作:岩井志麻子 絵:寺門孝之 編:東雅夫 出版:岩崎書店
「あそこには幽霊が出る」
そんな噂のある場所がどこの町にも一つはあったと思います。
「どうせいない」と思いつつも近づかない。
そんな場所に入ったら・・・。
あらすじ
自分のことを強いと思っている小学生の男の子がいた。
ある日、男の子はオバケが出るという、学校にある古い倉庫を一人で探検した。
そうしたら、女の白い足がぼーっと立っていた。
男の子は怖がらず、オバケに説教をして出てきた。
待っていたみんなにそのことを伝えると、みんな驚いて男の子のことを褒めた。
そして、みんなと一緒に帰ったのだが、男の子だけ違う道に入ってしまった。
進んでいくと、ボロボロになった空き家があった。
誰かに呼ばれているみたいに家に入ると、女が歩いてきた。
ぺたぺたと足音がする。
男の子は怖くなって逃げ出したが、足音がついてくる。
夢中で走って、やっと家に着いた。
男の子は無事に逃げ切れたのでしょうか。
『おんなのしろいあし』の素敵なところ
- 古典的で純粋な怖さ
- わかりやすく不気味な絵
- ゾッとする最後の場面
オバケを見て、それに追いかけられるという最も古典的だけれど、純粋な怖さがある展開が面白いこの絵本。
とてもわかりやすく怖いです。
また、走ったり飛んでくるのではなく、「ぺたぺた」とゆっくりと歩いて近づいてくることも恐怖をかきたてます。
このわかりやすい怖さに、わかりやすく不気味な絵が本当に合っていると思います。
女の白い足が出てくる場面などは子どもたちから悲鳴が上がり、みんな息をのみます。
「ぺたぺた」と近づいてくる所の男の子の鬼気迫る表情に、子どもたちの心拍数も上がりまるで一緒に足って逃げているかのような雰囲気になります。
こんなわかりやすい怖さを持った本ですが、最後だけ少し趣が違います。
文章はなく、絵だけで男の子と白い足の今後を予感させ、背筋が寒くなります。
ストレートな怪談話を読みたい時にぴったりの絵本です。
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