作:大塚健太 絵:くさかみなこ 出版:マイクロマガジン社
イカとタコの違いを知っていますか?
足の数、頭の形、違いはたくさんあります。
でも、細かいところを見なければ大体同じなのでは・・・?
そんな意見にイカはイカっているのです。
あらすじ
イカはイカっています。
いつもタコと間違えられるからです。
まず、足の数が違います。
イカの方が2本も多いのです。
そこに、魚の奥さんたちがやってきて、「手足がたくさんついている所は一緒だわ」と言いました。
イカはイカって、「タコはつるりん頭だが、イカは三角頭だ」と言いました。
そこにカニの兄弟がやってきて、「でも、頭でっかちなのは同じだし、柔らかいところも同じ」と言いました。
その後も、墨の性質や、大きな仲間、色々な種類の仲間がいることを訴えますが、他の生き物たちにはどちらも似たようなものでした。
その時、タコが近づいてきました。
なんと、タコもイカと間違われてイカっていたのです。
すると、イカとタコのけんかが始まりました。
このイカりが収まることはあるのでしょうか。
『イカはイカってる』の素敵なところ
- イカとタコの違いがとてもわかりやすい
- その知識が中々マニアック
- でも、見方を変えれば感じ方も違う
この絵本、イカとタコの違いがとても分かりやすく描かれています。
足の数の違い以外は普段見逃しがちですが、改めて比べていくと全然違うことがわかります。
さらに、その知識が大人でも「へ~」となる、マニアックなものが多いのもおもしろいところ。
イカ墨は形を自分に似せて吐くことが出来たり、イカの吸盤はくっつくだけではなくひっかくことも出来るなど、生き物に詳しい子も「へ~」と驚いていました。
そんな色々な違いがあるタコとイカですが、見方を変えれば感じ方も違います。
海の生き物たちは違いを力説されても、「やっぱり似てる」と言ってきます。
8本でも10本でも、足の数が多いのは同じだし、
墨の性質が違っても、墨を吐くのは同じだし、
吸盤がたくさんついてるのも同じだし・・・。
本人は細かい違いを気にしていても、周りから見れば結構どうでもよかったりします。
そんな見方の違いにも気づかせてくれます。
似ているけれど違うもの。
違うけれど似ているものに気付かせてくれるお話です。
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