作:澤野秋文 出版:講談社
たくさんの本が並んだ本棚。
静かにたたずんでいるように見える本棚ですが、夜になると大騒ぎ。
本の中身たちは眠ってなんかいられません。
もしかしたら、あなたの家の本棚も・・・。
あらすじ
夜、本棚がどうなっているか知っていますか?
実は夜の本棚は、本の中から挿絵たちが出てきて大騒ぎをしています。
でも、めちゃくちゃにならないように、犬張り子のこたろうが見張りをしているから大丈夫。
ところが、そのこたろうが居眠りを始めてしまいました。
朝方近くになったころ目を覚ましたこたろうは大慌て。
挿絵たちを本に戻します。
しかし、図鑑のクマがリスが戻っていないと言いました。
そこで他の図鑑を探してみると、リスを発見。
なんとか連れ戻しました。
が、今度はイヌとサルとキジがももたろうがいないと言います。
そこで、たくさんの昔話の本からももたろうを探しました。
やっと見つけて戻しましたが、天狗がやってきて幽霊が戻っていないと言ってきました。
こたろうは無事に本を元通りにして朝を迎えられるのでしょうか。
『じつはよるのほんだなは』の素敵なところ
- 細かく描き込まれた絵を使ったいなくなったもの探し
- いなくなったもの以外にもたくさんの発見がある面白さ
- めでたしめでたし?な最後
この絵本の一番素敵なところは、本当に細かく描き込まれた絵だと思います。
表紙だけとっても、色々な本から色々な挿絵が顔をのぞかせたり、遊んでいたりで見ていて飽きません。
そんな描き込まれた絵からリスや桃太郎を探すのだから面白くないわけがありません。
「あ、どんぐりの所にいる」など、見つけると嬉しそう。
また、なんでそこにいたのかという理由も語られるのが面白いです。
いなくなったものを探すだけでなく、他にも色々なものが細かく描かれているのも楽しいところ。
ももたろうを探すところではたくさんの昔話の本が広げられています。
それをみながら「あ、一寸法師だ」など、自分の知っている昔話を見つけたり、幽霊を探すところでは城を攻める忍者の色んな忍法が見られたり。
どのページも見れば見るほど発見があります。
そうこうしているうちに朝が来て、本の持ち主が本を開くと「めでたしめでたし?」と首をかしげる結末が待っています。
そんな、よく描き込まれた絵探しと、ちょっとおちゃめなこたろうと挿絵たちのお話の両方を楽しめる一冊です。
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