【絵本】シルヴィーどうぶつえんへいく(4歳~)

絵本

作:ジョン・バーニンガム 訳:谷川俊太郎 出版:BL出版

ある日、寝室に見知らぬドアを見つけた。

ドアを開けると、見知らぬ階段と通路が。

その先にあったのはなんと動物園!?

あらすじ

ある晩、女の子のシルヴィーは、寝室の壁にドアが見えたような気がしました。

けれど、その日はすぐに眠り、朝になったら見てみようと思っていました。

翌朝、シルヴィーは遅刻しそうになったのでドアのことは、夜まですっかり忘れていました。

ベッドに入ろうとすると、やはりドアが見えたので、中をのぞいてみることに。

すると、ドアの先には降りる階段と通路があり、その先にもドアがありました。

通路の先のドアを開けてみると・・・

なんと、そこは動物園でした。

動物たちがいっぱいいて、シルヴィーを見つめています。

夜も遅いので、シルヴィーは部屋へ戻って寝ることに。

その時、クマの子に声をかけるとついてきたので、部屋に連れて帰って一緒に眠りました。

シルヴィーは朝になると、クマの子を動物園に返し、ドアが閉まっているのを確認して、学校へと出かけていきました。

それから動物たちは、みんなシルヴィーの部屋に来たがりました。

シルヴィーは毎晩、違う動物を自分の寝室へ連れてきました。

ペンギンが、バスルームで騒いで水をはね散らかした晩もあったし、

トラの親子を連れてきて、親トラはイスで、子トラは一緒にベッドで寝たこともあります。

ある晩は、鳥たちを呼びました。

中には、物を盗む動物やあんまり臭い動物もいたので、出て行ってもらったこともあります。

ゾウの子は大きすぎて通路を通れず、泣き出してしまったこともあったけど、サイの子は通ることができました。

しかし、あるシルヴィーが寝坊した朝のこと。

学校から帰ってくると、動物園と繋がるドアが開いています。

さらに、リビングからは大きな音が。

寝坊して慌てていたので、ドアを閉め忘れていたのです。

リビングは動物たちで満員。

それを見たシルヴィーは・・・。

『シルヴィーどうぶつえんへいく』の素敵なところ

  • 寝室から繋がる不思議な動物園
  • 毎晩違う動物と過ごす、うらやましいシチュエーション
  • ドアを閉め忘れた時の大惨事

寝室から繋がる不思議な動物園

この絵本のなによりワクワクするところは、寝室と動物園が繋がっているという夢のようなシチュエーションでしょう。

不思議な扉に、謎の通路、そこから繋がる動物園なんて、秘密基地と同じくらいワクワクしてしまいます。

子どもたちも、

「えー!どこに繋がってるんだろう?」

「ちょっと怖いね・・・」

と、ドキドキしていましたが、動物園に着くなり、

「なんでこんなところに動物園が!?」

「キリンもいる!ゾウもいるよ!」

と喜びの声。

もう、この不思議で素敵なシチュエーションだけで、子どもたちはこの絵本に夢中です。

でも、それだけでは終わらないのが、この動物園の魅力。

動物と自由に触れ合えるだけじゃなく、好きな動物を寝室に連れて帰ってこられるというのだから、さらに夢が膨らみます。

寝室が動物園と繋がっているからこその楽しみです。

この、寝室と動物園が繋がっているというだけでも夢のようなのに、さらに動物たちとも驚くほど自由に触れ合える自由さが、この絵本のとても素敵でワクワクするところです。

毎晩違う動物と過ごす、うらやましいシチュエーション

そんな、とても身近で動物たちとの触れ合いが楽しい動物園。

シルヴィーは、毎晩、動物園からいろいろな動物を寝室へと連れて帰ります。

ここがこの絵本の一番楽しく、うらやましく、想像力が広がるところです。

最初は、小さなクマの子を連れてきて、一緒にベッドで眠るシルヴィー。

その小ささとかわいさは、まるでクマのぬいぐるみのようです。

これには子どもたちも、

「かわいいー!」

「いいなー!」

「だっこして寝たい!」

と、メロメロ。

一気に、好きな動物を連れてこられるというシチュエーションの素敵さに心を奪われていしまいます。

さらに次の日は、コアラの子を連れてきて、クマの子とコアラの子に挟まれて眠るシルヴィー。

うらやましさも大爆発です。

と、同時に「ぼくはライオンの子がいいな!」など、自分の好きな動物だったらという想像力も広がり始めます。

そこからの、ペンギンとお風呂に入ったり、トラのお母さんはイスで寝たり、鳥たちに囲まれて眠ったり、物を盗む動物がいたり・・・という色々なパターンを見ていくうちに、

「ゾウだったら、お風呂でシャワーしてくれるかも!」

「キリンだったら部屋に入らないかな?」

「ナマケモノはぶら下がって寝るかも!」

などなど、「自分の連れてきたい動物だったら・・・」という想像が無限に広がっていくのです。

この、好きな動物を自分の寝室に連れて帰ってこられるという、楽しくてうらやましすぎる展開もこの絵本のとても素敵で、想像力がどんどん膨らんでいくところです。

ドアを閉め忘れた時の大惨事

ただ、相手が動物なだけに大変なこともあります。

それが見事に表れているのが、最後の場面。

シルヴィーがドアを閉め忘れて出かけてしまった時のことです。

ここぞとばかりに、みんなで動物園を飛び出して、シルヴィーの家で好き勝手する動物たち。

まさに、家の中が動物園のようになってしまいます。

これには、これまで楽しさしか感じていなかった子どもたちも、動物園と隣り合わせの大変さを感じさせられます。

と、同時にシルヴィーのすごさも・・・。

この事態を収めるシルヴィーの行動がものすごい。

どちらが動物かわからないくらいの迫力を見せてくれます。

合わせて、お母さんが帰ってきてしまうというタイムリミットのドキドキ感もあり、この最後の場面は手に汗握るものに。

これまでののんびり楽しい感じとはうって変わって、緊迫したスリリングな楽しさが味わえます。

この動物園と隣り合わせだからこその、ハラハラドキドキな最後の場面も、この絵本のとてもおもしろいところです。

きっと、ドアをきちんと閉める大切さが、シルヴィーと一緒に身に染みることでしょう。

二言まとめ

寝室と動物園が繋がっているという夢のようなシチュエーションに、自分だったらどんな動物を連れてこようか想像が無限に広がる。

動物が家に来る楽しさと大変さの両方を、シルヴィーと一緒に味わえる絵本です。

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