【絵本】とりさんなんのぎょうれつ?(4歳~)

絵本

作:オームラトモコ 出版:ポプラ社

長い鳥の行列ができています。

一体何の行列なのでしょう?

最後尾から順々に行列を追っていくと、その先には・・・。

あらすじ

ハチドリが飛んでいると、なにかを案内する看板がありました。

看板を見てると、案内係のキュウカンチョウが列へ案内してくれます。

列にはすでにたくさんの鳥たちが並んでいて、なにかの順番を待っていました。

メジロ、スズメ、ツバメ、カナリア・・・。

色々な鳥たちが、おしゃべりしながら並んでいます。

列が進むと、キツツキがポールを突いて、周囲の鳥が大迷惑していました。

慌ててキュウカンチョウが止めに行きます。

さらに進むと、オウムが声真似をして、他の鳥を楽しませています。

と、そうこうしていると、列の前の方から転がってくる卵。

ニワトリが卵を産み、後ろに転がっていったのです。

周囲の鳥がそれを教え、祝福しています。

その先では、ワシの爪がロープに引っかかって大騒ぎ。

みんなでポールを押さえ、キュウカンチョウが爪をはずします。

大騒ぎの先では、待ちすぎて眠るサイチョウ、グンカンドリ、シチメンチョウが。

こちらはとても静かです。

さらに列が進んでいくと、コウノトリが巣を作っていたり、ツルとハクチョウがダンスをしていたり・・・。

そしていよいよ辿り着いた行列の先頭には、なにかの入り口がありました。

鳥たちが行列を作ってまで楽しみにしていたものとは?

『とりさんなんのぎょうれつ?』の素敵なところ

  • なにを待っているのか気になる行列
  • 行列に並ぶ中で起こる様々なドラマ
  • 行列の先に待つあっと驚く素敵な体験

なにを待っているのか気になる行列

この絵本のなにより気になるところは、長い行列の先になにがあるのかということでしょう。

ページをめくってもめくっても続く行列。

子どもたちは、

「まだ続いてる!」

「なにを待ってるんだろうね」

「もうそろそろじゃない!?」

と、ページをめくるたび、その行列の長さに驚いたり、その先にあるものを考えてワクワクしてしまいます。

また、このワクワクをさらに高めてくれる工夫がしてあるのも、この絵本のおもしろいところ。

鳥たちの行列には、鳥の名前と何番目かが書かれているのです。

一番後ろのハチドリは50番目。

それだけで、この行列の長さがわかります。

これがページをめくるごとに、カウントダウンのように減っていき、段々と先頭へ近づいているのを感じられるのです。

特に10番目を切った辺りからの盛り上がりはすごく、

「あと、10人だ!」

「もうすぐ先頭だね!」

と、大喜び。

でも、1ページに何羽いるかはランダムなので、次のページで先頭に辿り着くという保証はありません。

これもまた、行列を辿るワクワク感をより高めてくれています。

この、ページをめくってもひたすら続く長い行列を、カウントダウンのように先頭へ追っていくワクワク感が、この絵本のとてもおもしろいところです。

行列に並ぶ中で起こる様々なドラマ

こんな風に、行列を追っているだけでもおもしろいこの絵本。

ですが、待っている鳥たちにドラマがあり、それを見るのがおもしろいのもこの絵本の魅力です。

鳥たちは、それぞれに関わりを持ちながら楽しく待っています。

小鳥たちがおしゃべりや毛づくろいをしていたり、

キツツキがポールを突いてへこませていたり、

声真似をしているオウムに歓声を送ったり・・・。

その鳥らしい、特徴的な過ごし方をしていて、それにより待っている間にも色々なドラマが起こっているのです。

これが50羽分あるのだから、待ち時間が長くても飽きません。

子どもたちも、ドラマが起こったり、知っている鳥が出てくるたび、

「キツツキがポール突いてる!」

「ペンギンかわいいね」

「ワシは爪が尖ってるから・・・」

と、大盛り上がり。

この、全然待っている感を感じさせない、楽しい行列もまた、この絵本のとても楽しいところです。

行列の先に待つあっと驚く素敵な体験

さて、こうして行列を進んだ先には、あっと驚くものが待っていました。

それは自分で飛べる鳥ならば、利用しなさそうなもの。

ですが、向かった先を知って、「これは鳥たちでも夢見る体験だろうな」と納得。

そこには、予想をはるかに超える素晴らしい体験が待っていました。

この、長い行列を待っただけあると思える、ワクワクドキドキの体験もまた、この絵本のとても素敵なところです。

しかも、その中で50羽すべての鳥が、大切に扱われているのも驚くべきところ。

端折られている鳥などおらず、全ての鳥が楽しそうにワクワク感をはじけさせているのです。

子どもたちも、鳥たちと一緒にワクワクすること間違いなしの最後の場面。

ぜひ、一緒に行列に並び、確かめてみてください。

二言まとめ

鳥たちのながーい行列を、カウントダウンしながら辿っていくのがなんとも楽しい。

行列の先に辿り着いた時、アッと驚くドキドキワクワクの体験が待っている、行列に並ぶかいがある絵本です。

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