イカはイカってる(4歳~)

絵本

作:大塚健太 絵:くさかみなこ 出版:マイクロマガジン社

イカとタコの違いを知っていますか?

足の数、頭の形、違いはたくさんあります。

でも、細かいところを見なければ大体同じなのでは・・・?

そんな意見にイカはイカっているのです。

あらすじ

イカはイカっています。

いつもタコと間違えられるからです。

まず、足の数が違います。

イカの方が2本も多いのです。

そこに、魚の奥さんたちがやってきて、「手足がたくさんついている所は一緒だわ」と言いました。

イカはイカって、「タコはつるりん頭だが、イカは三角頭だ」と言いました。

そこにカニの兄弟がやってきて、「でも、頭でっかちなのは同じだし、柔らかいところも同じ」と言いました。

その後も、墨の性質や、大きな仲間、色々な種類の仲間がいることを訴えますが、他の生き物たちにはどちらも似たようなものでした。

その時、タコが近づいてきました。

なんと、タコもイカと間違われてイカっていたのです。

すると、イカとタコのけんかが始まりました。

このイカりが収まることはあるのでしょうか。

『イカはイカってる』の素敵なところ

  • イカとタコの違いがとてもわかりやすい
  • その知識が中々マニアック
  • でも、見方を変えれば感じ方も違う

この絵本、イカとタコの違いがとても分かりやすく描かれています。

足の数の違い以外は普段見逃しがちですが、改めて比べていくと全然違うことがわかります。

さらに、その知識が大人でも「へ~」となる、マニアックなものが多いのもおもしろいところ。

イカ墨は形を自分に似せて吐くことが出来たり、イカの吸盤はくっつくだけではなくひっかくことも出来るなど、生き物に詳しい子も「へ~」と驚いていました。

そんな色々な違いがあるタコとイカですが、見方を変えれば感じ方も違います。

海の生き物たちは違いを力説されても、「やっぱり似てる」と言ってきます。

8本でも10本でも、足の数が多いのは同じだし、

墨の性質が違っても、墨を吐くのは同じだし、

吸盤がたくさんついてるのも同じだし・・・。

本人は細かい違いを気にしていても、周りから見れば結構どうでもよかったりします。

そんな見方の違いにも気づかせてくれます。

似ているけれど違うもの。

違うけれど似ているものに気付かせてくれるお話です。

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