作:加門七海 絵:軽部武宏 編:東雅夫 出版:岩崎書店
ドアがきしんだ時、古いブランコをこいだ時など、「きいきい」と音がすると思います。
実はあの音にはある秘密があるのです。
それに気づいてしまった男の子は・・・。
あらすじ
部屋の扉を開けると、きいきいと高い音が聞こえます。
音のする場所を探しちょうつがいを見てみるとちょっと茶色くなっています。
そして、真っ黒なおばけがはさまって叫んでいます。
いたいいたい。
お兄ちゃんに知らせに行くと、おにいちゃんはイスを回しています。
きいきい。
かがんでみてみると、青いおばけがはさまっています。
いたいいたい。
ぼくは外に駆け出しました。
公園に行くと知らない女の子がブランコをこいでいます。
きいきい。
鎖の間にいくつもの真っ赤なおばけがはさまっています。
いたいいたい。
赤ちゃんを乗せたうばぐるま、おじさんの乗った自転車からも・・・。
僕は駆け出しました。
男の子が次に見つけるものは・・・。
『ちょうつがいきいきい』の素敵なところ
- 身近な音過ぎて怖い
- 不気味すぎる絵
- 想像すると怖すぎる最後
金属のきしむ「きいきい」という音。
日常的に耳にするこの音。
そこが非日常と繋がっているかもしれないという恐怖は相当なものです。
忘れていても、「きいきい」という音を聞いた瞬間に思い出してしまいます。
いないとはわかっていてもドキドキしてしまいます。
それを増幅させるのが不気味すぎる絵です。
この絵本で不気味なのはおばけだけではありません。
街行く人の表情や仕草。
色使い。
全てが不気味です。
おばけよりも不気味に感じる街の人もいます。
そんな街を駆け抜けていく最後の場面。
詳しくは語られませんが、おそらくは・・・。
そんな想像をすると怖すぎる結末が待っています。
身近なところに潜む非日常の怖さを存分に味わえる絵本です。
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