大原則をヤモリに教えてもらえるのも、この絵本のとても素敵なところです。

3兄弟の素敵なサプライズ

さて、こうして部屋の掃除をし、家じゅうを掃除しようとしていた3人。

ですが、竜神様の手伝いで、あっという間に家がきれいになってしまいます。

そこで、手が空いた3人は、とても素敵なことを思いつきました。

この思いついたサプライズが本当に素敵です。

兄弟とヤモリで手分けをして準備を進め、最後の場面でそのサプライズが登場します。

これがとても目と心を奪われるものになっているのです。

子どもたちも、その壮観な光景に、

「うわ~、すごい!」

「めっちゃ、いっぱいあるね!」

「これ全部作ったんだ!」

と、驚いたり感心したり。

準備を見て想像していたのとは、また違った完成形にすっかり目が釘付けになっていました。

この、ママの誕生日に繋がる壮観で素敵なサプライズも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

ヤモリスーツを着て、自由自在に動きながら掃除する姿が、とても楽しく羨ましい。

見れば、自分の部屋の片付け方・掃除の仕方もわかってしまう絵本です。

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